コロナ禍において「ハンコ出社」が社会問題とされ、いまや多くの企業で「ワークフローシステム」や「電子契約サービス」の導入が進んでいる。とはいえ理想は、社内と社外のやり取り両方が電子化され、それらが連携されることだ。

GMOグローバルサイン・ホールディングスの電子印鑑サービス「GMOサイン」と、エイトレッドのワークフローシステム「AgileWorks」「X-point」は、互いに連携することが可能となった。(https://www.softcreate.co.jp/news/detail/154

こうした機能がペーパーレスやハンコレスをいかに促進するか、そしてニューノーマルの時代の働き方をどのように変えていくのか。GMOグローバルサイン・ホールディングス 代表取締役社長の青山 満 氏、ソフトクリエイトホールディングス 代表取締役社長の林 宗治 氏に語り合ってもらった。

登場人物


青山 満 氏
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
代表取締役社長

林 宗治 氏
株式会社ソフトクリエイトホールディングス
代表取締役社長



●ワークフローシステム・電子契約を取り巻く環境の変化

─コロナ禍以前・以後で、電子印鑑サービス、ワークフローシステムの導入はどのように変わりましたか?

青山氏: 電子印鑑サービス「GMOサイン(旧GMO電子印鑑Agree)」の会員数は、2019年度時点で大企業を中心に約3,700社、これは過去5年間の実績です。それに対して2020年度は14万社を突破しており、2021年3月末には18万社に届きそうな勢いです。

電子印鑑サービスによってハンコを電子化したい企業は多かったと思いますが、取引先に導入を促すのが難しく、コロナ禍以前はなかなか導入が進みませんでした。大企業なら導入を先導できたと思いますが、中小企業の立場だと困難だったでしょう。

林氏: グループ会社であるエイトレッド社が提供するワークフローシステム「AgileWorks」と「X-point」においてもコロナ禍を境に導入企業数は増加しているのですが、実はコロナ禍になってからワークフローを検討した企業は少なく、以前から検討を進めていた中で「コロナ禍によって承認がおりた」「部門導入していたものを全社で使うことになった」という例が増えた実感があります。自治体はDX推進室を立ち上げて、そこが電子印鑑の導入を担当している例が多く、今年は非常に動きが速いと感じていますね。

─コロナ禍によってペーパーレス、ハンコレスが進んだ背景には、どのような理由があったのでしょうか?

青山氏: 緊急事態宣言下において、政府が感染防止のために在宅勤務(テレワーク)を推奨しても、契約書が電子化されておらず、ハンコを押すためにやむなく出社するという「押印"痛"勤」が大きく取り上げられました。電子化を後押しする風潮が非常に強くなったと感じます。2020年4月27日には、安倍前首相も「ハンコをなくそう」という方針を打ち出し、コロナ禍を機に法整備も進みつつあります。

林氏: ハンコレスといえば、GMOインターネットグループの熊谷 正寿 代表取締役がTwitterで「決めました。GMOは印鑑を廃止します」と宣言し、「#さよなら印鑑キャンペーン」を実施したのが印象的でしたね。

青山氏: 我々は2020年1月29日から在宅勤務に移行していますが、このハンコの話題が上がってきたときに、熊谷から通勤状況の確認を求められました。その結果、当社でも押印のために出社する社員が確認できたのです。それをきっかけに「脱ハンコ」の動きがスタートしました。

林氏: 非常に大胆な発表でしたが、社内では具体的にどのような動きがあったのですか?

青山氏: まずは国民の皆様の声を拾おうということで、2カ月にわたって「ハンコがあったほうが『良い』/『悪い』」両方の意見を集めました。投票8.5万、エピソード2万件以上のご意見から、中小企業や個人事業主でも電子契約を使いやすい環境を作るには、全国の自治体の契約の電子化を進める必要があると感じました。その後はデジタルガバメント推進室を設け、自治体向けプランを作り、2020年の暮れから実証実験を進めました。そして2021年1月29日、自治体法の改正によって民間の電子印鑑サービスの使用が認められ、3月22日には新潟県三条市で日本初となる導入も決まったのです。

林氏: 当社でもハンコレスを進めており、社内比で約8割の出社を削減できました。しかし、対外的な脱ハンコはなかなか難しく、お客様によっては電子化を諦めることがあるのですが、こういった場合はどのように対応されていますか?

青山氏: 「このご時世だから仕方ないね」と取引先企業様にもご納得いただけていますね。唯一、障害になっているのが、法的な規制がかかっている文書の取り扱いで、こればかりはさすがに紙でないといけません。しかし2020年の暮れから2021年にかけて規制緩和も進んでいますし、これからどんどん紙はなくなっていくと思います。

  • 対談風景(Web開催)

─多くの企業でワークフローシステムや電子契約の導入が進められた中で、現在に残る課題感についてお聞かせください。

林氏: 「紙にハンコを押してもらわないと困る」という取引先はまだまだいらっしゃいます。大きな要因はトップのマインドでしょう。これまでは「紙じゃなければ嫌だ」という人がいましたが、コロナ禍によってそういう言い訳が効かなくなりました。実はIT業界でも紙を使っている取引がまだ見られるので、まずはここから世の中全体に広めていきたいですね。

青山氏: 中小企業では実印を必要とする契約書の作成が年に数件というところが多いので、ハンコを押すほうが楽だと考える傾向もあります。そうなると電子化するモチベーションは下がりますよね。ですが、印紙代や製本・郵送の手間といったコスト削減効果のほか、押印出社を減らし、安全なテレワークを進めやすくなるメリットもあります。ペーパーレス、ハンコレスを日本中に広げるためには、電子印鑑サービスの手数料、固定料を下げていく必要性を感じています。

●電子印鑑サービスとワークフローシステムの連携がもたらすもの

─「GMOサイン」と「AgileWorks」の連携を考えた理由についてお聞かせください。

林氏: もともと当社でも、法務部門によるチェックが済んだ契約書でないとハンコが押せないという仕組みでした。これを電子化するのであれば、電子印鑑サービスとの連携は当然やったほうがよいと思っていましたし、実現の方法も早期から社内で検討を進めていました。既存のワークフローシステムに組み込んで、法務部門が承認していることを可視化し、それを把握したうえで押印できる形にするべきだと考え、この取り組みを始めました。

青山氏: 組織内の仕組みと組織外の仕組みが別々だと、本当にやり取りが複雑になってしまいますから、内と外を両方電子化していくことが重要です。ワークフローのノウハウを持った会社と提携して一連のフローを一本化していくことは、とても価値ある取り組みだと考えました。

  • 「GMOサイン」と「AgileWorks」の連携後の契約締結までの流れ

─連携によってユーザーにはどんなメリットが生まれますか?

林氏: 私は、メールで大量の契約書が送られてくる状況がとても心地悪く感じており、処理に苦労していました。1日1~2通程度ならいいのですが、10~20通にもなると、どの担当のなんの契約書だったかわからなくなります。しかもPDF化された契約書をその後どのように保管するべきかにも迷っていました。連携によってそういった点が改善されたので、実際に決裁をする人には大きなメリットがあるのではないかと感じます。GMOグローバルサイン・ホールディングスとソフトクリエイト両社の連携では、多くの方にお話を聞いていただけていて、注目されていることを実感しています。電子印鑑を導入するにあたって社内の手続きをどうするか悩んでいるお客様もいますが、電子契約と連携したワークフローシステムを導入してしまえば、その課題は一挙に解消されます。

●企業のハンコレス、ペーパーレスの行方

─両社のリレーションシップによって今後どのような価値が創出されると考えていますか。

林氏: いま組織にはワークフロー、グループウェアなどさまざまなシステムが導入されていますが、まだ課題も残っていて、そのひとつが認証です。IDとパスワードで認証するのではなく、別のデバイスや生体認証も含めて誰が署名したのかということを電子的に担保できるようになると、ハンコレス、ペーパーレスのさらなる価値向上につながります。認証を進化させることは、業界全体で取り組まなければならないと考えています。

青山氏: 私も認証は非常に大事だと考えていて、当社では「トラスト・ログイン(旧 SKUID・スクイド)」というクライアント証明書や生体認証など複数のサービスを組み合わせて、すべてのログインを簡単かつセキュアにするサービスを提供しています。よく企業ではセキュリティに対する教育を行っていますが、それよりも仕組みによってセキュリティを高めていくことが重要です。たとえば当社の電子印鑑は、紙に比べたら格段にセキュリティレベルは高くなります。これをさらにブラッシュアップしていくのは我々がやらなければならないことですし、業界として強めていかなければならない部分だと思います。こうした取り組みがペーパーレス、ハンコレスを推し進め、本当の働き方改革につながっていくのではないでしょうか。

─最後にメッセージをお願いします。

林氏: ソフトクリエイトは情報システム部門の価値を向上させることをミッションとして掲げています。またエイトレッドではお客様と販売パートナー様の声をもとにワークフロー製品を中心にあらゆる人と企業のコラボレーションが円滑に進むよう積極的に取り組んでまいります。これからもトップ層の心に刺さるソリューションをGMOグローバルサイン・ホールディングス様とともに作っていきたいと思います。

青山氏: GMOグローバルサイン・ホールディングスは2020年の9月にGMOクラウドから社名を変更しました。これは、より電子認証局という側面を打ち出していこうという思いと、海外拠点の名称とブランドを統一するという狙いがあります。GMOサインを電子証明のプラットフォームとして広めていくうえで重要なことは、徹底的に使いやすくすることです。マイナンバーカードと連携して署名できるようにするなど、そういった開発をどんどん進めていきたいと考えています。「すべての人に電子印鑑を」をキャッチフレーズに、社会によい価値を提供していきたいですね。

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