運動の秋、パン食い競走に紛れ込んだこねたもの。
自分の走るレーン・行く先にあるパンやゴールを目で捉え、
速く走る練習を思い出し、パンめがけて跳び、1番を目指し…
今までにブッダが発見したさまざまな
「思いのままにならないこと(苦)」を紹介してきましたが、
何を隠そう「人間の身体の機能」が
「思いのままにならないこと」に満ちているのです。
身体の機能を原因とする「苦」を
「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)と呼び、
「八苦」の中に数えられています。
「五蘊」とは人間の認識を作る5つの要素で、
『色(知覚の対象となる物質や身体)・受(五感を通して得る感覚)
・想(イメージ、記憶)・行(意思、判断)・識(認識、分別)』
のことを指します。
これらに執着し、心身を思うようにコントロールできないと感じる事で、
苦しみは募っていきます。
不快だと頭ではわかっていても、
ついつい怒りや不満が湧いてきてしまったり、
失敗の記憶やイメージで不安になったり、
知識に縛られるあまり「あんなものはパンとは言わない!」とこだわったり、
高い所に手が届かなかったり…
身体機能の制約を受ける限り、
「苦」を引き起こす原因が身近に溢れているということを、
まずは知る事が大切です。
また、日常に溢れる「思いのままにならないこと」から着想を得て
生活を改善する画期的な発明や、
ありそうでなかったアイデアが生まれているのも事実です。
人間の身体活動・認識のプロセスや、
それが原因となって起こる問題を丁寧に観察していくことで、
新たな発見があるかもしれません。
■こむぎこをこねたもの、とは?
■著者紹介
Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」、「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。
「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。