神奈川・パシフィコ横浜で開催されている国内最大のカメラ関連イベント「CP+」。パナソニックブースは「LUMIX DMC-GH3」を中心に、プロ写真家の作例展示やセミナーを実施して来場者の注目を集めていた。

ブースの中央では撮影コーナーとセミナースペースを一体化。その周囲に、同社のフラッグシップ一眼「DMC-GH3」で写真家が撮影したさまざまな写真を展示。塙真一氏や佐藤ケイジュ氏、新美敬子氏といった写真家たちが、GH3で撮影した写真をプリントアウトして掲示しているほか、これらの写真家がセミナーでGH3の魅力を語る、という体裁となっている。

「DMC-GH3」

写真家・越智隆治氏の水中写真と推奨機材

佐藤ケイジュ氏の写真と推奨機材

GH3の撮影体験コーナーも充実しており、さまざまなレンズを使ったGH3の撮影を楽しめるようになっている。特に新しい標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II」は、コンパクト化しただけでなく、既存の標準ズームよりも画質を向上させているという。

新レンズの「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II」

左は従来のレンズ

GH3に装着したところ

新製品としては、コンパクトデジカメ「DMC-TZ40」「DMC-TZ35」「DMC-FT5」「DMC-FT25」「DMC-XS1」「DMC-FH10」「DMC-SZ9」「DMC-SZ3」の8モデルを発表しており、会場で一通り試用することができるようになっている。

「DSC-TZ40」

特にTZ40とFT5は、無線LANとGPSを内蔵しており、TZ40は光学20倍ズーム、FT5は水深13mまでの防水などのタフネス性能を備えている注目モデル。新機能としてこの2モデルはNFCに対応した点が新しい。

側面にNFCを搭載している

「DMC-FT5」

「DMC-FT5」のNFCは底面にある

NFC対応スマートフォンは最新機種を中心に増えており、スマートフォンとカメラを近づけるだけで無線LAN設定が行われ、カメラとスマートフォンが無線LANで接続されるというのがポイントだ。スマートフォンと無線LANを使って接続し、画像を送信するという機能は、今回のCP+でも対応機種が多く登場しているが、無線LANの設定が必要になる。パナソニックは、これを簡略化することで使い勝手を向上させる狙いがある。

スマートフォンのNFCとカメラのNFCの位置を合わせてタッチするだけで、カメラとスマートフォンが無線LANで接続される

接続したあとは、専用アプリを使って撮影した画像の確認や転送が可能。サムネールから画像を選択すると、スマートフォン画面の4方向に送信先が表示され、そこに画像をドラッグ&ドロップすると、画像をスマートフォンに保存したり、SNSに投稿したり、といった操作が行える。以前「LUMIXフォン」などでも搭載されていたUI(ユーザーインタフェース)だが、素早く操作できるのが特徴だ。

カメラ内の画像が閲覧できる

写真のサムネールを長押しして出てくる四方の転送先にそのまま画像をドラッグする

それに加えて、リモートコントロールにも対応。スマートフォンから構図を確認でき、そのままカメラのシャッターを切れるほか、ズーム、AF、露出操作といった撮影設定に加え、記録画素数の変更や連写設定など、カメラのほとんどの設定操作を行える。新たに、スマートフォン上に表示されているライブビュー画像の任意の位置をタッチすると、そこにAFを合わせてシャッターを切るタッチシャッターに対応。動画の録画も可能になったほか、従来よりも細かい設定ができるようになったそうだ。

リモート撮影画面。主要な設定はほとんどが可能。ただし、もちろんモードダイヤルの操作はできない

最薄部14mmという薄型コンパクトデジカメのXS1は、コンパクトながら35mm判換算で24mmスタートの光学5倍ズームレンズを搭載し、スタイリッシュなデザインに仕上げた。前面パネルをカスタマイズしてさまざまなデザインに切り替えられるという交換パネルの参考出品もされていたが、現時点での商品化は未定だということで、ケース内の展示にとどまっていた。

薄型スタイリッシュな「DMC-XS1」

最薄部は14mm

パネルの交換でカスタマイズができる

また、1月初旬に米国で開催されたInternational CES 2013で出展されていた4K解像度のディスプレイを搭載したタブレット端末は、今回会場にはなく、代わりに20型の4Kディスプレイを展示しており、4K解像度での写真閲覧の方向性をアピールしていた。

緻密な画像が表示できる20型の4Kディスプレイ