原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年ベイテックシステムズを設立し社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始、GoogleAppsの導入サポート実績はこれまで300社以上。「サテライト・オフィス」ブランドで多数のテンプレートを無償提供するなど、GoogleAppsの普及に尽力。自ら、iPhoneや Androidなどのスマートフォンを駆使して、仕事の効率化を図り、ビジネスシーンですぐに役立つノウハウを多数、蓄積している。ツイッターアカウントは sateraito_jp。GoogleEnterprise Day2009ではパートナーアワードを受賞した。
Google Apps+スマートフォンで生産性をアップ
皆さんは会社へ到着してからメールチェックまで、どのくらいの時間をかけているだろうか? 例えば、必要なメールに対する返信や迷惑メールの処理などを1日10分程度で済ませたとして、1ヵ月に20日間働いて3時間20分、1年だと40時間も費やしていることになる。1日100通以上の業務メールを受け取る場合は、返信どころか内容の確認だけでも軽く10分以上の時間を要してしまうはずだ。
そんな人にオススメしたいのが、メールチェックを通勤時の電車やバスの中で済ませる方法である。スペースを必要とするノートPCと違い、スマートフォンなら手軽に使える。「スマートフォンだと文字入力がしづらくて……」という人も、スマートフォンで内容を事前に確認しておき返信はPCで行うことで、社内での作業時間を大幅に短縮できる。
また、スマートフォンによるメールチェックは出勤前だけでなく、営業や出張で外出した際も効果を発揮してくれる。突然の連絡を受けても迅速に対応できるため、円滑な業務進行や顧客満足度の向上につながるほか、何より重くてかさばるノートPCを持ち歩かなくて済むのが嬉しい。
そして、Webにアクセスできる環境があれば、いつでもどこからでもアクセスできるオフィスアプリケーションがGoogle Appsだ。
そんなGoogle Appsとスマートフォンを連携させれば、メールを操作できる時間が増えて、生産性がアップすることは間違いない。
iPhoneでGmailを利用する方法
それでは、iPhoneでGoogle Appsの「Gmail」を利用する方法を2つ紹介しよう。1つが標準のメールクライアントを使ってIMAPで送受信する方法、もう1つがブラウザのSafari経由でアクセスする方法だ。
iPhoneでは「メール」を選ぶとGmailの文字が表示されるため、つい前者を使ってしまう人が多いが、今回オススメしたいのは後者のブラウザ経由である。タッチ操作で簡単にスターを付けられたり、チェックした複数のメールを一括処理できたりと、さまざまな面でストレスなく使えるからだ。そのほか、次に紹介するGoogle Appsの「カレンダー」へスムーズに移動できるのもメリットと言える。
iPhoneは標準のメールクライアントでGmailをサポートしている |
こちらが標準のメールクライアントでGmailを開いた画面 |
Safari経由でGmailにアクセスすると、チェックボックスを使ったメールの一括処理やタッチ操作で簡単にスターを付けられるなど利便性が高い |
カレンダーは外出先でのルート検索などにも便利
続いては、スマートフォンとGoogleカレンダーの連携について説明しよう。Googleカレンダーが通常のカレンダー機能と大きく違うのは、予定管理以外の多彩な用途を兼ね備えている点だ。
例えば、予定に行き先の住所を入力しておけば、そこから簡単に地図の表示が可能なのだ。さらに、目的地までの道順を検索したり、場所によってはストリートビューを表示したりすることもできる。これにより、行き先までの地図や乗り換え案内をわざわざプリントアウトしなくて済む。
なお、iPhoneではスマートフォン向け同期サービス「Google Sync」を使うことで、標準のカレンダー機能とGoogleカレンダーを同期させることもできる。ただし、同期するとiPhoneのカレンダーに保存した既存データが失われてしまう点、そして前述のようにGmailにSafari経由でアクセスするほうが利便性が高い点などから、GoogleカレンダーもSafariでの利用をオススメしたい。
iPhoneからGoogleカレンダーにアクセスした画面。「日」や「月」ごとに表示を切り替えられるのはもちろん、予定の編集も行える |
予定に住所を入力しておけば、右側の「地図」をタッチするだけで目的地付近の地図が表示できる |
住所左側に赤い人型アイコンがあればストリートビューの表示が、右側にある青い「>」アイコンからはルート検索などが行えるので大変便利だ |
このようにメールとカレンダーだけを見ても、Google Appsとスマートフォンの連携によってビジネスの生産性を大幅にアップできることがおわかりいただけたと思う。ちなみに、ベイテックシステムズではGoogle Apps Premier Editionの導入を検討しているユーザー向けに、スマートフォンでの利用を推進するための割引キャンペーンと導入支援を実施中だ。
このキャンペーンは、同社でAndroid端末「HTC Desire」を同時購入するとGoogle Apps Premier Editionの初年度利用料金(6,000円)が購入台数分だけ無料になるというもの。また、既存のGoogle Apps Premier EditionユーザーがHTC Desireを購入した場合も、次年度の利用料金が無料になるそうだ。キャンペーンは8月末までなので、興味がある方は同社に問い合わせていただきたい。