パイオニアは26日、AVアンプの新モデル「VSA-922」「VSA-822」を発表した。発売は5月下旬。希望小売価格は、VSA-922が84,000円、VSA-822が56,000円となっている。
実際に用意したスピーカーが5.2ch分でも、11.2ch相当のマルチチャンネル再生を実現する「VSA-922」。本体の上にあるiPadで実行中なのが、「iControlAV 2012」の「Sound Explorer」 |
VSA-922の背面パネル |
パイオニアのAVアンプの上級機には「フェイズコントロールプラス」技術が採用されている。「フェイズコントロール」は、低域の遅れを補正する技術。標準のフェイズコントロールがAVアンプやスピーカーで発生する遅れにのみ対応していたのに対して、ソースでの低域の遅れも補正できるのがフェイズコントロールプラスだ。補正を行える範囲は、0から16ms。なお、従来のフェイズコントロールプラスでは、補正を行う量を手動で設定する必要があった。それに対して、VSA-922に搭載されるのは「オートフェイズコントロールプラス」となっており、ソースの分析をリアルタイムで行い、低域の補正量を全自動で設定できる。
バーチャルスピーカー技術もさらに進歩。従来の同社のAVアンプでは、サラウンドバックとフロントハイトを仮想的に作り出すことが可能だった。VSA-922では、これにバーチャルワイドスピーカーをプラス。実際のスピーカーが5.2ch分でも、11.2ch相当のサラウンド空間を実現する。
スマートフォンからのコントロール機能も充実。同社のAVアンプでは、iControlAVと呼ばれるアプリを使用することで、スマートフォンでのAVアンプ操作を実現している。2012年モデルでは、VSA-922以上のモデルが「iControlAV 2012」に対応。同アプリは、iPhone/iPad/iPod touch用のほかに、Android用も用意される。一般的に、スマートフォンを使用したリモコン機能では、使用する機器の基本機能のみしかコントロールできないものが多い。それに対して、iControlAVでは、「Sound Explorer」と呼ばれるツールで、AVアンプのほとんどの機能を利用することができる。iControlAV 2012のUI(ユーザーインタフェース)は、スタンダードなリストタイプに加えて、機能をアイコン化したものも用意されており、より直感的な操作も可能だ。
VSA-822は、スタンダードな5.1chのAVアンプ。こちらもスマートフォンからのコントロール機能を備えているが、iControlAVではなく、VSA-822専用のコントロールアプリを使用する(iOS/Android OS対応)。
両モデルともネットワークに対応。AirPlayやDLNAに対応するほか、インターネットラジオのポータルサイト「vTuner」にも対応。vTunerでは、64局のプリセットが可能だ。
また、192kHz/24bitのWAVファイルやFLACファイルの再生にも対応。ネットワーク経由だけでなく、フロントパネルに備えられたUSBポートからの再生にも対応している。
8Ω時の定格出力は、VSA-922が各チャンネルとも100Wで、VSA-822が各チャンネル95Wだ。HDMIは、両モデルとも入力6系統・出力1系統を装備。その他の入力は、AV入力がVSA-922では3系統、VSA-822では2系統を、オーディオ入力がアナログ1系統/デジタル2系統(光×1系統/同軸×1系統)を搭載している。