ER Masterとは?
ER MasterはER図を作成するためのEclipseプラグインだ。ER図を作成するためのEclipseプラグインにはClay Mark IIやAmaterasERDなどがあるが、中でもER Masterは高機能でドキュメントも充実しており、イチオシのプラグインだ。
ER Masterは更新サイトからインストールすることができる。
ER Masterを使ってみよう
ER Masterをインストールすると、新規作成ウィザードの[ERMaster]カテゴリからER図を作成することができる。ER図の作成時には対応するデータベースを以下の中から選択する。主要なDBについてはサポートされているが、一部のDBのサポートについては開発途上となっているので注意してほしい(筆者の試したところでは、一部のDBを指定した場合、テーブルにカラムを追加しようとするとエラーが発生するといった問題があった)。
- DB2
- HSQLDB
- MySQL
- Oracle
- PostgreSQL
- SQLite
- SQLServer
ER図は以下のようなエディタで編集することができる。パレットからテーブルやビュー、関連などをドラッグ&ドロップすることで作図が可能だ。また、Eclipseのツールバーからはダイアグラムのレイアウトや拡大・縮小、色やフォントの変更などの操作を行える。
テーブルの詳細情報についてはエディタ上でテーブルをダブルクリックすると表示されるダイアログで編集することができる。このダイアログではインデックスや制約、さらにデータベース固有の設定(表領域やストレージエンジンなど)を行うことができる。
単語によるデータ項目の一元管理
ER Masterではデータ項目のドメインを単語という概念で一元管理することができる。テーブルの編集ダイアログでカラムの情報を入力すると、論理名/物理名/型/サイズ/説明が一致する単語が登録されていない場合は新たな単語として自動的に登録される。
登録された単語は他のテーブルでは列の情報を入力する際に選択することができる。アウトラインビューの辞書ノードの配下には登録済の単語が一覧表示されており、単語をダブルクリックすることで単語の属性を変更することができ、変更は当該の単語を使用しているすべてのテーブルに反映される。
図3 登録された単語 |
あらかじめデータ型のドメインを登録しておくのではなく、ER図を作成しながら自然とドメインの抽出が行うことができるため、効率よくデータベースの設計を行うことができるのではないだろうか。
インポート/エクスポート機能
ER図は一から作図する以外に、既存のデータベースからリバースエンジニアリングすることも可能だ。ER Masterは物理名称から論理名称への自動変換機能を備えており、DBからリバースエンジニアリングを行う場合、自動的に論理名を設定することができる。
作成したER図からは以下の形式でエクスポートすることができる。DDLはファイルにエクスポートするだけでなく、DBの直接エクスポートすることも可能だ。またJavadoc風のHTMLやExcelなどドキュメントとしての出力も可能な点も嬉しいところだ。
- 画像
- Excel
- HTML
- DDL
- 辞書
- 翻訳辞書
まとめ
ER Masterは非常に高機能で細部まで作り込まれたDBモデリングツールだ。カスタマイズ可能な項目も広範囲に及び、ダイアグラムの表示形式や色、フォントなどを指定することができるほか、エクスポートするExcelファイルまでカスタマイズすることができる。こういった機能の充実度はフリーのER図作成ツールの中では群を抜いている。
また、ER MasterのWebサイトにはER Masterのインストールから操作方法まで非常に丁寧に解説されたドキュメントが用意されているため、こちらを参照すれば特に使い方で迷うことはないだろう。
ER図を作成するためのツールを探しているのであればER Masterを検討してみてはどうだろうか。