Pythonは日々のバッチ処理から最新の生成AIに至るまで、さまざまな分野で使われている。本連載も120回を超えたので、改めて、Pythonの公式Webサイトから最新のPythonをインストール手順を紹介しよう。Windows/macOSに分けて紹介する。

Pythonとは?

インストールに先立って、Pythonについて、確認しておこう。

Pythonは1991年にオランダのグイド・ヴァンロッサム氏が開発したプログラミング言語だ。その特徴は、その読みやすさと書きやすさを両立した言語にある。字下げ(インデント)を利用して構文ブロックを表現するため、プログラミングが初めての人にも分かりやすい。人気があるため学習用の資料も多く、Webや書籍・動画など、気軽に学び始める土壌があるのもPythonの良いところだ。

なお、2000年にリリースされたPython2は、世界中の人に愛されて汎用言語として広く普及した。それでもPythonの人気に火が付いたのは2016年以降だ。もともとPythonには科学計算に便利なライブラリが多くあったのだが、機械学習や深層学習といった分野で使われることが多くなりAI分野で確固とした地位を得ることができた。現在の生成AIブームの中心にあるのもPythonである。

Pythonには膨大なライブラリがあり、「PyPI(Python Package Index)」に集約されており、開発者はPyPIからパッケージをダウンロードして手軽に自分のプロジェクトに追加できる。業務の自動化、Webアプリ、統計処理、AI、ゲーム開発に至るまで、さまざまなプログラムを開発できる。

Pythonをインストールしよう - Windows編

まずはWindowsのインストール手順を紹介しよう。今回は、Pythonの公式サイトからインストーラーをダウンロードして、インストールを行う方法を紹介する。macOSのインストールに関しては、この後で紹介する。

手順(1) Pythonインストーラーをダウンロードする

ブラウザでこちら(https://www.python.org/downloads/)のPython公式サイトのダウンロードページにアクセスしよう。そして、[Download Python 3.x.x]のボタンをクリックしよう。(本稿執筆時点の最新版は、3.13.0となっている。)

  • Pythonインストーラーをダウンロードしよう

    Pythonインストーラーをダウンロードしよう

手順(2) インストーラーを実行しよう

ダウンロードフォルダを開いて、インストーラーをダブルクリックしよう。インストーラーが起動したら、インストール作業を始めよう。基本的に「Install Now」(すぐにインストール)のボタンをクリックすれば、インストールが行われる。ただし、画面の下の方に、2つオプションがあるので、チェックするかどうかを考えよう。

  • インストーラーを起動したところ

    インストーラーを起動したところ

まず、インストールに際して、「Use admin privileges when installing py.exe」(管理者権限でインストール)をチェックしないと、インストールが失敗する場合がある。必要に応じてチェックしよう。

次に「Add python.exe to PATH」(環境変数PATHにPythonを追加する)だが、これをチェックするかどうかは、Pythonの利用方法に大きく左右される。これは、Pythonを環境変数に登録するかどうかを問うオプションだ。多くの書籍やチュートリアルでは、これの設定にチェックしてインストールすることを推奨している。

もちろん、Pythonをちょっと試してみたいという人、また、プログラムを実行する際、Pythonデフォルトの実行環境のIDLEしか使わないという人は、チェックする必要はない。

しかし、いろいろなライブラリをインストールしたり、PowerShellなどのターミナル環境からもPythonを使いたいという人であれば、必ずチェックを入れておく必要がある。本コラムでも、このチェックを入れてインストールしてあることを前提にしている。

手順(3) WindowsでIDLEを起動してPythonを試してみよう

Pythonをインストールしたら、実行環境のIDLEを実行して、Pythonを試してみよう。Windowsメニューから[すべてのアプリ > Python 3.xx > IDLE]に登録されている。これをクリックしIDLEを実行しよう。

  • Pythonの実行環境のIDLEを実行しよう

    Pythonの実行環境のIDLEを実行しよう

IDLEが起動したら、「>>>」と書かれている部分にカーソルを合わせて、「(1 + 2) * 3」など計算式を入力して[Enter]キーを押してみよう。正しく動いているなら「9」と計算結果が表示される。

  • 適当に計算式を入力してみよう

    適当に計算式を入力してみよう

Pythonをインストールしよう - macOS編

続いて、macOSにPythonをインストール方法を紹介する。macOSでは、パッケージマネージャーのHomebrewを使う方法や、Pythonバージョンを手軽に切り替えられるpyenvなど、いろいろな方法でPythonをインストールできる。

それでも、これからPythonをはじめようと思っている人には、公式のインストーラーを使う方法がお勧めだ。インストーラー版には基本的なライブラリを動かすために必要なものが全部入っている。

手順(1) インストーラーをダウンロードしよう

ブラウザで、こちらのPythonの公式のダウンロードページを開いて、「Download Python 3.x.x」のボタンをクリックしよう。

  • ダウンロードボタンを押そう

    ダウンロードボタンを押そう

この時、Chromeを利用した場合には、利用環境を判別して、インストーラーのダウンロードが始まる。

しかし、Safariを利用している場合には、自分でダウンロード対象ファイルを選ぶ必要がある。表示されたページを下方にスクロールして「Files」の表にある「macOS 64-bit universal2 installer」をクリックしてダウンロードしよう。

  • macOSを選んでダウンロードしよう

    macOSを選んでダウンロードしよう

手順(2) インストーラーを実行しよう

インストーラーをダブルクリックすると、インストーラーが起動する。基本的に画面右下にある「続ける」ボタンを押したり、ライセンスに同意することでインストールが完了する。特に迷う部分はないだろう。

  • インストーラーを実行しよう

    インストーラーを実行しよう

手順(3) macOSでIDLEを起動してPythonを試してみよう

macOSでPythonをインストールすると、「アプリケーション」フォルダに「Python 3.xx」(xxはバージョン番号)というフォルダが作成され、その下にPythonの実行環境のIDLEなどがインストールされる。

Finderで「アプリケーション > Python 3.xx > IDLE.app」を選んで起動しよう。

  • IDLEを起動しよう

    IDLEを起動しよう

なお、上記で紹介したように実行環境のIDLEは「アプリケーション」にインストールされるのだが、肝心のPython本体とライブラリは、アプリケーション以下にはなく、次のディレクトリにインストールされるので注意が必要だ。

/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/3.xx/

IDLEが起動したら、適当な計算式を入力してみよう。「>>>」の部分にカーソルを移動して、「(1 + 2) * 3」や「123 ** 123」(123の123乗の意味)などの計算式を入力して[Enter]キーを押してみよう。計算結果が表示される。

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