日本テラデータは5月19日、同社の事業戦略を発表した。新製品・サービスを提供するほか、30年以上にわたって提供してきたDWH・分析ソリューションのナレッジを活かし、上流工程のコンサルティングサービスも展開していく。

今回の発表は、同社が主催する年次イベント「TERADATA UNIVERSE 2016」に合せて実施されたもの。米国本社のバイスプレジデントらが来日し、グローバルの取り組みと合せて国内の展望を明かした。

テラデータ・コーポレーション エグゼクティブ・バイスプレジデント インターナショナル・リージョン & グローバル・サービスのダン・ハリントン氏

テラデータ・ラボ プレジデントのオリバー・ラッゼスバーガー氏

日本テラデータ 代表取締役社長の吉川 幸彦氏

発表の中で特に強調されたのがコンサルティングサービスだ。すでに分析環境評価などのサービスは展開しているが、今後はビッグデータ戦略の立案など、より上流工程に力を入れていく方針。とりわけ、「Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)」と呼ばれるサービスに対しては、100人規模の社内人員を割いて注力していく。

RACEは、同社のソリューションで培ったナレッジをテンプレート化したサービスになる。業種や業態に応じたユースケースをあらかじめ作成。それに基づきクライアントの分析プランを作成していく。ゼロから検討していく必要がないため、従来は半年以上かかっていた分析要求定義~環境構築までの期間が2ヶ月程度に短縮されるという。また、同サービスの後半では、サービスモデルの作成と検証作業も繰り返し実施し、使いやすいUIを模索する。

Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)の概要

製品に関しては、次世代MPP(Massively Parallel Processing)アーキテクチャを採用した「Teradata IntelliFlex」を今年の第3四半期から提供予定。スケーラビリティに優れるほか、メモリー容量が従来機の3倍強になり、インメモリ処理のパフォーマンスを大幅に向上している。さらに、ダウンタイムを87%削減、ホットスタンバイハードウェアを75%削減するなどの特徴も備えている。

また、サービスとしては、AWS上で提供するマネージドサービス「Teradata Database on AWS」をリリース。通常のAWS環境に比べて、145倍のパフォーマンスを実現している。オンプレミスと連携させたハイブリッドクラウド環境の構築も積極的に支援していく方針。

そのほかグローバルでは、「Analytics of Things」という名称で、IoTデータ向けの分析ソリューションやコンサルティングサービスに力を入れていく計画。「Teradata Listner」と呼ばれるパブリッククラウド向けのIoTコネクタも提供予定で、IoT分析環境の効率的な構築をサポートする。