2018年4月、各事業部に分散していたマーケティング機能を統合するかたちでマーケティング組織を立ち上げ、デジタルマーケティングに注力してきたNECソリューションイノベータ。同社は、コロナ禍において顧客接点を”ほぼ100%”デジタルにする方向へ舵を切った。従業員数1万2,000人超の大企業でありながら、スピード感を持ってデジタル化へ向かうことができた理由はどこにあるのか。

本稿では、11月10日に開催された「Sansan Innovation Summit 2021」から、NECソリューションイノベータマーケティング推進本部 フィールドマーケティンググループ シニアマネージャー 飯島圭一氏が登壇したセッション「顧客接点を100%デジタルに その意義と効果」をレポートする。

データドリブンカンパニーを目指すための土台作り

飯島氏が所属するマーケティング推進本部では、案件化の可能性が高い見込み顧客、いわゆる「ホットリード」を営業に引き渡すためのデジタルマーケティングに取り組んでいる。ミッションはずばり、”デマンドジェネレーションセンター”となることだ。その達成に向け、Sansan、FORCAS、Zoom、Pardot、Sales Cloudといったシステムを組み合わせて一つのプラットフォームを構築し、データ管理や分析を行っている。

データを重要視する理由について、飯島氏は「勝つため」と断言。これまで個々人の勘と経験で物事を判断していた状態から脱却し、データを基にした行動を行うことが「勝ち」につながるのだという。さらに飯島氏は、勝つためには確率の高い選択をする「勝率を上げる」、市場の変化を敏感に察知し、素早い対応をする「変化に対応する」、全社共通のKPIと計測、相対的な評価と分析をする「品質を上げる」という3つの要素が必要だと説く。

NECソリューションイノベータマーケティング推進本部 フィールドマーケティンググループ シニアマネージャー 飯島圭一氏

NECソリューションイノベータマーケティング推進本部 フィールドマーケティンググループ シニアマネージャー 飯島圭一氏

飯島氏によれば、同社がデータマネジメントを始めた当初、蓄積されるデータの急増が課題視されていたという。2018年からの3年間で取得したデータ量は約10倍になっており、データが増えることに伴って外部データとの紐づけなどにかかる工数も増加していた。

「毎月35時間の作業と、定期的なメンテナンスが必要でした。しかも、人力でのデータ入力だったので、工数がかかるわりにデータの品質は良くなかったのです」

飯島氏は「データが汚いために満足な分析ができず、次のアクションにつなげられないという悪循環が約1年続いていた」と明かす。

そこでデータ入力の手間と品質担保の課題を一気に解決する手段として、Sansanが提供するデータ統合機能「Sansan Data Hub」を導入、大量のマーケティングデータを自動で名寄せ・クレンジングできるようになった。

「この導入により、年間400時間以上費やしてきた工数がゼロになりました」(飯島氏)

その結果、取得したリードを科学的に分析できるようになり、デジタルマーケティングも順調に進み始めた。