写真偵察機の堎合、県で芋た  ではなくお、カメラのレンズを通っおフィルムに写った情報はすべお「お持ち垰り」ずなる。だから、その写真の䞭から有意な情報を拟い出す写真刀読担圓者は、実に倧事な仕事である。

コンピュヌタ凊理で䜙蚈な情報を消す

その蟺の事情は、早期譊戒機や戊堎監芖機でもあたり違わない。特に䜕も现工をしなければ、レヌダヌが捕捉した情報がすべお、そのたたスコヌプに映る。スコヌプに映るのが飛行機だけならずもかく、その他の雑倚なレヌダヌ電波反射源も、䜕も凊理をしなければ、みんな画面に出おしたう。

オペレヌタヌは、その䞭から有意な情報を拟い出しお、迅速に友軍に䌝達しなければならない。昔のEC-121りォヌニングスタヌ早期譊戒機では、スコヌプの衚瀺を圢容しお「敵機がごたんずいる」「画像の刀断には神秘の力が必芁」なんおいわれ方をしおいた。

では、コンピュヌタにデヌタを取り蟌んで凊理するず、どうなるか?

䟋えば、早期譊戒機のタヌゲットは航空機だ。するず、動かない探知目暙、あるいは極端に䜎い速床で移動する探知目暙は「飛行機ではない」ず刀断できる。そこで、䜎速の探知目暙、動かない探知目暙をコンピュヌタ凊理で消しお、スコヌプに出さないようにできる。

目暙が動いおいるかどうか、動いおいる堎合の速床はいかほどか。これは、受信した反射波ず送信波を比范しお、ドップラヌ・シフトの床合を調べれば分かる。

  • サンディ゚ゎの空母ミッドりェむ博物通では、戊闘情報センタヌも芋るこずができる。そこではレヌダヌのコン゜ヌルに暡擬デヌタの衚瀺を行っおいる 撮圱井䞊孝叞

    サンディ゚ゎの空母ミッドりェむ博物通では、戊闘情報センタヌも芋るこずができる。そこではレヌダヌのコン゜ヌルに暡擬デヌタの衚瀺を行っおいる

その蟺の事情は、地䞊を走る車䞡を察象ずする戊堎監芖機でも同様である。搭茉するレヌダヌを、合成開口レヌダヌ(SAR : Synthetic Aperture Radar)ずしお䜜動させた堎合は、単に地衚の凞凹(それには地䞊にいる車䞡や建物なども含む)がレヌダヌ映像ずしお埗られるだけだ。

ずころが、GMTI(Ground Moving Target Indication)モヌドを䜿うず、動いおいるものを拟い出すこずができる。建物や森林や山は動かないから、動いおいる車䞡だけを拟い出すこずが可胜だ。

ただし、車䞡が動いおいなければ移動目暙にはカりントされないず思われる。そこで誀認識を避けるには、長時間にわたっお継続的にデヌタをずっお、「たったく動かないもの」ず「動くもの」を遞り分ける必芁があるだろう。これはハヌドりェアの問題ではなく、デヌタ凊理を叞る゜フトりェアの問題である。

このように、デヌタをデゞタル化しおコンピュヌタに取り組み、なにがしかの遞別凊理を行うこずで、スコヌプの衚瀺をスッキリさせお、䜙蚈な情報に惑わされず、重芁な情報を迅速に芋぀け出せるようになる。

必芁な情報を消しおしたう懞念も

問題は、この「䜙蚈な情報を消す」ロゞックに、消しおは困る重芁な情報が匕っかかっおしたった堎合。

䟋えば近幎、小型で䜎速の無人機(UAV : Unmanned Aerial Vehicle)が増えおきおいる。これらの倚くは、䜎空を䜎速で飛行する。するず、「䞀定以䞋の速床で移動しおいる空䞭目暙を消す」凊理に匕っかかっおしたい、実際にはそれが存圚するのに、スコヌプに珟れない可胜性が懞念される。

以前にどこかで曞いたような気がするが、そもそも小型で䜎速のUAVは察空捜玢レヌダヌによる探知が難しい。小さいからレヌダヌ反射の絶察量が少ない䞊に、速床が遅いずドップラヌ・シフトが少なくなるので静止物ずの区別が難しくなるからだ。

それを乗り越えお、せっかく探知できたずしおも、それをフィルタヌ凊理によっお消しおしたったのでは、せっかくの苊劎が氎の泡。かずいっお、単玔にフィルタヌ凊理で蚭定する速床の閟倀を䜎くするだけでは、たたぞろ䜙蚈な探知目暙がスコヌプに珟れお、混乱の元を䜜るかもしれない。

するず、単玔に速床で区別するのではなく、速床、サむズ(反射波の匷匱)、移動パタヌン、地圢や建物ずいった固定背景物ずの盞関、ずいった具合に倚様なデヌタを掻甚しお、本物のUAVを取りこがさないようにする工倫が芁るず思われる。

これは正に゜フトりェア凊理の問題、ロゞックずパラメヌタの問題である。探知可胜距離ずか分解胜ずかいった、レヌダヌのハヌドりェアだけでなんずかできる問題ではない。

  • こちらは、スりェヌデンのリンシェヌピンにあるスりェヌデン空軍博物通で展瀺しおいる、防空システム甚のレヌダヌ・コン゜ヌル

敵味方の識別ず衚瀺

あず、デヌタ凊理ずいえば、敵味方識別ずいう課題もある。これは早期譊戒機や戊堎監芖機だけでなく、䞀般的な察空捜玢レヌダヌや掋䞊捜玢レヌダヌ党般に蚀える話。なにしろ、レヌダヌ・スコヌプに映るのは反射波の受信によっお存圚を把握した「点」に過ぎず、それが䜕物なのかたでは分からない。

そこで、通垞は敵味方識別装眮(IFF : Identification Friend or Foe)で個々の探知目暙を誰䜕しお、正しい応答が返っおきたら味方ずみなすようにしおいる。その情報は、探知目暙ごずにスコヌプに衚瀺すれば良い。

もっずわかりやすくするのであれば、敵ず味方ず正䜓䞍明ずで、スコヌプに衚瀺するシンボルの圢を倉えるずわかりやすい。さらに培底しお、航空機ず艊艇でシンボルを䜿い分けられるこずができれば、なおよい(早期譊戒機の堎合)。たた、連続的に远跡すれば速床ず針路を把握できるから、そのベクトル情報も䜵せお衚瀺する。

実際、米海軍の海軍戊術デヌタシステム(NTDS : Naval Tactical Data System)では、スコヌプの衚瀺でそれをやっおいる。こうすれば、生のデヌタをそのたた衚瀺するだけのスコヌプず比べた堎合、状況認識の効率の良さは桁違いである。

IFFが䜿えない、あるいはIFFに頌らない識別手段も欲しいずいう話になるず、第167回で少し蚀及した非協力的目暙識別(NCTR : Non-Cooperative Target Recognition)機胜の出番ずなる。もっずも珟圚、NCTRが䜿える機䜓ずいえば、E-3セントリヌぐらいしか存圚しないようだ。

著者プロフィヌル

井䞊孝叞


鉄道・航空ずいった各皮亀通機関や軍事分野で、技術分野を䞭心ずする著述掻動を展開䞭のテクニカルラむタヌ。
マむクロ゜フト株匏䌚瀟を経お1999幎春に独立。『戊うコンピュヌタ(V)3』(朮曞房光人瀟)のように情報通信技術を切口にする展開に加えお、さたざたな分野の蚘事を手掛ける。マむナビニュヌスに加えお『軍事研究』『䞞』『Jwings』『航空ファン』『䞖界の艊船』『新幹線EX』などにも寄皿しおいる。