コンタクトレンズでアレルギーになるかもしれないなんて……

今や日本人でもコンタクトレンズを装用している人は珍しくなくなった。視力を矯正したり、オシャレ用途として色付きの物を使用したりと、私たちの生活には欠かせないアイテムと言っても過言ではないだろう。だが、誤った使い方をすると思わぬダメージを目に招く。その一例として「コンタクトによるアレルギー」が挙げられる。

本稿では、あまきクリニック院長の味木幸医師の解説をもとに、一見しただけでは気づきにくいコンタクトのアレルギーについて紹介しよう。

かゆみなどを引き起こすアレルギー性結膜炎

アレルギーによる目の疾病の代表例には「アレルギー性結膜炎」がある。この病気になると、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜である結膜に炎症が起きる。具体的には、「目のかゆみ」「白目の充血」「目がゴロゴロするといった異物感」「白く粘性のある目やに」などの症状がでる。

このアレルギー性結膜炎には下の2種類がある。

■通年性アレルギー性結膜炎

目の表面にほこりやカビ、ダニ、フケなどが付着することで症状を引き起こす。1年を通して発症する可能性がある。

■季節性アレルギー性結膜炎

毎年同じ季節になるとアレルギーによって結膜炎が起きる病気で、いわゆる花粉症。代表的なアレルゲンはスギやヒノキなど。原因となる花粉が飛散している期間のみ発症する限定的な結膜炎。

アレルギー症状を引き起こす「アレルゲン」が通年性と季節性では異なるわけだが、味木医師はコンタクトレンズがこのアレルゲンを引き寄せると解説する。

「『コンタクトアレルギー』で一番多いのは、汚れによるアレルギーですね。ワンデータイプの物を装用していても、夕方ごろになるとレンズは汚れていますし、特にドライアイの人は汚れが付きやすいという特徴があります。また、防腐剤へのアレルギーもありますので、コンタクトの消毒液でもアレルギーが出ます。防腐剤なしの物もありますが、多くの消毒液には防腐剤が入っていますから」。

実際、味木先生のクリニックにも消毒液が原因でアレルギーを発症した患者が来院したという。そのような場合、防腐剤などの化学薬品が入っていない消毒液に替えることで改善されるとのこと。