パイオニアは7日、AVマルチチャンネルアンプ「VSA-LX55」を発表した。発売は7月中旬で、価格は15万円。

バーチャル音場機能をさらに強化し、5.2ch環境で最大13.2ch相当の音場を実現する「VSA-LX55」

CSA-LX55は、昨年7月に発売した「CSA-LX53」の後継モデル。パワーアンプは7ch構成で、定格出力は、各ch110W(20Hz~20kHz、0.08%、8Ω、2ch駆動時)。VSA-LX53は、7.1ch仕様のAVセンターアンプだったが、VSA-LX55では、サブウーファー出力が2chとなり、7.2ch仕様となっている。スピーカー端子は、従来と変わらず、フロント×2、センター×1、サラウンド×2、サラウンドバック×2、フロントハイト/フロントワイド兼用×2が装備されている。

VSA-LX55の最大の特徴となっているのが、バーチャル音場機能の充実。VSA-LX66では、バーチャルハイト機能とバーチャルサラウンドバック機能により、5.1ch構成のスピーカーで、最大9.1ch相当の音場環境を構築可能だったが、VSA-LX55では、これに、フロントスピーカーの後方に配置されたスピーカーを仮想化するバーチャルデプス機能、フロントスピーカーの横に配置されたスピーカーを仮想化するワイドサラウンド機能が加えられ、最大で13.2ch相当の音場を楽しむことができるようになった(バーチャルデプス機能を利用できるのは、サンプリング周波数48kHz以下のコンテンツのみ)。

また、上級機で採用されている「フルバンドフェイズコントロール」を、VSA-LX5xで初めて採用。フルバンドフェイズコントロールは、接続されている各スピーカーの位相を制御する技術で、音場自動補正技術「Advanced MCACC」と組み合わせることで、より正確な音像定位を実現する。また、Advanced MCACCからのデータをもとに、視聴位置での最適な画質に調整を行う「アドバンスドビデオアジャスト」機能も搭載されている。出力時の低域のずれを補正する「フェイスコントロール」に加え、入力信号に対する補正も行う「フェイズコントロールプラス」も新搭載。低域は、最大0~16mSの範囲でコントロール可能だ。

同社のBDプレーヤーとHDMI接続した際に、AVアンプ側のマスタークロックを使うことで、ジッターの発生を抑える「PQLSビットストリーム」に加え、「ジッターリダクションプラス」も採用。DACの直前に配置されたジッターリダクションICにより、アナログのピュアダイレクトモード以外のすべての入力のジッターと位相ノイズを減衰する。

App Storeから無償でダウンロードできる「iControlAV2」を利用することで、iPod Touch/iPhone/iPadからVSA-LX55の操作が可能。また、PC上で、セットアップのサポートや、「Advanced MCACC」や「フルバンドフェイズコントロール」での測定データの管理を行える「AVナビデーター」も付属している。ネットワーク関連では、DLNA 1.5やAirPlayにも対応しているほか、インターネットラジオへも対応している。

入出力関係では、HDMI端子が、7入力/2出力を装備。音声入力端子は、デジタルが光×3/同軸×2、アナログが5(オーディオ×1/AV×4)を装備。映像入力端子は、コンポジット×4、コンポーネント×2を装備する。また、フロントパネルには、iPod/iPhoneなどとダイレクト接続にも対応したUSBポートが1基装備されている。

本体サイズは、435(W)×185(H)×441(D)mm。質量は14kg。消費電力は360W(待機電力はCECオン時が0.3Wで、オフ時が0.1W)。