日本HPから登場した「HP Elite x3」は、Windows 10 Mobileを搭載したビジネス向けスマートフォンである。

Windows 10 Mobileは、以前マイクロソフトがスマートフォン向けOSとしてリリースした「Windows Phone 8.1」の後継となるOSであり、PC向けのWindws 10とプラットフォームが完全に統一されたことが特徴だ。そのため、Windows 10で導入されたユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)対応アプリケーションは、基本的にそのままWindows 10 Mobileでも動作する。また、「Microsoft Office」のサブセットである「Office Mobile」が標準搭載されており、OneDriveとの連携も可能なため、ビジネスとの親和性が高い。

「HP Elite x3」と、オプションのデスクドック

ハイエンドSoCの「Snapdragon 820」を搭載し、Continuumにフル対応

Android搭載スマートフォンに比べると、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンは機種数が少ない。だが、2016年にはVAIOの「VAIO Phone Biz」、トリニティの「NuAns NEO」などが登場しており、HP Elite x3は後発の製品となる。その分、競合製品よりも高スペックであり、日本で正式に販売されているWindows 10 Mobile搭載スマートフォンとしては唯一、SoCとして「Snapdrgaon 820」を搭載していることが売りだ。

オプションのノートドックに接続したところ

Windows 10 Mobileの目玉機能の1つが、「Continuum for Phone」(以下、Continuum)と呼ばれる機能。Windows 10 Mobile搭載スマートフォンに外部ディスプレイを接続して、デュアル画面として使う機能だが、ポイントは「ディスプレイの大きさに応じてGUIを適切に変更する」ところだ。

例えば、Windows 10搭載の2in1 PCでは、ノートPCスタイルからタブレットスタイルに変更すると、自動的にユーザーインタフェースが切り替わるが、Windows 10 MobileのContinuumも同様の機能を持つ。外部ディスプレイに映るWindows 10 Mobileの画面が、PC向けWindows 10のように、Windowsやアプリの見た目や操作性が変わる。要するに、スマートフォンにディスプレイやキーボードをつなげば、PCと同じ感覚で利用できるようになるという機能が、Continuumなのだ。

Continuumは便利な機能だが、スマートフォン側に高いパフォーマンスが要求される。概要としては、SoCにSnapdragon 820/810/808/617を搭載し、2GB以上のメモリと16GB以上のストレージだ。また、Continuumは、スマートフォンと外部ディスプレイを有線で接続するタイプと、無線(Miracast)で接続するタイプに分かれる。有線接続タイプのほうがより高いパフォーマンスが必要になるため、Snapdragon 808以上が要求される。SoCとしてSnapdragon 820を搭載したHP Elite x3は、Continuumにフル対応しており、有線接続も無線接続も可能なことが魅力だ。