技術面と教育面の両方に存在する課題

株式会社サテライトオフィス 執行役員 岡 裕明氏の写真

株式会社サテライトオフィス
執行役員 岡 裕明氏

2021年度は、公立小中学校に通う児童生徒たちが1人1台の端末を持ち、ICTを活用した授業を受ける日々が始まることになる。しかし、当然ながら急激な変化に全ての教育現場が対応しきれているわけではない。運用面の課題とは別に、直接授業を受け持つ現場の教員はどのような課題を抱えているのだろうか。本稿では、GIGAスクール構想よりも前からChromebook やGoogle Workspace for Education(旧G Suite for Education)の導入支援を手がけてきた、株式会社サテライトオフィスの執行役員 岡 裕明氏に、現場が抱える課題とその解決法について話をうかがったので、その内容をお届けしよう。

現在のところ、現場には大きく分けて2種類の課題があるようだ。1つは、Chromebookをはじめとした端末そのものや、Google Workspace for Educationの機能を使いこなせていないという技術的な課題。2つ目は、それらの機能を授業でどのように活用するのかイメージできていないという教育の課題だ。

端末が揃ったものの、教科書が全てデジタル化されたわけではなく、一斉休校が要請されていた初期のコロナ禍のように児童生徒全員が在宅状態にあるわけでもない。対面授業におけるICT活用のイメージができず、手探り状態の現場に対して、サテライトオフィスではICT活用の幅を広げる支援を行っている。

教員の技術課題は? セミナー開催や事例紹介でサポート!

教員にとって情報端末は馴染みがないわけではないが、校務ではWindows端末を活用していることが多い。また、授業での活用の経験があまりなく、児童生徒用端末として多くの教育現場で採用されているChromebookはほとんど触ったことがないといったケースもよく聞かれる。「一応は使える」「特定の操作はできる」という状態ではなく、子供たちから質問されたときにしっかり教えられるような体制を作らなければならないが、そうなるとますますハードルが高いと感じる教員も多いだろう。

まずは、実際に教員も児童生徒と同じChromebookを使ってみることが必要だ。教員用端末を別途用意しなくても、児童生徒用の予備を教員用として試用すればよい。使い方に戸惑う場合はベンダーに頼ってみる手もある。

サテライトオフィスでも、教員向けのプログラムを用意している。端末の使い方やClassroomの活用方法を紹介するという基本的な内容だが、これだけでも大半の人はある程度使えるようになるという。また、初期導入時にプライベートセミナーを行ってくれたり、運用中にアップデートによる仕様変更が発生した際などの細かな問い合わせに対応してくれるといった無償サポートも提供している。

自分がGoogle Workspace for Educationを使えるようになるだけでなく、児童生徒に教えられるようになるのはなかなか難しいことではあるが、ベンダーに頼りながら基本的なことを習得し、教員同士の勉強会を実施して知識を共有すれば、十分カバーし合えるはずだ。

  • サテライトオフィスのサービスを象徴するイラスト

教育面の課題は事例や情報の紹介で専門家が支援

授業における活用方法といった教育面でのサポートは、実際に授業を行う教員の視点が重要となるため、ベンダーにできることがそれほど多くはない。そこでサテライトオフィスでは積極的に先行事例の紹介や希望に応じた現場見学の手配を行っている。

もちろん、授業に使えそうな機能やアプリの紹介も可能だが、そうした話を受けてそのまま使ってみるだけという学校ではあまり活用が定着しない傾向にあるようだ。一方で、教員同士での研究会が活発な学校は機能やアプリの定着率がいいことから、やはり実際に授業で活用するといった視点で考えることの重要さがうかがえる。

特にChromebookではAndroidアプリの一部が利用できるため、スマートフォン向けの情報が非常に多くあり、これを研究するような取り組みがおすすめだ。出だしのヒントとなる事例紹介や、具体的な使い方でつまずいたときの技術的なサポートはサテライトオフィスをはじめとしたベンダーに頼り、教育に何が有効なのか、どのように授業で活用するのかといった教育面の課題では、専門家である教員が力を発揮する分野となる。

技術の専門家としてサテライトオフィスが活躍

実際に多くの導入を手がけてきたサテライトオフィスの経験では、技術的な部分が十分サポートされていて、活用のヒントとなる情報があれば、現場教員の力は十分に発揮され、活用の幅も広がるのだという。技術の専門家であるベンダーと、教育の専門家である教員が手を取り合うことで、学校でのICT活用は成功へと向かう。無償サポートやプライベートセミナー、事例紹介などの技術面において、教育の片側を担う存在として、サテライトオフィスの存在をぜひ認識していただきたい。

監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。

サテライトオフィス

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さまざまなビジネスモデルに最適なソリューションパッケージを開発し、ユーザー目線に立った戦略の企画・提案を行っています。業界No.1の導入実績を持つGoogle Workspace(旧称:G Suite)やMicrosoft 365、LINE WORKS、Workplace by Facebook などクラウドコンピューティングに関わるビジネスの可能性を追求しています。

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