経営の意思決定や日常的なビジネス施策に関わる判断に、データ活用が不可欠であることは、いまやどの企業も気づいているはずだ。データ活用する際にまずベースとなるのが、分析に用いるデータ集め。このデータ収集をサポートするためのプロダクト開発を進めている株式会社Hogetic Lab(ホゲティックラボ)は、サービス展開のためのクラウド基盤としてGoogle Cloudを選択し、そのインフラ整備の伴走支援を株式会社G-gen (ジージェン)に依頼した。

昨今、多くの企業がDX推進、クラウド移行に取り組んでいるが、両社はどのようにインフラ整備を推し進めているのか。両社のキーパーソンに、将来的な協業も視野に入れた取り組みの実像を聞いた。

企業が抱えるデータ収集の課題を解決したい

Hogetic Labは2020年4月に創業したスタートアップ企業だ。データアナリストの大竹諒氏(代表取締役CEO)、白石裕人氏(取締役COO)が分析スキルを活かしたコンサルティングを行うために共同で設立。2021年4月に、大手電機メーカーや大手IT系企業で活躍した岩尾一優氏が入社して取締役CTOに就任し、顧客企業のデータ活用をサポートするプロダクトの開発が動き出した。岩尾氏がその経緯を語る。

株式会社Hogetic Lab 取締役CTO
岩尾一優 氏

「いまはどの企業でもデータ活用を進めたいと考えているものの、そのベースとなるデータが集まっていないという課題を多くの企業が抱えています。この課題を解決するプロダクトを開発しようと考えたのが出発点ですね」(岩尾氏)

同社は、データ収集に特化し、Twitterをはじめとした外部データをノンコーディングで集められる「Collectro(コレクトロ)」を開発。2021年6月にアルファ版を、12月にベータ版を公開し、2022年4月から6月をめどに正式版のリリースを目指している。プロダクトを開発するだけでなく、実際に顧客企業に入って導入支援や抱える課題に即した分析のコンサルティングも行い、そのフィードバックを活かすサイクルをしっかり回しているところが同社の大きな強みといえる。

Collectroは、顧客のクラウド環境に構築する分散型のアーキテクチャを採用し、自社データはもちろん、SNSや検索、小売等の外部データもAPIを経由してノンコーディングで収集できるツールだ。従来、API経由で外部データを収集しようとすると、エンジニアが専用のクローラーを開発して運用するケースが多かった。しかしこれではエンジニアの手を煩わせるうえ、開発したエンジニアが退職してブラックボックス化したといった話も聞かれる。Collectroはデータ収集を、エンジニアの手を使うことなく簡単かつ柔軟に実現するため、すでにさまざまな業界・企業から注目を浴びている。

岩尾氏はCollectroのプロダクトマネジメントや開発全体のリーディングを担当している。その岩尾氏が、Collectroの開発環境と中央管理システムを置くクラウドを導入するにあたり、声をかけたのがG-genでビジネス推進部長を務める鈴木達文氏だ。

G-genの技術サポートとコスト面のメリットを高く評価

G-genは2021年8月、AWS専業のクラウドインテグレーターとして知られるサーバーワークスと、Google Cloudのプレミアパートナーである韓国のベスピングローバルが、Google Cloud事業への本格参入に向け合弁で設立した企業だ。G-gen自体もGoogle Cloudのプレミアパートナーに認定されており、事業としてはGoogle Cloudのリセールサービスを中心に提供している。高度な技術力に加え、Google Cloudを安価に提供できる点も強みとなっている。

岩尾氏と鈴木氏は、かつて同じ企業で仕事をしており、旧知の仲だったという。Collectroの開発をスタートした岩尾氏は、もともとGoogle Cloudに関して高い知見と技術を有している鈴木氏がG-genに移ることを耳にし、声かけに至ったという。

株式会社G-gen ビジネス推進部 部長
鈴木達文 氏

「Collectroはサービスを顧客のGCP環境に構築するアーキテクチャであるため、管理するクラウドが非常に多くなり、煩雑になってしまう懸念がありました。Google Cloudに詳しい鈴木さんがいるG-genであれば、アーキテクチャに関する相談ができ、高度な技術支援を受けられる点に大きなメリットを感じました」(岩尾氏)

Hogetic Labにももちろんエンジニアが在籍しているが、フォーカスはCollectroの開発とデータ分析の方向性にあり、インフラはいわば専門外。クラウド管理も可能ではあるが、Google Cloudに関する技術的課題の解決はG-genという専門家のサポートに任せ、本来の仕事にリソースを集中させる道を岩尾氏は選んだわけだ。

これに対して鈴木氏も「やはり、餅は餅屋に任せてもらい、Hogetic LabさんにはCollectroの開発に全力を投入していただき、素晴らしい顧客体験の提供や、画期的で尖ったアプリケーションの開発に専念してほしいという気持ちが強くありました」と応える。

「当社はプレミアパートナーということでGoogle Cloudと深いコネクションがあります。当社を通じてGoogle Cloudを利用することで、Google Cloudとの直接契約ではなかなか難しい、ニーズにフィットするきめ細かなサポートを提供できます。また、当社ではスタートアップ企業の支援に力を入れようと考えています。スタートアップはやはりコストセンシティブなところが多く、Hogetic Labさんとはその部分でもマッチしたと考えています」(鈴木氏)

両社にビジネスメリットを生む協業に向けて

こうしたポイントに加えて、Hogetic LabがG-genを、またG-genがHogetic Labをそれぞれ選んだ背景には事業戦略上のポイントもあると、岩尾氏が指摘する。

「Collectroを展開する顧客のクラウド環境は、顧客自身で用意していただきます。その際にG-genさんを紹介することで、G-genさんの事業にもよい効果が生まれます。一方で、G-genさんあるいはその親会社であるサーバーワークスさんの顧客で、AWS環境からデータを収集したいとの課題を持っている場合には、当社のCollectroを提供できます。このような、今後を見据えた両社のメリットも当初から念頭に置いていました」(岩尾氏)

Collectroの開発は、2021年12月リリースのベータ版を10〜20社の企業に導入してもらい、フィードバックを得ながら改善を続けている段階だ。並行して、正式版リリースに向けた両社のパートナー提携についても話を進めているという。現時点で感じている課題を聞くと、岩尾氏はこう答えた。

「Collectroがなぜ分散型アーキテクチャを採用しているかというと、顧客それぞれの環境にCollectroを構築することで、アカウントもデータも自由に使っていただけるので、Collectroの価値を最大限引き出し、DXにつながるデータ活用のメリットをより提供しやすくなるためです。ただ、分散型アーキテクチャでは顧客環境で稼働するバージョンのリアルタイム把握やアップデート管理が大変で、いまはそうした面のブラッシュアップを図っているところです」(岩尾氏)

一方、G-genが現時点で提供しているサポートは、Google Cloudとのコネクションを活かしたアップデート情報や技術選定におけるベストプラクティスの確認、今後のロードマップ提示などがある。「こうしたサポートを随時提供できるのも、プレミアパートナーとしての当社の強みです」と鈴木氏は語り、岩尾氏も「Google Cloudのアップデート情報を自分たちですべてピックアップしていくのは大変です。G-genさんは技術選定についてなど、わかりやすいスライドをもとにポイントを絞って説明してくれるので、大いに助かっています。しかも、問い合わせに対するレスポンスがとても速いのもありがたいですね」と応じた。

Collectroは来たる正式リリースに向けて機能を磨き続けており、G-genもその価値の最大化を全力でサポートしている。岩尾氏は、まずは日本国内、さらにその先でグローバルへの展開も視野に入れている。Collectroを軸とした両社の協業が実現し、データ活用の世界に新たな風が吹く未来に注目したい。

Google Cloud が両社に抱く期待

これからのDX時代を担っていくであろうG-gen、Hogetic Labの両社を、グーグル・クラウド・ジャパンも高く評価しており、大きな期待を寄せている。最後に、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社のPartner Success Managerである黒須氏が両社に送ったコメントを紹介する。

G-genへの期待
G-genさんは、もともと他のパブリッククラウドにおける多くのご知見があること、早期からプレミアパートナーであること、そして専業であることなど多くの強みがあります。これらの強みを活かして、我々が想定していたより早いスピードで事業を進めていただいております。そんなG-genさんには、Google Cloud が直接できないようなサポートを、お客様に寄り添って実施いただくことを期待しています。

Hogetic Labへの期待
所属しているメンバーは、データ分析においては日本でもトップクラスであると考えています。Google Cloudのデータ分析基盤は優れていますが、そこに付随するお客様の課題に寄り添ったアプリケーションの開発、ソリューションの提供を期待しております。

両社のコラボレーションに対する期待
データ分析においては、これからもお客様の期待、マーケットのニーズは増えていく一方だと思っております。G-genさんにはGoogle Cloudの技術全般の支援、そしてHogetic Labさんにはそれに付随するアプリケーションの開発をしていただくことで、ますますお客様に寄り添ったビジネスが可能だと思っています。

関連リソース

クラウドコンピューティングを活用したシステム企画・開発及び運用なら「G-gen」
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データ分析をビジネスに活用し、これからの社会を作る「Hogetic Lab」
>>公式HPはこちら

データ収集をもっと“手軽”にする Data Collect as a Service「Collectro」
>>公式HPはこちら

[PR]提供:G-gen