企業で起こりうるセキュリティにまつわるさまざまなトラブルについて、茂礼手課長と部下の布施木さんの会話形式で、わかりやすく説明する本連載。第12回のテーマは「スマートフォンのバッテリー切れ」です。 茂礼手課長はゲームのやりすぎでスマートフォンのバッテリーが切れてしまい、布施木さんとの打ち合わせに遅れた際も連絡がつかず、布施木さんを心配させてしまったようです。

主な登場人物

茂礼手太朗(もれて・たろう)
茂礼手課長と呼ばれている。なにかとやらかしては、布施木君に注意される。

布施木ます子(ふせぎ・ますこ)
布施木君と呼ばれている。なんだかんだと茂礼手課長をサポート。

外出先の待ち合わせ場所にて

布施木: 「うーん、課長遅いなあ。いつもは待ち合わせ時間に遅れることはないのに、電話にも出ないし、何かあったのかしら」

茂礼手: 「やあ布施木君、遅れてすまない」

布施木: 「課長! 何かあったんですか。それになんだか疲れている様子……」

茂礼手: 「いや、移動中に時間があったからスマホゲームをやり始めたらハマってしまって、気づいたらバッテリーがなくなってしまったのだ」

布施木: 「そんな、まさか……」

茂礼手: 「うむ。スマホの交通系ICカードで駅の改札から入場したものだから、出られなくなってしまって、現金で精算するハメになったぞ」

布施木: 「まったく、何やってるんですか、課長」

茂礼手: 「すまんな、布施木君。しかし、スマホのバッテリーがなくなると大変だぞ。今日の待ち合わせ場所もスマホの地図を頼りに来るつもりだったから、それもできなくてな。交番で道を聞いて何とかたどり着いたのだ」

布施木: 「万一に備えて、充電用のモバイルバッテリーを持ち歩いてください。それ以前に、ゲームなんかに夢中にならないでください(ピシャリ)」

茂礼手: 「まったく面目ない。しかし、もう少しでステージクリアだったのに、その履歴も消えてしまったのが悔やまれる」

布施木: 「そんなこといってる場合じゃないです、課長。今日の商談飛ばしたら、課長の会社の立場が消えますよ。さあ、行きましょう」

茂礼手: 「そうだったな、布施木君。これからは気をつけるよ」

布施木: 「念のため、万が一の時の連絡先や連絡手段は普段から確認しておきましょうね。課長」


スマホのバッテリーがなくなり業務に支障を来さないように


スマートフォンはゲームをはじめ、音楽や動画視聴などのアプリを通じて、さまざまなコンテンツを利用できます。また、交通系ICカードやクレジットカードなど、非現金決済の機能(アプリ)を利用することができるなど、スマートフォンの利便性は高まるばかりです。

その一方で気をつけたいのが「スマートフォンのバッテリー切れ」です。スマートフォンの電源が切れてしまい、待ち合わせの相手と連絡が取れなくなってしまったり、行き先の場所がわからなくなってしまった経験を持つ人もいるのではないでしょうか。

そうならないよう、外出時はスマートフォンを充電できる予備のバッテリーを携行することや、初めて行く場所については、地図を「スマホ頼み」にせず、念のため紙でプリントアウトしておくなどの対策を取りましょう。

また、「歩きスマホ」をしないことや、自転車に乗ったり、自動車を運転したりしながらスマートフォンを操作しないというルールも、当たり前ですが安全のために守るようにしましょう。

そして、スマートフォンで利用するゲームなどのアプリは、不正な機能が含まれるアプリによる被害を未然に防ぐために、必ず公式マーケットから入手するようにしてください。なお、公式マーケットにも、正規のアプリに類似したアプリが公開されているケースがあるため、必ずアプリの名称や開発元、レビューなどを確認することが大事です。

スマートフォンが使えなくなってしまった時の連絡先や、スマートフォン以外の連絡手段については、普段から確認しておくようにしましょう。事後対応についての詳細については、以下の「セキュリティ7つの習慣・20の事例」も参照してください。

  • 習慣7(万が一、何か起きたときは早めに連絡、早めに相談しましょう)

著者プロフィール

NO MORE 情報漏えいプロジェクト(エムオーテックス株式会社)


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