ソニーは1月15日、ハイレゾ音源の再生に対応するポータブルプレーヤー「ウォークマン NW-ZX2」を発表した。発売は2月14日で、価格はオープンとなっている。推定市場価格は120,000円前後(税別)。

「ウォークマン NW-ZX2」

2013年9月に発表された「NW-ZX1」の後継となるモデルで、「ウォークマン」シリーズの新たなフラッグシップとなるハイレゾ対応モデル。海外では、米・ラスベガスで1月6日より開催されていた「2015 International CES」において発表されていた。変更点としてはまず、従来モデルで対応していたDSD64(2.8MHz)に加えて、新たにDSD128(5.6MHz)に対応していることが挙げられる。

パーツの改良により、さらに高音質化を追求

また、NW-ZX1では厳選されたピュアオーディオ向けのパーツを用いることで音質を追求して設計されていたが、NW-ZX2では外装等のパーツを変更することでさらにハイレゾ音源のクオリティを引き出せるように設計されている。具体的には、総削り出しアルミフレームと金メッキ処理を施した銅板を用いたハイブリッドシャーシを採用。抵抗値の大幅な低減や接触抵抗低減、酸化防止、高い剛性などにより高音質化を実現している。

バッテリーからアンプ部に電力供給を行う部分に電気二重層キャパシタを追加するなど、電源回りも強化。さらに、電池保護回路の低抵抗化を実現した新開発の専用電池パックを採用することで、透明感の向上や優れた立ち上がり、スピード感の強化が実現されているほか、アンプ部のチャージポンプ電源に高音質パーツを追加したり、高伝導率かつ電源供給が安定している厚膜銅箔プリント基板を電源基板に採用したりといった改良が行われている。

そのほかにも、大型コイルや高品質のメルフ抵抗をヘッドホン出力のLCフィルターに採用することによるオーディオラインの最適化、44.1kHz系専用の水晶発振器を追加することで48kHz系とのクロック切替に対応するなど、全体的にパーツの見直しが行われた。

音質面以外の改良点としては、従来モデルで約16時間だったハイレゾ音源(192kHz/24bit)の再生時間が約33時間へと伸長されるなどバッテリーライフが強化されたことがある。また、NW-ZX1では非搭載だったmicroSDカードスロットを新たに採用。内蔵メモリ(128GB)に加えて128GBのmicroSDXCカードを挿入すれば、ハイレゾ音源のアルバムを約130枚収録することが可能だ。さらに、ソニーが開発した新ワイヤレスコーデックである「LDAC」に対応。既存のBluetoothコーデックに比べて約3倍の情報伝送が可能となっており、Bluetooth接続でもより高音質で音楽を楽しめるようになっている。

デジタルアンプ「S-Master HX」やソニー独自の高音質化技術「ClearAudio+(クリアオーディオプラス)」を採用するほか、また音質補完技術「DSEE HX」を搭載し、ハイレゾ未満の圧縮音源をハイレゾ相当に補整して再生することが可能となっている。OSにはAndroid 4.2を採用。無線LAN接続にも対応する。

主な仕様は次の通り。使用可能な音声ファイル形式はMP3、WMA、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、FLAC、リニアPCM、AAC、HE-AAC、Apple Lossless、AIFF、DSDとなっている。FLAC、リニアPCM、Apple Lossless、AIFFでは最大192kHz、DSDは2.8224MHz、5.6448MHzでのハイレゾ再生に対応する。Bluetoothのバージョンは3.0、対応プロファイルはA2DP、AVRCP、OPP、HID、SPP、対応コーデックはSBCおよびLDACとなっている。本体サイズは約W65.1×D18.5×H131.2mm(突起部含む)、質量は約235gだ。

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