本連載では日本ヒューレット・パッカード(HPE)のさまざまな社員の「こぼれ話」を綴ります。→過去の「マシンルームとブランケット」の回はこちらを参照。
一般的にサブスクが使われるようになって
気軽に楽しむことができる音楽やネット動画はサブスクリプションが当たり前ですが、最近テレビでランドセルもサブスクでというCMを見て少々驚きました。
あらゆる高額製品・商品もサブスクリプションの時代に変わってきています。自動車もその1つです。みなさんは自家用自動車を持つとしたら所有する派?それとも借りる派でしょうか?免許を持っていなければタクシー派もありますね。
それぞれのメリット・デメリットや利用の仕方でその選択が決まってくると思います。自動車を利用する目的にはいろいろあります。毎日の通勤で乗りたい、ステータスとして所有したい、運転を楽しみたい、買い物の荷物を積みたいなどなど……。必要な時にすぐに使いたい場合は、購入やリース契約などが適しています。
一方、できるだけ所有コストを抑えたい場合は、カーリースや、使う時だけレンタカーを借りるなどが適しています。毎年新車に乗り換えたい場合は、購入という方法もありますが、残価設定リースという選択もあります。
このように自動車ではさまざまな利用形態が選べるようになっていますが、その最新の流れがサブスクです。
車両税、車検、メンテナンス、さらには次の新車の買替えまで丸っと提供し、自動車を購入した場合の手続き、メンテナンスの煩わしさがないのに、あたかも新車を短期で所有しているかのように自由に利用できるサブスクリプションのサービス展開が多くみられるようになっています。
自動車メーカーだけでなく、石油業界なども自動車のサブスクを提供するようになっており、高額でメンテナンスが必要な車を“所有する”から、借りて“利用する”流れと変わってきています。
サーバーもサブスクで提供?
提供方法が多様化してきているのはIT業界でも同じです。最近は、クラウドという新たな流れもできて定着する中、機器を持たずにソリューション提供する時代へと変わってきています。
この流れはコロナ禍の影響でDX(デジタルトランスフォーメーション)という名でさらなる加速をしている状況です。DXというと自社向けにサービス提供をするITシステムというだけにはとどまりません。お客さま自身がビジネス展開されている製品やソリューションにもDXが不可欠な時代となってきています。
流行り言葉のEdgeやIoT。現場で起こっていることをリアルタイムに情報収集し、そのデータを分析して今後のビジネスの成長に生かすことが企業にとって重要となってきています。
一方、技術は加速度的に進歩しており、自社だけではその時代に合った付加価値のあるソリューションをタイムリーに出し続けることは難しくなってきています。
自社開発や特注品の利用ではなく、餅は餅屋に任せて市販されている既製品を取り入れ、開発スピードの向上やコスト削減の課題を解決し、今ある最高の技術を利用して製品やソリューションを提供することが主流になっています。
お客さまの製品やソリューションに、業界標準のサーバー、ストレージ、ネットワーク製品を使うことにより、最新の技術かつセキュアであり、さらにサステナビリティにも貢献できる機器を活用し、ソリューションを早期に提供することができます。
これにより、提供するソリューションの開発・提供にリソースを集中でき、時代を先取りした機能や、痒いところに手が届くようなソリューション開発に集中することができるようになります。
こうした開発方法で時代を先取りしたソリューションと機器などをシステムとして提供する手法も、今までのような販売での提供だけでなく、サブスクリプションを活用する流れがきております。
組込みソリューションでサブスクを使うメリット
サーバーなどのIT機器は自動車のように、利用するには点検や修理など保守することが必要です。
例えばソフトウェアソリューションだけをサブスクリプション提供しても、利用されているお客さまはサーバーを含め、サーバーの保守や修理などの面倒なことに対応しなければならず、できればシソリューションを機器や保守まで含めて丸っとサブスクリプションで利用したいと考えています。
一方、ソリューションを提供する観点からは、組込みソリューションのサーバーなどのIT機器も併せてサブスクリプション化することで、ビジネス全体をストックビジネスモデル化でき、収益確保ができたり、管理のための管理が不要になったり、利用されていない機器在庫コスト削減や、お客さまの即納対応などができたりと、さまざまなメリットを得ることができます。
現在の自動車業界の流れと同様に、今後は組込み型ソリューションにも丸っと提供サブスクリプションモデルの流れが加速され、近い将来には水道、電気、ガスと同様に必要な時に必要なだけ使うというイメージに変わりつつあります。
日本ヒューレット・パッカードの社員によるブログをぜひ一度ご覧ください。製品やソリューションの紹介だけではなく、自身の働き方や日々のボヤきなど、オモシロ記事が満載です。