クラウドとオンプレミスのどちらか一方を選択すべきものではなく、それぞれの短所を抑え、長所を最大限に活かすやり方に推移しています。それが「ハイブリッド」クラウドという融合型です。経緯とその結果生まれた新しい考え方について、この記事ではまとめています。
【事例】オンプレミス回帰(脱クラウド)の動き
大変な思いをしてオンプレミスからクラウド(この場合パブリッククラウド)に移行したので、当初の目的は達成できたはずです。ところがクラウドに想定外の事情があることがわかり、再び従来のやり方に一部または全部を戻す企業が出始めました。この章では企業の典型的な事例とともに、傾向を示す調査結果をご紹介します。
DropboxはAWSの利用を停止(2015年)
Dropboxは老舗で大手のオンラインストレージサービスです。実はDropboxはそのサービス提供に、クラウド(パブリッククラウド)のAWS(Amazon Web Services)を利用してきました。
2010年代前半に企業では業務の進め方が大きく変わり、Dropbox社が提供するオンラインストレージサービスが急拡大しました。その結果、コストやさまざまな性能の改善点が明らかになります。そこでDropbox社はAWSの利用を止め、再び自社に情報システムを大規模に移行する意思決定をしたのです。厳密には「パブリッククラウド」から「プライベートクラウド」への移行で、用語には「クラウド」の用語は残っています。
【ご参考】パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い
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パブリッククラウド
いわゆる「クラウド」と同様に、比較的「開かれた」仕組みです。 -
プライベートクラウド
「クラウド」とはいえ「開かれていない」仕組みで、「オンプレミス型(所有型)」と「ホステッド型(利用型)」の2種類あります。後者は、クラウド事業者が提供するサービスを利用します。
カゴヤのサーバー研究室では、以下の記事で両者の違いを詳しく解説しています。
オンプレミス回帰の傾向は本当か?
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