今回明らかになったスーパーローテーションの維持機構の模式図。太陽光をより多く吸収する低緯度から、より少なく吸収する高緯度にかけて、鉛直-南北のゆっくりとした循環「子午面循環」が存在する(白い矢印)。これは、低緯度の「角運動量」を運び去り、スーパーローテーション強度を弱めるように働く。それに対し、熱潮汐波が低緯度にむけて角運動量を運び(赤い矢印のうち南北に伸びるもの)、スーパーローテーション強度を強めるように働く。これによって、高速なスーパーローテーションが維持可能になり、長期間太陽に照らされる昼面から、太陽があたらず冷え続ける夜面に熱が運ばれる。なお、熱潮汐波以外の波や乱流は、低緯度の雲頂付近では弱いながら潮汐とは逆に働き(青い矢印)、中高緯度では別の重要な役割を果たす(水色の矢印。角運動量の流れを、子午面循環をバイパスするように運びます)。また、熱潮汐波は、鉛直の伝搬によっても、スーパーローテーション強度を強めるように働いている(赤い矢印のうち上下に伸びるもの) (C) Planet-C project team
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