第1回では、個人店舗やSOHO/スモールビジネスがWi-Fiを設置するメリットについて店舗の来店者および従業員、SOHO/スモールビジネスそれぞれの視点から紹介しました。しかしながらこうしたWi-Fi設置のメリットを享受するには、導入の際に気をつけるべきポイントをきちんと抑えておく必要があります。今回は、Wi-Fi導入時に陥りがちな「落とし穴」を紹介し、設置の際に心得るべき勘所を解説していきます。
落とし穴その1:設置したのに繋がらない!?
場所によって繋がらないところがある
大きめの家具の陰や壁の向こう側、2階——。家庭でもWi-Fiを設置したのに電波が届かない場所があって不便な思いをした経験のある人は多いのではないでしょうか。家庭であればまだしも、スマートフォン・タブレットでオーダーを受けたり精算したりしなければならない飲食店にとって、Wi-Fiの電波状況が良くない場所があるというのは死活問題になります。高い工事費を払ってまで導入したのに、結局紙とペンで注文を受けている……なんてことにはしたくないですよね。Wi-Fiを使いたいすべての場所にきちんと電波が届くかどうかということを意識して、機器選びや設定を行う必要があります。
業務に必要な通信ができない
店舗の形態によっては、来店者のアクセスが集中したり、来店者が長時間の動画など重いデータをダウンロードしていたりすることが原因となって、業務に必要な通信が行えなくなってしまうというリスクも考えなければなりません。こうした場合は、業務で使うICT機器を優先的に繋ぐような設定をしたほうがよいでしょう。
落とし穴その2:運用管理が難しい!
ITの知識がなくどこの何を見ればいいかわからない
実際にWi-Fiが繋がりにくい状況になった場合、機器の状態を確認しようとしてもITに詳しいわけではなく、どこの何を見ればよいのかわからず困ってしまうかも……という人もいるかもしれません。よくわからないまま管理画面を操作してしまい、かえって状況が悪化してしまう可能性もあります。あまりITの知識がないけれど安心・安全・安定的にWi-Fiを利用したいという方にとっては、管理のためのソフトウェアの使いやすさもWi-Fi機器を選ぶ際の重要なポイントとなります。
複数店舗のネットワークを管理しなければいけない
また、地域で複数の店舗を展開している事業者も多いと思います。それぞれの店舗にWi-Fiを設置したいとなると、管理をする担当者の人手が足りなかったり、作業の流れが煩雑になってしまったりするという問題が発生するかもしれません。その場合、複数店舗のWi-Fiを一元管理できる機能があるものを選ぶと便利です。
落とし穴その3:安全性は大丈夫?
セキュリティの担保の仕方がわからない
POSデータなどの機密情報を扱う場合に考えなければならないことは、なんといってもセキュリティです。しかしながら、通信が本当に安全なものなのか、データを盗み見られていないか、専門家でなければなかなか理解・把握することは難しく、安全性を担保し続ける具体的な方法がわからず不安に思われるかもしれません。
IDとパスワードは掲示しないほうがよい
また、来店者の利便性を向上させようと、店内にWi-Fi接続のためのSSIDやパスワードを掲示している店舗がよく見かけられますが、実はセキュリティの観点で考えると、あまりおすすめできる方法ではありません。
関係ない人がWi-Fiを使ってしまう
来店者の満足度を高めるために設置したのにも関わらず、お客様ではない人たちがWi-Fiのヘビーユーザーになってしまっている状態は避けたいですよね。しかし、店舗を利用しないのにも関わらず、通信環境ほしさに閉店後に店舗の近くまできてWi-Fiに接続するような人がいるのも事実です。
Wi-Fiを設置する際には、来店者・従業員含め利用者全員が安心・安全に使えるかどうかという面もしっかりと考えていかなければなりません。
ここまで読んでいただいたみなさんは、Wi-Fi導入を検討する場合、設置場所や設定方法、運用管理のしやすさ、セキュリティの担保といった点を抑えておかなければならないことがわかっていただけたのではないでしょうか。次回は、こうしたWi-Fi設置の落とし穴にハマらないための具体的な方法をご紹介していきます。
[PR]提供:日本ヒューレット・パッカード