原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年ベイテックシステムズを設立し社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始、GoogleAppsの導入サポート実績はこれまで300社以上。「サテライト・オフィス」ブランドで多数のテンプレートを無償提供するなど、GoogleAppsの普及に尽力。自ら、iPhoneや Androidなどのスマートフォンを駆使して、仕事の効率化を図り、ビジネスシーンですぐに役立つノウハウを多数、蓄積している。ツイッターアカウントは sateraito_jp。GoogleEnterprise Day2009ではパートナーアワードを受賞した。

モバイルアクセスによるToDoリスト活用のメリットは?

日々取り組むべき仕事の内容が一目でわかり、"ビジネスマンの必須ツール"となっているのがToDoリストだ。もちろんGoogle AppsにもToDoリストが標準装備されている。ただし、スケジュールとToDoリストを混同している人も少なくないようなので、ここで両者の違いを簡単に説明しておこう。

まず、スケジュールは「○月○日○時までに技術報告書を提出する」といった、予定の進行管理に使われるものだ。これに対し、ToDoリストは「試作品Aの耐久テスト」「従来製品との性能比較」「報告書の作成」など、これからやるべき項目を一覧化し、完了したものから消していくという使い方がメインとなる。大まかなスケジュールを記入しておいても、実際の作業が明確にされていなければスムーズに進められないだろう。また、細かな作業をすべてスケジュールに入れてしまうと、今度は全体の予定が見づらくなってしまう。そこで、カレンダーとToDoリストの使い分けが生きてくるというわけだ。

このように、ToDoリストは「自分がいま何をすべきか」が一目で理解できるため、ビジネス効率を上げるのに最適と言える。使い慣れてくると、次第に達成した項目を消すのが快感に覚えてくるはず。また、プライベートで買い物リストなどに利用できるのも嬉しいところだ。

しかし、クライアント依存のソフトウェアでToDoリストを管理している場合は、一歩会社の外へ出てしまうとせっかく入力した内容も無駄になってしまう。そんな時にぜひ活用してもらいたいのが、スマートフォンからGoogle AppsのToDoリストにアクセスする方法である。

iPhoneを使ってToDoリストへアクセスするには、前回に紹介したGmailのメニュー画面にある「ToDoリスト」をタッチするか、上部のメニューに表示された「その他」から「タスク」を選択すればよい。

リストの閲覧に加えて予定の追加や完了チェック、削除といった操作も行えるため、取引先で修正依頼や新しい案件をもらった時などでもスムーズに追加が可能だ。ただし、インデントや上下移動といった操作には対応していないので、詳細な編集作業をしたい時は帰社後にPCからアクセスするなど、状況に応じて使い分けよう。

ToDoリストへのアクセスは、Gmailのメニュー画面にある「ToDoリスト」をタッチするか、上部のメニューに表示された「その他」から「タスク」を選択

iPhoneからはToDoリストの閲覧だけでなく、予定の追加や完了チェック、削除といった操作が可能

外出先からもGoogleドキュメントが閲覧可能

さて、急いで客先へ向かったものの「必要な資料を読み忘れた!」という経験はないだろうか? そんな時もiPhoneなどのスマートフォンがあれば、Googleドキュメントへ手軽にアクセスすることができる。

さすがにiPhoneの画面を顧客に見せながらプレゼンテーションするわけにはいかないが、「移動中や打ち合わせの前に最新の資料をチェックする」といった使い方は非常に有効だ。また、顧客から出た予定外の質問に対して迅速にデータを確認し、その場で回答できるというワザも、顧客満足度の向上に貢献するだろう。

そのほか、商談後にスプレッドシートへ新規顧客のデータを入力したり、今日の営業成果を記入したりといった使い方も可能。1日に何件もの顧客を訪問し、直行直帰が日常茶飯事となっている営業マンにとってかなり役立つはずだ。

ちなみにiPhoneからは、ドキュメントやスプレッドシートをはじめ、GoogleドキュメントにアップされたWordなどのOfficeファイルも閲覧できる。ただしこの時、「スプレッドシートはグラフが表示されない」、「別シートからのデータ読み込みや関数が入力されたセルの編集ができない」などの制限もあるので注意してほしい。なお現在、iPhoneからの編集はスプレッドシートのみ可能となっており、ドキュメントなどへの対応も待たれるところだ。

このように、iPhoneからGoogleドキュメントにアップされたWordなどのOfficeファイルも閲覧できる

スプレッドシートでは、別シートからのデータ読み込みや関数が入力されたセル以外であれば編集も可能だ

iPhoneからGoogleドキュメントへのアクセスについて触れたところで、Googleサイトとの連携も紹介しておこう。外出先から社内ポータルの編集をするようなことは少ないだろうが、閲覧という面ではビジネスの生産性を向上するメリットがある。

例えば、外出先から自分が所属する部署のポータルサイトにアクセスして新着情報を確認できたり、トピックスを入力できたりしたら便利なはずだ。スマートフォンからの入力を考慮し、管理者が事前に新規顧客情報や経費申請などのフォームを作成しておくのもよいだろう。

スマートフォンからGoogleサイトにアクセスすれば、新着情報のチェックも簡単

管理者が事前にフォームを作成しておくと、スマートフォンからの入力もグッと楽になる
Google Appsに簡単にアクセスする方法
Google Appsを利用する場合、皆さんはどのような経路でアクセスしているだろうか? もちろんGoogle Appsのトップページからアクセスしても構わないが、その場合、使い勝手が気になるところ。
そんな時は、右のWebページ「http://www.google.com/m/a/ドメイン名」をブックマークに追加しておいて、そこからアクセスすることで効率が大幅にアップするはずだ。