日本マイクロソフトは6月16日、6月17日~30日に開催する開発者向け年次カンファレンス「de:code 2020」のメディア向け内覧会を実施した。同内覧会では、COVID-19対策として今回初めてデジタルイベントとして開催されるde:code 2020の概要とともに、同社のAzure認定パートナーであるFIXERが協力開発したバーチャルイベントプラットフォーム「virtual event」が紹介された。

約2カ月で大型イベントをデジタル開催に変更

当初、5月28、29日にリアル会場での開催を予定していたde:code 2020だが、COVID-19に関連する昨今の情勢を踏まえ、今年は日程を変更してデジタル開催に踏み切った。参加は無料(要事前登録)。会場費がかからないデジタル開催の利点を生かし、会期は数週間にわたる。基調講演を含む8トラック100以上のセッションは、全てオンデマンドストリーミング形式で段階的に提供される予定だ。期間中には、”意外なスペシャルゲスト”も登場するという。

例年、2000人ほどの開発者/ITエンジニアが足を運ぶ同カンファレンスだが、デジタル開催となった今回は参加登録者が1万4000人を超えるという盛況ぶりだ(2020年6月16日午前10時半時点)。

内覧会に登壇した日本マイクロソフト セントラルマーケティング本部 本部長 白戸順子氏によれば、デジタル開催が決定されたのは、COVID-19対策で外出自粛が始まってすぐのこと。決定後は、開発からセッション収録に至るまで、Azureはもちろんコラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」などを駆使し、約2カ月強で大型イベントのデジタル化を実現した。開発は自宅や遠隔拠点から行われ、「de:code 2020自体がAzure開発者によって実現された開発プロジェクト」(白戸氏)となっている。

参加のイメージは?

イベント開催期間は、イベントURLに事前に登録したアカウントでログインすると、まず表示モード(3Dビュー/2Dビュー)の選択画面が表示される。3Dビューの視聴には指定のPCスペックが必要となるが、スペックが満たない場合も2Dビューで視聴することができる。また、2Dビューであれば、iPhoneやAndroid端末からも参加可能だ。

3Dビューを選択すると、続いてアバターを選択し、3D空間でイベントを楽しむことができる。

表示モードの選択画面(画像は全て日本マイクロソフト提供)

アバターを選択

3DビューでエントランスからEXPO会場に入ると、出展企業のブースが並ぶ。

各ブースに入ると、各社の提供コンテンツに応じてプレゼンテーション動画を視聴したり、Teamsを使って担当者とコミュニケーションしたりすることができる。

一方、セッションは3Dビューならば実際にイベント会場にいるような感覚で見ることができ、2Dビューならば一般的なオンラインセミナーのように視聴可能だ。

de:code 2020のデジタル開催を実現したvirtual eventは、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で稼働する。現在は、来場者向けにイベント参加の起点となる「ラウンジ」、展示ブースが並ぶ「EXPO」、数万人規模の同時視聴が可能な「セッション」の3つの空間が用意されるほか、出展者向けにはブース管理機能や訪問ユーザー管理機能、主催者向けにはセッション動画管理機能、ログ取得機能などが提供される。

virtual eventは今回のde:code 2020をもってローンチとなるが、FIXER 代表取締役社長 松岡清一氏によれば、今後、機能追加/パッケージ化して外販する予定だ。物販/決済機能、常設空間への広告表示機能などの追加のほか、中小企業向けのライト版の提供についても検討中だという。