高級キーボードは、快適なタイピング体験と洗練されたデザインを兼ね備えており、仕事効率を重視するビジネスパーソンや自己成長を大切にする人にとって魅力的な選択肢だ。同僚や先輩の影響から興味を持つことも多く、インテリアにこだわりを持つ人にも適している。ノートPCでの長時間作業に伴う疲労軽減や、Bluetooth接続によるデスク周りの整理整頓にも寄与する。
しかし、興味がありつつも、その価格から、高級キーボードに手が伸びない方もいるだろう。そこで本連載では、本連載では、筆者の実体験を交えつつ、高級キーボードの魅力をお届けしたい。
キーボードが壊れた、さあどうする?
PCに付属しているキーボードは製造コストを低く抑えられる技術を採用したものが多い。「メンブレン方式」と呼ばれる構造で、タイピングが軽く静音性が優れている。反面、タイピング量が多かったり、強く叩いたりしていると壊れやすい。
日々の仕事でキーボードを頻繁に使うビジネスパーソンにとって、使っているキーボードの不調は不満の蓄積につながる。キーの反応が鈍い、打鍵感が悪い、手が疲れるetc。キーの反応が鈍くなると強く叩くようになり、手の疲れや痛みが加速する。
PC付属のキーボードの具合が悪くなってきたら買い替えのタイミングだ。ここで単に代替品を購入するのではなく、ちょっと贅沢して「高級キーボード」を検討に加えてみてはどうだろう。高級キーボードはその価格に見合うだけの品質を持ち、メンテナンスを行いながら使うことで長期的には廉価なキーボードを頻繁に買い替えるよりもコストパフォーマンスが高くなることだってある。
そんな高級キーボードだが、以下のような方にぜひ検討してもらいたい。
同僚や友達が使っているキーボードが気になる
高級キーボードはデザインがよく、筐体のマテリアルも高級感があり、タイピングの感じも心地よい。そうした同僚や友達が「もう普通のキーボードには戻れない」「自宅用に同じキーボードを買った」などと話しているのを聞いてしまうと、高級キーボードが気になってくる。高級キーボードがPCを使うプロとしての心をくすぐってくる。
自己投資が好き
新しい資格を取ったりビジネス書籍を読みふけったり、ボディーメンテナンスを定期的に行っていたり、自己投資が好きだったりするなら、高級キーボードはぴったりの投資対象だ。
高級キーボードにはキーの入れ替え、ショートカットキー、マクロ設定など、入力効率を向上させる機能が備わっている。ちょっとでも業務の効率を上げたいなら高級キーボードはよい投資対象だ。迷うことなく試してみよう。
インテリアにこだわりたい
インテリアにこだわりがあり、自宅やデスクを好みの状態にしておきたいなら、高級キーボードはうってつけのガジェットだ。
Bluetooth接続の高級キーボードはスタイリッシュでデスク周りもすっきりする。不要なときはキーボードを収納したり壁に飾ったりしてもいい。現在は世界中の高級キーボードをオンラインで注文しやすいので、デザインで選ぶ上での選択肢も広い。
ノートPC利用時の疲労がひどい
ノートPCは便利すぎるデバイスだが、このデバイスで1日に何時間も連続して作業するような日々が長期にわたって継続すると、体に不調が出やすくなる。
ノートPCはディスプレイの位置が低いので常に下を向くことになり、首や肩に負担がかかる。ノートPCデッキを使ってディスプレーの位置を上げることで解消できるが、今度はノートPCのキーボードが宙にあるので叩けなくなる。
こんな特徴があるので、ノートPCをメインで使いつつも、ノートPCはデッキに乗せて高い位置へ設置し、別途キーボードをつなげて使うというのは、しばしば見かけるスタイルだ。そんなときな高級キーボードを検討したい。Bluetooth接続によるすっきりしたデバイス配置はノートPCにぴったりだ。
そもそも高級キーボードって何?
「高級キーボード」といっても明確に定義があるわけではない。キーボードベンダーが上位モデルと位置づけるキーボードの特徴を最大公約数的にまとめると、以下のような特徴を備え、価格は1万円~5万円またはそれ以上で、PCに同梱されている一般的なキーボードよりも明確に高品質かつ高性能なキーボードということになる。
素材とビルドクオリティ
キーボードの筐体がプラスチックのみならずアルミニウム、ステンレス、上質なプラスチックなどが使われている。剛性が高く耐久性があり、据え置きモデルは重量もあり高級感がある。優れた剛性は一貫した押下感を提供する。
キースイッチの品質
廉価なキーボードが採用している「メンブレン方式」ではなく、キーのスイッチに「メカニカルスイッチ」や「静電容量無接点方式」を採用している。スイッチそのものをキーごとに交換が可能なモデルがあったり、ソフトウェア経由で押下圧のカスタマイズが可能なモデルがある。
カスタマイズ性
専用のソフトウェアやハードウェアに設置されているスイッチなどを使ってキーマップの入れ替え、ショートカットキーの設定、マクロ機能の実装、プログラム可能なキーの設定などを行うことができるモデルがある。慣れを超えて手になじむ設定にすることができる。
できれば触れてタイピングしてみよう
高級キーボードには上記のような特徴があるが、まずはタイピングしてみてほしい。家電量販店やキーボードベンダーのショールームなど、テストタイプができる場所があるので、可能であれば試してみよう。
価値観は人それぞれなので、叩きながら「こんなもんか」と思うかもしれない。試した後にPC付属のキーボードを叩いてみて「あぁ……」と感じるようなら、高級キーボードに手を伸ばす価値はあると思う。高級キーボードの最初の満足感は価格的および物理的高級さとタイピングの心地よさにある。それを感じたのなら、検討する価値は十分にある。