ExcelやPowerPointのブラウザ上での作業が可能

G Suiteを導入していても、Googleの提供するオフィスアプリ群は利用していない、というケースは多い。メールやスケジュール機能はGoogleを利用しても、オフィスアプリはG Suiteのスプレッドシートではなく、マイクロソフトのExcelを使うという具合だ。

しかし、G Suiteのドライブ上にMicrosoft Office形式のファイルが保存されている場合、ブラウザ上で開こうとすると自動的にGoogleアプリの形式に変換されてしまう。Excelファイルを編集して保存をすると、元のExcel形式ファイルはそのまま、スプレッドシート形式のファイルも作られてしまうというわけだ。ファイルの共有を行ううえで、ここに不便を感じることも少なくないだろう。

これが、2019年春からは新たに提供された機能により、Microsoft Officeのファイルをそのまま編集できるようになったのだ。もちろん編集後に保存してもファイル形式は変わらず、あとでMicrosoft Officeアプリで開いたときに見た目が変わっているということもない。

標準動作では編集画面上はG Suiteで利用するスプレッドシートやスライドになるが、PCにOfficeがなくともファイル形式を変更せずに利用できる。またOfficeアプリを保有しているのならば、ファイルを開いたときにアプリを指定して直接ブラウザからExcelやPowerPointを操作することも可能だ。ドライブファイルストリームと組み合わせることで、いちいちファイルをダウンロードすることなく、ブラウザ上から自然な動作で直接をOffice利用したファイル編集が行えるようになっている。

  • クラウドファイルサーバー連載_第3回_01

    G Suiteアプリに変換せず、ブラウザ上でMicrosoft Officeのファイルを編集できる

Microsoft Officeファイルのまま共同作業も可能

個人向けの無料アカウントでは、ExcelファイルをExcelファイルのままスプレッドシートで編集はできても、共同作業を行うためにはスプレッドシート形式への変換が求められる。

だがG Suiteの共有ドライブなら、スプレッドシートの機能を利用しつつExcel形式のまま共同作業を行うこともできる。もちろん、これはExcelだけでなくPowerPointやWordファイルでも同じだ。作業の前準備としてファイルをコピーしたり、変換したりといった手間は不要になっている。

G Suiteのアプリから共同作業を行う場合、画面上部に同じファイルにアクセスしているメンバーのアイコンが表示され、編集状況がリアルタイムに表示される。この動き自体は、G Suiteの共同作業そのままだ。ファイル形式がG Suiteのものかどうかを気にせず作業できるようになったといえる。

  • クラウドファイルサーバー連載_第3回_02

    Microsoft Office形式のファイルを直接ブラウザ上で共同作業できる

バージョンに依存せず、同時編集が可能

しかし、Microsoft Office自身の共同編集作業機能はSharePointの利用を前提にしている。社内のファイルサーバーに保存されたファイルでは、誰かが開いていると、ほかのメンバーは編集できないという状態になりがちだ。

G Suiteの共有ドライブでは、ドライブファイルストリームを利用してクラウド上のファイルを直接編集する場合でも複数人のファイル利用を可能にするための機能として「リアルタイムプレゼンス」が用意されている。これは同じファイルを開いているユーザー同士に、ほかのユーザーがいるかどうかを教えてくれる機能だ。

あるファイルを開いたとき、ほかにユーザーがいなければ「安全に編集できます」と表示される。逆にほかのユーザーがすでに編集中ならば「編集を待機してください」と表示される。

このとき「ほかのユーザーを確認する」「ほかユーザーの作業が終わって安全に編集できるようになったら通知を受ける」といった選択が可能だ。また同時に作業を進めてしまって異なるバージョンのファイルができてしまったときには、異なるバージョンのファイルを並べて開いたうえで変更点をコピーして簡単に統合することもできる。

  • クラウドファイルサーバー連載_第3回_03

    Microsoft Officeアプリで複数人が同じファイルを開いた時には通知が受けられる

G Suite上での完全な共同作業とは違い、画面上でコラボレーションができるというような機能ではないが、同じファイルを複数人が使えるうえ、不用意な上書き保存や異なるバージョンの散乱といった事態が防げることには大きな価値があるだろう。「G Suiteでのクラウドファイルサーバー+Microsoft Office」という組み合わせも、無理なく業務に利用できるようになっているのだ。

監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。G Suite(旧名:Google Apps)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。

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