本連載の第65回で解説したように、Windows Server 2008から管理用テンプレートの形式が変更された。従来はテキスト形式ファイルで、拡張子は「.adm」だったが、Windows Server 2008からはXML文書になり、拡張子は「.admx」となっている。また、言語ごとに異なるファイルと共通するファイルの組み合わせになっている点にも違いがある。

.adm」形式の管理用テンプレートであれば、レジストリなどに関する知識があれば手作業でオリジナルの管理用テンプレートを作成することも不可能ではない。しかし、「.admx」形式の管理用テンプレートを手作業で記述するのはかなり困難なので、マイクロソフトでは「ADMX Migrator」というツールを無償配布している。

これは、Microsoftダウンロードセンターから入手できる。Microsoftダウンロードセンターで、検索キーワードを「ADMX Migrator」と指定して検索する方法もある。

ADMX Migratorのセットアップと概要

Microsoftダウンロードセンターからダウンロードしたファイルは「*.msi」形式なので、ダブルクリックすればセットアップできる。セットアップ完了後にMMC.EXEを実行して、そこにスナップインを追加すると、「ADMX Editor」という管理ツールができる。

ADMX Migratorのセットアップ後に、MMC.EXEにスナップインを追加すると「ADMX Editor」ができる。これを使用して管理用テンプレートを編集・変換できる

ADMX Migratorを使うと、以下の操作が可能になる。

・「*.adm」形式の管理用テンプレートを、「*.admx」形式に変換する
・管理用テンプレートに対する、設定項目の追加・削除・変更

ただし、管理用テンプレートにポリシー項目を追加するには、設定したい内容に対応するレジストリキーや値を把握している必要がある。

管理用テンプレートの変換

まず、「.adm」形式の管理用テンプレートを「.admx」形式に変換する際の手順について解説する。

  1. ADMX Editor左側のツリー画面にある[ADMX Editor]で右クリックして、[Generate ADMX from ADM]を選択する。

  2. 続いて表示するダイアログで、変換したい「*.adm」ファイルを指定する。

ツリー画面の「ADMX Editor」で右クリックして、[Generate ADMX from ADM]を選択する。続いて表示するダイアログで、変換したい「*.adm」ファイルを指定する

  1. [ADM to ADMX Conversion Resulsts]というウィンドウを表示する。そこで左下の[Close]をクリックすると、変換を行う。その後、変換によって生成した「*.admx」ファイルをどこに配置したかを通知するメッセージを表示する。

「*.admx」形式の管理用テンプレートに変換する際に表示する画面。どのファイルを変換したかを示している

  1. [はい]をクリックして、メッセージのダイアログを閉じる。

  2. 変換によって生成した「.admx」ファイルは、出力先に指定したフォルダのサブフォルダ「ja-jp」に置かれている「.adml」ファイルとペアを組んで機能する。これらを、「%WinDir%\PolicyDefinitions」以下にコピーすると、管理用テンプレートの追加を行える。

生成した「*.admx」形式の管理用テンプレートを、どこに出力したかを表示するメッセージ。ここで表示したパスから、所要のファイルを「%WinDir%\PolicyDefinitions」以下にコピーすると、管理用テンプレートを追加する操作になる

管理用テンプレートへの項目追加

「*.admx」形式の管理用テンプレートにカテゴリー、あるいはポリシー項目を追加する際の手順は、以下のようになる。

  1. ADMX Editor左側のツリー画面で、[ADMX Editor]以下の[ADMX Templates]で右クリックして[Load Template]を選択する。

「*.admx」ファイルを指定してから、[ADMX Templates]で右クリックして[Load Template]を選択する

  1. 続いて表示するダイアログで、編集したい「*.admx」ファイルを指定する。

  2. ツリー画面の[ADMX Templates]以下に、開いた管理用テンプレートのタイトルと、その下のサブツリーが現れる。カテゴリーを追加する場合、追加したい場所で右クリックして[New Category]を選択する。

右クリックメニューで[New Category]を選択すると、カテゴリーの追加が可能

  1. 続いて表示するダイアログで、[Display Name]右側にある空白部分をダブルクリックすると、入力可能な状態になる。そこでカテゴリーの名前を入力して[Enter]キーを押す。続いて[OK]をクリックすると、カテゴリーを追加できる。

  2. ポリシー項目を追加するには、追加したいカテゴリーで右クリックして、[New Policy Setting]を選択する。

カテゴリーで右クリックして[New Policy Setting]を選択すると、ポリシー項目の追加が可能。さらに、ポリシー項目の表示名、レジストリキー、値、クラスの指定を行う

  1. 続いて表示するダイアログで、Display Name、[Registry Key] (対応するレジストリキーの名前)、[Registry Value Name] (対応する値の名前)、[Class]を指定する。[Class]は「User」(ユーザーの構成)、「Machine」(コンピュータの構成)、「Both」(ユーザーとコンピュータの両方)のいずれかを指定する。

  2. [OK]をクリックすると、ポリシー項目を追加できる。

  3. こうして追加したポリシー項目は、左側のツリー画面でカテゴリーを選択すると、画面中央の一覧に現れる。それをクリックして選択すると、画面中央下部に設定内容を表示・編集するためのタブが現れるので、そこでポリシー項目の設定内容を確認、あるいは指定する仕組みだ。

ツリー画面でカテゴリを選択すると、画面中央にポリシー項目の一覧が現れる。選択したポリシー項目について、設定内容を画面下部で確認・変更できる

カテゴリやポリシー項目の削除

なお、不要なカテゴリ、あるいはポリシー項目については、[操作]メニューや右クリックメニュー、あるいは画面右側にある[削除]を使って削除できる。