10の業界をターゲットに、AI・IoTを活用した8つの具体的サービスを展開

AI・IoTプラットフォームを展開する株式会社オプティムが、AI(人工知能)・IoT・エッジコンピューティングなど最新のテクノロジーを活用し、10の業界をターゲットに、具体的な8つのサービスを発表した。その動向をいち早くつかみとるため、今年の10月3日~6日の4日間にわたって開催されたアジア最大規模のIT・エレクトロニクスの国際展示会「CEATEC JAPAN 2017」に足を運んだ。

「CEATEC JAPAN 2017」のオプティムブース

ここ数年で、機械学習により高度な分析も行えるようになったAIのテクノロジーや、ビジネスや生活に浸透してきた感のあるIoT(モノのインターネット)が、いよいよ実用的なサービスに組み込まれるようになり、さまざまな分野のビジネスで活用されるようになってきた。今回のCEATECでも、AIやIoTを使った実用的なサービスが数多く展示され、多くの来場者の注目を集めていた。

オプティムは、今回のCEATECに合わせて「Just Realize!」をコンセプトとした新製品発表会を開催。鉄道・小売・飲食・製造・電力・医療・介護・建設・ビルメンテナンス・コールセンターの10の業界をターゲットにした8つのサービスを発表した。発表会では鉄道業界向けのAI監視カメラサービス「AI Physical Security Service」をはじめ、小売・飲食業界向けの店舗管理支援サービス「Smart Retail Management」、製造・電力業界向けのAI予知保全サービス「AI Predictive Maintenance Service」、建設・ビルメンテナンス業界向けの現場管理支援サービス「Smart Field」、医療・介護業界向けの在宅医療支援サービス「Smart Home Medical Care」、AI医療画像支援サービス「AI Medical Image Assistant Service」、コールセンター向けのAIコールセンター支援サービス「AI Call Center Service」、そしてAI音声解析サービス「AI Voice Analytics Service」という、幅広い業界でのビジネスを強力にサポートする製品群が紹介されている。

CEATECに合わせオプティムが発表した10の業界をターゲットにする8つのサービス

これらのサービスには、すべて同社が開発したAI・IoTプラットフォームサービス「OPTiM Cloud IoT OS」が使われている。IoTデバイスの管理・制御はもちろん、AIを活用して蓄積されたデータの高度な分析までを可能にする「OPTiM Cloud IoT OS」は、IoTやクラウドから集められたビッグデータを多様な分野のビジネスで有効活用するために作られた汎用性の高いプラットフォームだ。今回のオプティムブースでは、本格的なジオラマを使い各サービスの具体的な活用方法を詳細に解説。数多くの来場者が足を止めて説明に耳を傾けていた。今回はオプティム 執行役員 プラットフォーム事業本部 山本 大祐氏にサービスについての概要を解説していただきながら各展示内容をチェックした。

オプティム 執行役員 プラットフォーム事業本部 山本 大祐氏

カメラでリアルタイム監視し、画像解析によって危険状況をAIが検知することで安全性を強化する「AI Physical Security Service」。最近は駅構内で乗客のホーム落下や、乗客同士・乗客と駅員間のトラブルが問題となっている。また、駅周辺でも踏切事故をはじめ危険が起きうるが、同サービスではさまざまなトラブルを検知すると管理者に知らせてくれる。展示では、鉄道の駅周辺をジオラマ化してわかりやすく解説していた

踏切内で車が立ち往生したり、あるいは高齢者が立ち止まってしまったりすることから事故が発生するケースが目立つ。「AI Physical Security Service」を導入すると、駅周辺の線路の状態をカメラでリアルタイム監視し、車や人の立ち入りをAIが検知すると駅の管理室や電車の運転室に通知。これによって、電車の一時停止などの対応がすばやく行えるようになり、駅周辺での安全性が大幅に向上するという

歩きスマホや酔った乗客、視覚障害者などがホームから転落するケースが後を絶たないが、駅のホームにおいても「AI Physical Security Service」は効果的に利用される。乗客の行動をカメラでリアルタイム監視でき、乗客が危険な行動を取った場合は即座に注意を促すことが可能になる。また、全国では無人駅が増加しているが、このソリューションを活用すれば無人駅が抱える安全性の問題も解決できるだろう

工場や店舗、コールセンターでもAIによる業務効率化を実現

工場などの生産現場で使われている機器にセンサーモジュールを接続してデータを収集し、AIによるリアルタイム分析で異常の予兆を検知する「AI Predictive Maintenance Service」、IoTデバイスで店舗内の画像をモニタリングし、来店者数・顧客属性などの集客分析や空席の検知といったAI分析を行う「Smart Retail Management」など、今回オプティムが発表したサービスは、導入した際の効果がはっきりとわかる具体的なものになっているのが特徴といえる。ブースでの展示も、実際の利用シーンを見せたわかりやすい内容になっており、オプティムの持つAI・IoT技術が実際のビジネスの現場を改善していく様がありありと確認できた。

カメラとAIによって、店舗内の来店者をリアルタイムにチェックする「Smart Retail Management」の展示。店員が人力のみで来店者の顧客属性をつかみ切るにはどうしても限界があるが、同サービスで顧客情報を収集してAI分析すれば、マーケティングに効果的に役立てられる。また、きめの細かい"おもてなし"が求められる昨今、店舗の空席情報を顧客に提示して利便性を高めるサービスを展開すれば、店舗の新たな価値創造にもつながるだろう。応用範囲はアイデア次第で広がるため、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の向上が求められる小売業界において救世主的なサービスとなる可能性を秘めていると思わせる内容だった

音声解析や自動応答機能を搭載したコールセンター支援サービス「AI Call Center Service」も「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。コールセンターは現在の人手不足の影響を大きく受ける部門であり、効率性の面でも、またコスト面でも自動化は必須の課題となっている。ブースではAIによる高度な音声解析・自動応答などをデモンストレーションで解説。オペレーターの負担が大幅に軽減されるのに加えて、サポートを必要としている顧客の満足度も向上できると山本氏は語る

 

タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスとAI、IoTを活用した「Smart Home Medical Care」も展示。高齢化や医師不足、医師の偏在化などが社会的な問題となり、今後も加速することが指摘されている現在、AIやIoTの技術により遠隔診療や在宅医療をサポートするサービスが強く求められている。同サービスは、そのソリューションとして大きく貢献してくれそうだ

AI医療画像支援サービス「AI Medical Image Assistant Service」を利用し、眼底撮影したデータから緑内障の危険性をAIで解析するシステムも展示。実際に体験することができ、多数の来場者が列を成していた。山本氏によると、眼底撮影データから緑内障の危険性をAI解析するシステムは今までなかったものだという

進化を続ける「OPTiM Cloud IoT OS」が生み出すサービスの今後にも注目

ここまで多数の実用的なサービスを次々に提供できるのは何故なのか。その秘密は各サービスの根幹を成す「OPTiM Cloud IoT OS」にある。IoTによる膨大なデータの収集・管理とAIによる高度なリアルタイム分析が行える「OPTiM Cloud IoT OS」を使うことで、さまざまな分野における実用的なサービスを短期間で開発することが可能になっていると山本氏は語る。

さらに、汎用性の高い「OPTiM Cloud IoT OS」は、さまざまなデバイスや他社のソリューションとの連携も容易だという。実際、今回のオプティムブースでは、オプティムとコマツ、NTTドコモ、SAPジャパンで共同企画・運用する建設業務における生産プロセス向けプラットフォーム「LANDLOG」を展示していたほか、アイ・オー・データ機器や菱洋エレクトロ、ソラコムなど多種多様なパートナーのコーナーも用意。オープンなプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」の応用範囲の広さに、来場者の目も集まっていた。

AI・IoTの技術と魅力については、すでに多くのベンダーやメディアによって語られているが、それを各分野のビジネスにおいて具体的に活用するためのサービスはまだまだこれからという印象が強い。そんな中で、AI・IoTを十分に活用できる汎用プラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに、実用度の高いサービスを次々に提供していくオプティムには注目が集まっている。「映像分析、音声分析、自然言語処理、データマイニングに使われるAIエンジンは随時進化しています」と山本氏が語るように、「OPTiM Cloud IoT OS」は進化し続けており、今後もさらに幅広い分野に対応したサービスが展開されていくことは間違いないだろう。「OPTiM Cloud IoT OS」から生み出される実用的サービスに、これからも注目していきたい。

 

汎用性が高く、さまざまな業務に活用できるプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」により、多彩なサービスを短期間で提供できるという

オプティム、コマツ、NTTドコモ、SAPジャパンで共同企画・運用する「LANDLOG」でも「OPTiM Cloud IoT OS」が活用されている。他のサービスや各種ハードウェアとの連携が容易に行えることが、多様なビジネスシーンに対応した実用的サービスを生み出している

 

建設現場における建機の稼働状況を可視化してムダのない運用を実現する様子を本格的な建設現場のジオラマで解説。建機の状態は現場内に設置されたカメラによって随時監視され、各建機の空き時間を発生させない効率的なスケジュール管理が行えるようになるという

ジオラマ上ではオプティムの担当者がショベルカーのラジコンをコントローラーで動かし、その状況を実際にWebカメラでリアルタイム分析していた。ちなみにラジコンの操作は難しく、スムーズに動かすにはかなりの練習が必要だったと山本氏

AI・IoTの活用が大いに期待されている農業ソリューションも、実例をあげながら解説。野菜の生産から消費までの工程を可視化し、ブランド力の向上やマーケティング強化などを実現するプラットフォーム「スマートやさい」は生産者と消費者のコミュニケーションまでを実現する。「スマートやさい」ブランドの作物も展示されていた

農業ソリューションでは、カメラやスマートフォン、ドローンによって撮影された映像データをもとにAIによる高度な生育分析を行い、農作物の生産管理を可視化する「AGRI Field Manager」も展示。病害虫の検知や発生予測、生育が遅れた場所を特定したうえでの対策などにより、生育の均一化や収穫量増加を図れる

ドローンやICTブイなどのIoTデバイスを使って、漁場の状況をリアルタイムに管理できる水産ソリューションも展示。地球温暖化の影響や漁業環境の変化にさらされる漁業界において今後の活躍が期待される。2017年3月に締結された「海苔養殖におけるIoT活用6者間連携協定」に基づいたソリューションはジオラマでの展示も行われていた

ブース内には、アイ・オー・データ機器、KCS、machina networks、パソナテック、ソラコム、SUZUKI、YAMAHA、菱洋エレクトロといったパートナー企業のコーナーも用意されていた

◎ OPTiM Cloud IoT OSとは……

AI・IoT活用の基盤となるプラットフォームであり、
カメラやセンサーなど、ネットに繋げた「モノ」から情報を取得、蓄積、解析することで
あらゆる産業における仕事の改善を行えます。

https://www.optim.cloud/

[PR]提供: