前回、需要予測が困難なソーシャルアプリの運用インフラとしてクラウドが最適であると説明したが、今回は使えるねっとが提供するクラウドサービス(IaaS)である「クラウドサーバー」について詳しく紹介しよう。ちなみに同社の場合、今なら3ヵ月無料お試し期間(条件付き)が特別提供中となっている。

ソーシャルゲーム・アプリと相性の良いクラウドサーバー

IT業界で最もホットな分野の1つがソーシャルアプリ・ソーシャルゲーム(以下ソーシャルアプリ)。これらのインフラを支えているのがクラウドサーバーだ。

ソーシャルアプリはユーザー数が多いため、ヒット状況によってアクセス数が著しく変わる。そのためサーバーには、高負荷に耐えうる安定性やユーザー数の増加に応じてサーバーを迅速に増設できるといった柔軟性が求められる。これらの要求にマッチするのがクラウドサーバーなのだ。

ほとんどのクラウドサーバーは、ホスティングサービス事業者が提供するIaaS(Infrastructure as a Service)型のクラウドサービスとなる。今回は、VPSのホスティングで実績のある使えるねっとのクラウドサービス「使えるねっとクラウドサーバー」を紹介しよう。

実際にソーシャルアプリを提供するとなると、様々なサーバーが必要となる。最も小さな構成であっても、「データベースサーバー」「Webサーバー」「開発用サーバー」が必要だ。さらに、アプリの規模が大きくなれば、データベースサーバーをマスターとスレーブに分けて負荷分散する必要がある。Flashを使うなら、Flashサーバーも必要だ。

かといって、初期投資はできるだけ小さくしたい……そんな開発者のニーズに対応すべく、「使えるねっとクラウドサーバー」は、「小さく導入してアプリの状況に応じて拡大していく」といったことが可能になっている。

「使えるねっとクラウドサーバー」 システム構成サンプル

信頼性を支えるサービス基盤: データセンターは国内(長野県)に

「使えるねっとクラウドサーバー」は、同社の国内(長野県)データセンターから提供されている。ほとんどのソーシャルアプリは、国内での利用を想定しているはずだ。そうなると、「データセンターが国内にある」ということは、レスポンスの遅延を小さくできる(低レイテンシ)といったメリットを享受できるほか、サポートスタッフ近くにいるという安心感が生まれる。

サーバーに搭載されているHDDにはSAS(Serial Attached SCSI)が採用されている。高速なデータ転送に加え、高い信頼性を持つSASインタフェースのHDDを使用することで、サーバー環境でのディスクI/O(Input/Output)の高速化を実現し、安定したサービス提供が行われている。

サーバーOSは、Linux(CentOS 5.5またはUbuntu 10.04を選択可能)とWindows Server 2008(月額1,050円の追加費用が必要)が選択できる。OSのセキュリティパッチもコントロールパネル上で提供されるので、アップデートを行えば最新のセキュリティ環境を保持した上での運用が可能だ。

なお、「使えるねっとクラウドサーバー」は、パラレルスの仮想化ソリューション「Parallels Virtuozzo Containers」を採用している。使えるねっと社長のフリッシュ氏いわく「Parallels Virtuozzo Containersは、他の仮想化ソフトに比べてディスクI/O 処理が軽く、仮想OSのファイル・サイズも小さい」とのことで、これが「使えるねっとクラウドサーバー」の優れたパフォーマンスを実現しているのだ。

導入前の相談も可能 - キャパシティプランニングのアドバイスも

「使えるねっとクラウドサーバー」は、メモリやCPUのコア数、HDDの容量によって7つのプランが選択できる。

どのプランもサーバーの月額使用料とトラフィックによる帯域使用料がベースとなる。トラフィックが少ない状態では帯域使用料は発生しない。また、初期費用はどのプランであっても無料なので導入コストを低くできるのも見逃せないポイントだ。しかも3ヵ月無料お試し期間(条件付き)が特別提供中となっている。

「使えるねっとクラウドサーバー」の利用料金

サービス導入までの流れだが、申し込みや問い合わせは、使えるねっとのWebサイトからオンラインで行える。もちろん電話やFAXでも可能だ。

申し込みフォーム

開発者にとっては、「どの程度のサーバー規模にすればいいのかがわからない」といったケースもあるだろう。使えるねっとでは、申し込み内容によって、ユーザーから用途やサーバーの構成などをヒアリングし、最適な構成を提案してくれる。サービス導入前にキャパシティプランニングに関する相談に応じてもらえるのは、ユーザーにとっては大きな安心ポイントだ。

ヒアリング後、サーバー構成に応じた見積書の提示があるので、発注すれば、入金確認後、1営業日内にサーバー環境が整備されて使用できるようになる。スピーディーな導入が可能なわけだ。

もちろん、サーバー規模を拡張する際も入金確認後1営業日内の対応となるので、ソーシャルアプリのサービス提供後であっても、エンドユーザーに迷惑をかけずにインフラを増強できる。

充実のサポート体制 - 24時間365日対応の緊急電話サポート

運用後のサポートも気になるところだろう。

「使えるねっとクラウドサーバー」は、24時間のシステム監視が無料で提供される(通常サービス監視)。システムに問題が起きた場合は、警告メールが送信されるようになっており、ユーザーが障害に迅速に対応できるようになっている。もし、完全にサーバーにアクセスできな場合は、24時間365日対応のオペレータ直通の緊急電話サポートが対応してくれるので安心だ。

さらに、オプションの上級リソース監視では、オープンソースの統合監視ソフトウェア「ZABBIX」を使用し、警告、解析データや設定、監視ステータスをビジュアルなグラフ、マップ、レポートで表示できる。また、監視一時対応サービス(有償オプション)を使用すれば、障害時の復旧対応として使えるねっとのネットワーク専門スタッフがサービス単位で再起動からサーバー再起動まで代行してくれる(月に5件まで無料、6件目以降は有償)。サーバー監視に人件費をかけられない場合は、ぜひとも利用したいオプションサービスだ。

上級リソース監視の監視画面

また、「使えるねっとクラウドサーバー」にはサポートセンターとのライブチャット(平日10:00~20:00)やユーザーフォーラムも用意されており、安心して利用できる体制となっている。