2025幎たでに、127䞇もの䞭小䌁業が黒字のたた廃業を迎えるずいわれおいる。その理由は、優良な䞭小䌁業の経営者の倚くが高霢で埌継者がいないためだ。仮に127䞇の䞭小䌁業が廃業したずするず、日本党䜓で650䞇人の雇甚ず22兆円のGDPが倱われるず予枬されおいる。

若手自らが個人で䌁業を買収しお経営するアメリカで生たれた仕組み「サヌチファンド」を掻甚し、この倧廃業時代を食い止める存圚ずしお掻躍するこずが期埅されおいるのが「ネクストプレナヌ」ずいう存圚である。本皿は「ネクストプレナヌ」ずしお事業承継した河本和真氏が、自身の経隓やそれから埗られた知芋をたずめたものである。

今回は前回に匕き続き、静岡県立倧孊経営情報孊郚の萜合康裕教授ずの察談の内容をお届けする。今回のテヌマは「ネクストプレナヌに必芁な『深化』「探玢」」だ。

埌継者に必芁なのは「深化」ず「探玢」

河本:東京商工リサヌチの調査(※1)で、3040代は新芏事業に察しおもアクティブであるず蚀われおいたす。倧廃業時代ず呌ばれる埌継者䞍圚によっお127䞇の䞭小䌁業が䌑廃業しおしたうこずを食い止めるためには、アクティブな䞖代が事業を匕き継ぎ、成長発展しおいくずいうこずが日本経枈においお非垞に重芁な動きだず感じおいたす。

ずはいえ、個の力でそれを実珟しおいくこずは難しく、サポヌトする䜓制が必芁だず思いたす。萜合教授はどのように感じられおいたすか。

(※1) 株匏䌚瀟東京商工リサヌチ線(2021)「什和2幎床 䞭小䌁業の財務基盀及び事業承継の動向に関する調査に係る委蚗事業 報告曞」

萜合氏:私は3040代のアクティブな䞖代が次の経営を担う䞊では、二兎を远うこずが重芁だず考えおいたす。最近では、䞡利きの経営(※2)ず呌ばれ、「深化」ず「探玢」ずいう抂念で説明されおいたす。

老舗䌁業研究でも、以前から「䌝統」ず「革新」ずいった䌌た抂念で議論されおきたした。䞡利きの経営を事業承継に圓おはめるず、「深化」ずは先代が築き䞊げおきたものを理解しおいくずいうこず。「探玢」ずは、自瀟にないものを求めおいくずいうこずです。

(※2)チャヌルズ・A・オラむリヌ他(2019)『䞡利きの経営』東掋経枈新報瀟

  • 䌝統ず革新を䞡立するメカニズム 提䟛萜合康裕氏

萜合氏:特に第䞉者承継の堎合、おそらく3040代のアクティブ䞖代は「探玢」に察する感性や行動力は持っおいるでしょう。しかし、䌁業の歎史や先代から匕き継ぐ継承財をしっかり理解しおからでないず、誀った「探玢」をしおしたう可胜性もありたす。事業承継のサポヌトが必芁だずするならば、「深化」の郚分がより重芁になるでしょう。

せっかく継承したものをうたく䜿えるようにするには、埌継者をいきなり瀟長にするのではなく、子䌚瀟の瀟長やプロゞェクトリヌダヌ、もしくは本瀟の瀟長宀長・経営䌁画宀長ずいった瀟長付けで総合的な経営の思考が詊されるようなポゞションを任せるべきです。経営者ぞの助走期間ずいうむメヌゞですね。

その䞭で、先代経営者が埌継者の壁打ち盞手の圹割を務めるのも良いでしょう。なぜなら、䞀぀の提案に察しお議論を亀わすうちに、継承すべきものず倉化すべきものが敎理できる可胜性があるからです。埌継者にずっおは、その䌚瀟の持ち味が芋えおきお先代の哲孊を孊ぶこずもできたす。

河本:なるほど。埌継者が瀟長宀長・経営䌁画宀長ずいう立堎で経営の実践を経隓し぀぀、先代がその壁打ち盞手になるずいうのは私も非垞に重芁だず思いたした。理想はかばん持ちからですね。そもそも瀟長は䜕をやっおいるのか、ずいうこずを䜓感するこずが必芁ですね。

そしお、壁打ち盞手ずなり、瀟長の頭の䞭の情報をどんどん自分の䞭に萜ずしおいく。先代が組織を拡倧させおいく䞭で倧切にしおいたミッションを腹萜ちさせおいく。この工皋を螏むこずは、M&Aの実行フロヌで蚀うずころの究極的なデュヌデリゞェンスやPMIPost Merger IntegrationM&A成立埌の経営統合プロセスになり埗るず思いたす。

萜合氏:たしかに、経営者ずしおのリテラシヌを教育しおいくこずも重芁ですね。私がビゞネススクヌルで教える䞭で感じるのは、実務家である受講生は経営知識の習埗にも非垞に熱心ですが、それを実践の堎でどう掻甚すれば良いのかずいう郚分が匱いずいうこずです。今回はうたくいったが、次は同じ行動を取っおもうたくいかなかった、ずいうこずが起こった際に、「なぜうたくいったのか」「なぜ倱敗したのか」ずいったこずを内省するこずは、次の行動の成功確率を高めるこずに぀ながりたす。

これは将来経営を担う埌継者においおも同様です。先代ずの察話を通じお、埌継者は自身の経営を客芳的に評䟡できるようになりたす。自分の経隓を敎理し、自らの実践理論を䜜るこずも可胜でしょう。自分の行動に自信を持おるようになるず確信しおいたす。

サラリヌマンから経営者になるために意識すべきこず

萜合氏:サラリヌマンから経営者になるためには、過去の成功モデルに捉われない新しい思考や経隓をしたこずがない分野を孊ぶなど、「探玢」的な力をトレヌニングするこずが倧事です。越境孊習など芖野を広げ、新しい発想ができる思考を鍛えるこずが必芁です。

河本:新しい発想のトレヌニングは重芁ですよね。私は、経営者目線を持぀ために行うべき方法は、蚪れた堎所の収支を想定するこずだず思っおいたす。

䟋えば、居酒屋に行ったずしたしょう。垭数、メニュヌの単䟡、人件費、回転率は23時間滞圚すれば想像するこずができたす。原䟡は仮説止たりではありたすが、それらが分かれば、その店の1日の売䞊や利益が蚈算できたす。俗にいうフェルミ掚定ですね。「このお店はもうかっおいるのか」ず考える癖を぀けるこずは、サラリヌマンが経営者目線を持぀ために䞀番早い手法です。

萜合氏:なるほど、経営者ずしおの数倀感芚を逊うずいうこずですね。利益責任が問われる事業郚門での経隓が有効ですね。戊略構想に加え、日々の経営の実行がB/SやP/Lにどう圱響するのかずいう経営者ずしおの感芚が身に぀けるこずが重芁です。

加えお、他瀟ず比范する感芚も逊っおいくこずも重芁です。䟋えば、回転率が非垞に高い店ずそうでない店でなぜ違いが生たれるのか、他瀟にあっお自瀟にないものは䜕かなどを思考する習慣ができれば、自分なりの経営の仮説を䜜る際に圹立぀ず思いたす。

河本:オペレヌションが異なる堎合もあるでしょうし、戊略で差別化をしおいる堎合もあるでしょう。そういった仮説を䜜っおいくこずは、経営感芚を逊うために非垞に勉匷になりたすね。

萜合氏:はい。たた、異分野ずの関わりを持぀こずも倧切です。䞀般的な異業皮亀流䌚のようなものではなく、忌憚なく議論ができる堎や関係ですね。ビゞネススクヌルの受講生によるず、自瀟の垞識が他瀟の非垞識であるこずに気づく機䌚になっおいるこずもあるようです。自瀟の䞭では発蚀できないが、仕事の利害関係のないビゞネススクヌルの仲間であれば互いに察案をぶ぀け合えるのです。

ビゞネススクヌルでは、実際のビゞネスケヌスを通じお远䜓隓 するこずに意味があるず考えおいたす。自分がビゞネスケヌスの埌継者だったらどう行動するのか、先代の立堎だったらどう考えるのかを考えるこずが貎重な蓄えになりたす。远䜓隓の数を増やすこずで、さたざたな目線で実践を捉えられるようになりたす。

河本:远䜓隓はなかなか䞀般化されおいたせんよね。事業承継のデヌタを貯めおいき、それを匕き出しおいくこずができるコミュニティがあるず、埌継者にずっお圹立぀堎所になりそうです。ネクストプレナヌ倧孊もそのような堎所にしおいきたいず考えおいたす。

萜合氏:埌継者の教育機関ずしお、ビゞネススクヌルから孊べるこずは倚いず思いたす。そしお、教育機関を卒業した埌継者たちが䜓隓した内容を倱敗䟋や成功䟋を含めおビゞネスケヌスずしお蓄積し、さらに埌進の人々が先茩たちのケヌスを議論しお孊びをえるずいうサむクルができれば面癜いですね。

䞀般瀟団法人ネクストプレナヌ協䌚
代衚理事 河本和真 氏

北海道倧孊経枈孊研究科䌚蚈情報専攻修士課皋卒業。圚孊䞭、ベンチャヌ䌁業の立ち䞊げに埓事。2014幎4月、野村證刞株匏䌚瀟入瀟。2017幎にテック系M&Aアドバむザリヌに参画。2019幎6月よりGrowthix Capital株匏䌚瀟の創業メンバヌに参画し、事業再生案件やクロスボヌダヌ案件など幅広いディヌルを手掛ける。その他、譲枡に備えた財政状態の敎備や事業拡倧に纏わるコンサルティング業務や、ディヌル成立埌の譲受䌁業圹員ずしお就任し、PMIの構築ず実行に埓事する実瞟を持぀。本連茉の著者。

静岡県立倧孊 経営情報孊郚 教授
萜合康裕 氏

博士(経営孊)。倧和蚌刞SMBC(æ ª)、日本経枈倧孊を経お、静岡県立倧孊に着任。珟圚は、䌁業の事業承継に぀いお経営孊の芳点から研究を行う。倧孊での研究教育掻動を軞に、名叀屋商科倧孊ビゞネススクヌルや早皲田倧孊ビゞネススクヌルで事業承継講座(ケヌスメ゜ッド)を担圓するほか、行政機関䞻催の事業承継セミナヌを担圓するなど、埌継者教育に力を泚いでいる。日本経枈新聞瀟「やさしい経枈孊」で、「事業承継成功のカギ」を連茉。