はじめに

G-gen の森本です。2019年末に発生した新型コロナウイルスが契機となり、国内ではリモートワークが急速に普及しました。現在はアフターコロナへと転換し、オフィス回帰の流れが進んでいる組織もありますが、依然としてリモートワークを活用する企業は存在します。

G-gen ではフルリモートワークを基本としており、営業、エンジニア、バックオフィスの全従業員が現在も変わらずに自宅で仕事をしております。フルリモートワークを支えるツールの一つが Chromebook であり、当記事では企業の情報システム管理者目線で Chromebook について触れていきます。

Chromebook とは

Chromebook は Google 社が開発した ChromeOS と呼ばれるオペレーティングシステムを搭載したPCです。Google の開発したセキュリティチップが搭載されており、OSの改ざんやファームウェアの異常をチェックしてくれるなど、セキュリティ面に優れています。大きな特徴として、これまでにランサムウェアの被害報告を受けていないことが挙げられます。IPAの公表している情報セキュリティ10大脅威2024[組織] (参考:IPA,「情報セキュリティ」, https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2024.html)によると、ランサムウェアは情報セキュリティ脅威の1番となっています。システム管理者の視点でランサムウェア対策は頭を悩ませている最大のポイントですが、Chomebook を利用することでデバイス面はランサムウェアの攻撃を回避することが可能です。

弊社では Chromebook を使いつつ、データはすべて Google Workspace へ保存をしており、デバイス側にデータを保持しない運用を行っております。 もし、自身が利用しているChromebook が故障しても他の Chromebook を使って Google アカウントでログインするだけで普段と変わらない作業環境で仕事ができます。

メリット デメリット
  • ランサムウェアの被害が報告されていない
  • Google アカウントでログインが可能
  • サードパーティのウイルス対策が不要
  • キッティングが不要
  • 起動が高速
  • インターネットに接続できる環境が必須
  • Windows や Mac と比べると利用できるアプリケーションが限定される

Chromebook におけるデバイス管理方法

企業で情報システムを担当されている方には、組織におけるデバイス管理を効率化したいというニーズがあるかと思います。そんなニーズに対応するのが、「Chrome Enterprise Upgrade」です。Chrome Enterprise Upgrade は、Chromebook を一元管理するためのライセンスです。紛失時におけるデバイスの遠隔制御をはじめとしたセキュリティやデバイスポリシーの設定などを Google 管理コンソール上で実施することが可能です。
Chrome Enterprise Upgrade を利用することで、Google によるサポートを受けることもできます。 Google 管理コンソール上で制御を行うため、Google Workspace / Cloud Identity を利用していない場合は、まずは Google Workspace / Cloud Identity のご利用をおすすめします。
Chrome Enterprise Upgrade には「デバイスバンドル型」と「年間サブスクリプション型」の2種類があります。前者は「Chromebook Enterprise」といい、Chromebook に Chrome Enterprise Upgrade がバンドルされています。後者は Chrome Enterprise Upgrade を年間ライセンスで購入・更新を行います。Chrome Enterprise Upgrade は企業でまとまった台数のChromebookを導入・管理する際は必須となります。

ChromeOS Flex によるIT資源のリサイクル

「Chromebook に興味は持ったけれども、予算や稟議上でのハードルがあるので気軽に利用できない」というケースがあると思います。身近にある不要な PC を再利用して検証できたら、と思う人もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで利用できるのが「ChromeOS Flex」です。ChromeOS Flex は、従来利用していた Windows や Mac などの PC にインストールして、利用することが出来ます。ChromeOS はブラウザ上で動作を行うため、古い Windows や Mac などのデバイスでも動作します。Google 社の推奨するデバイスの最小要件は別表の通りです。大抵のWindowsやMacでは最小要件をクリアできることが分かります。古い PC を再利用できるため、低コストで環境にも優しくなっています。

項目 デバイス最小要件
アーキテクチャ Intel または AMD x86の64ビット互換デバイス
RAM 4GB
ストレージ 16GB
その他
  • USB ドライブからの起動をサポート
  • BIOS のすべての管理者権限
(参照:ChromeOS Flex ヘルプ,「必要なもの」,
https://support.google.com/chromeosflex/answer/11552529?hl=ja)

一方で指紋認証などの一部のハードウェア機能については Google 社からサポートがされていないため利用できない場合があります。その他に、Chrome OS で対応している Google Play などの一部機能が利用できませんのでご注意ください。
Chromebook を使ってみたいけど新品を購入するのは難しい、といった場合には手始めに ChromeOS Flex の利用を推奨します。実際にChromeOS Flexをインストールする際は Google 社の公式ドキュメントに手順が記載されておりますので参照ください
(参照:ChromeOS Flexヘルプ,「ChromeOS Flex インストールガイド」https://support.google.com/chromeosflex/answer/11552529?hl=ja)。

Chromebook が向いている方と向かない方

業務システムが SaaS で組まれているなどブラウザを介しての作業であれば Chromebook で事足りるケースがほとんどです。既に Google Workspace を利用している場合は親和性があり、よりセキュアに Chromebook を活用できます。営業職の方など、社外で PC を持ち運んで仕事をする場合はセキュリティ対策に気を配る必要がありますが、Chrome Enterprise Upgrade と組み合わせることで紛失時にリモートワイプするといった運用が可能です。
一方でクライアントサーバ方式でのアプリケーションや、インターネットバンキングを利用している場合、 Chromebook は適しておりません。また Chromebook はブラウザでの作業が主となるため、ワークステーション級のスペックをPCに求めるシーンでもミスマッチとなります。Chromebookの利用が向いている方と向かない方については以下の表を参照ください。

Chromebook が向いている方 Chromebook が向かない方
  • ブラウザ利用だけで事足りる
  • 業務システムが SaaS である
  • Google Workspace を既に利用している
  • Windows や Mac にアプリケーションをインストールして利用している
  • ハイスペックなマシンが必要
  • オフラインでの作業が多い

さいごに

上記で触れた以外にも新しく「Chromebook Plus」がリリースされています。従来の Chromebook と比べ CPU やメモリなどが2倍のスペックを搭載し、Google の AI 機能が搭載されるPCです。従来の Chromebook ではスペックが不足していた方や Google のAI を活用してみたいと考えている方向けに、新たな選択肢が増えております。
 G-gen では Chromebook や Chrome Enterprise Upgrade の提供、Google Workspace ライセンスの販売、Google Workspace に関するソリューションを提供しております。業務での使い勝手が知りたい、自社で使い方を検討しているが実際の話を聞いてみたい、などありましたらお気軽に弊社HPのお問い合わせフォームよりご連絡頂ければ幸いです。

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