前回は「Windows Terminal」とは何なのかについて紹介させていただいた。Microsoftが開発した新たなターミナルアプリケーション、Windows Terminalは2019年春に登場したばかりであり、現段階ではまだ正式リリースではなくプレビュー版だ。しかしながら、活発にアップデートされており、どんどん使えるターミナルアプリケーションとして進化してきている。

Windows Terminalは現在、Windows 10(64bit版)やWindows Server 2019環境に対応している。今回は、そのなかからWindows 10環境にインストールする手順やアップデート方法について紹介していこうと思う。なお、作業環境はWindows 10 Pro build 1909(64bit)で行っている。

Windows Terminal のインストール方法 (プレビュー版)

残念ながら、Windows TerminalはコマンドプロンプトやPowershellのように標準でOSにバンドルされていない。それでは、ほかのサードパーティー製アプリケーションのように専用のサイトにアクセスして取得後、インストール作業を行うといった手順を踏まなければならないかというとそうでもない。Windows TerminalはMicrosoft Storeにストアアプリとして登録されており、そこからサクッと入手できるようになっている。

Microsoft Storeは、Windows環境向けに提供されているアプリケーションストアでWindows 10にデフォルトで用意されている。Android(Google)のPlayストアやiPhone(Mac)のApp StoreのWindows版と言えばわかりやすいだろう。Microsoft Storeは、スタートメニューやタスクバーなどから立ち上げることができる。

Microsoft Storeの起動メニュー

Microsoft Storeが表示されたら、画面右上にある検索ボックスを選択して「Windows Terminal」と入力しよう。すると、ストアアプリであるWindows Terminalが表示されるはずだ。後は「入手」ボタンを押せば、自身のWindows環境に自動でダウンロードとインストールが行われる。とてもイージーだ。インストール終了時、スタートメニューにピン留めをするかどうかを聞かれるので、ピン留めしておこう。

Microsoft Storeで「Windows Terminal」と検索

Windows Terminalの入手画面

次に、インストールしたWindows Terminalを起動させてみよう。インストール後はスタートメニューにWindows Terminalメニューが追加されているはずだ。Microsoft Storeから入手した際に「入手」ボタンが「起動」ボタンに変わるのでそこから起動することもできるが、せっかくなのでメニューからWindows Terminalを立ち上げてみよう。

スタートメニューに追加されたWindows Terminal起動メニュー

Windows Terminalは標準でPowershellのターミナルアプリケーションとして動作する。後はWindows Terminal上で使用したいツールを選択すればよい。ツールの選択は、ウインドウ上部にある「∨」アイコンを選択すれば選択メニューが表示される。 Windows標準のコマンドプロンプトやPowershellのターミナルアプリケーションとして動作させることができるが、それだけではなく、Windows環境にWSL(Windows Subsystem for Linux)のLinuxがインストールされていれば、それらも選択して扱えるようになっている。

Windows Terminalで使用したいツールを選択

Windows Terminalの終了はほかの通常アプリケーションと同様、ウインドウ画面の右上にある「✕」ボタンで終了できる。Windows Terminalをアンインストールしたい場合は、これもほかの通常アプリケーションと同様に、設定にある「アプリと機能」から実行可能だ。

Windows Terminal のアップデート方法

インストールしたWindows Terminalのアップデートの仕方についても説明しておこう。といってもMicrosoft Storeからインストールするということは、アップデートも必然的にMicrosoft Storeから行うことになる。アップデートは手動で行うか自動で行うかを選択でき、自動更新にしたい場合は、Microsoft Storeの上部右側にある「・・・」アイコンを選択して設定画面を開き、アプリの自動設定を「オン」にすればよい。

Microsoft Storeで入手したストアアプリの自動更新の設定

ただし、自動更新を「オン」にした場合、Microsoft Storeでインストールした全てのストアアプリが自動更新の対象となってしまうことに注意しておきたい。個別にアップデートを行いたいのであれば、手動アップデートで行えばよい。

手動で行いたい場合はまず、Microsoft Storeを起動させて自動更新を「オフ」に設定しておく。後は定期的にMicrosoft Storeを起動させ、設定と同じメニューにある「ダウンロードと更新」を押下する。ダウンロードと更新画面に表示される「最新状態を取得する」ボタンを押すと、Windows Terminalが更新対象であれば、アップデートが行われる。このとき、アップデートしたくないストアアプリがある場合は該当アプリのアップデートをキャンセルすればいい。 < div class=”center”>

最新状態を取得するボタンでストアアプリを手動アップデート

Windows Terminal のロードマップ

2019年5月に登場したばかりの新たなターミナルアプリケーションであるWindows Terminalは、まだプレビュー版ではあるが活発な開発が継続して行われている。これまで開発チームは、約1カ月に1度のサイクルでアップデートを実施しており、今後もしばらく月イチでのアップデートを行っていく予定だとしている。

執筆時現在のWindows Terminalのバージョンは0.7.3451.0。オープンソースソフトウエアであるWindows TerminalのソースコードはGithub.comにパブリックで公開されており、現行バージョンのソースコードも「microsoft/terminal Tag:v0.7.3451.0」にて公開されている。

Windows Terminal開発チームは今後、2020年の2月から3月にかけて正式版(v1.0)のリリースに向けた機能を完成させるとしており、それからパフォーマンス向上やブラッシュアップに焦点を当てていく計画だ。そして、v1.0のリリースは2020年の前半に行うと発表している。次回からは、正式版リリースに向けて機能の拡充が進められているこのターミナルアプリケーションの各種機能を紹介していきたい。

参考資料