オフラインでもGoogle Appsが使える

電子メールやスケジュール管理、文書作成といった作業がすべてWebブラウザでできるオンラインアプリケーションの『Google Apps』。他のソフトをインストールすることなく、Webブラウザだけで利用できる点が便利である。しかし一方で、ネット環境がないオフラインの状況では、受信トレイのメールを開けなかったり、スケジュールを確認できなかったりして困ることも多い。

そんな時に役立つのが、オフラインでもGoogleのオンラインアプリケーションを利用可能にするWebブラウザ用プラグインの『Gears』だ(図1)。Gearsでは、GmailやGoogleカレンダーのデータをローカルPCに保存することで、オフライン時にはローカルPCにアクセスしてメールやスケジュールを表示する。また、次にオンラインになればデータの同期が行われ、オフライン時に作成・修正したデータがWeb上にも反映される。そこで今回は、Gearsのインストールと使い方について紹介しよう。

図1 「Google Apps」をオフラインでも利用可能にする「Gears」の使いかたを見ていこう

「Gears」をインストール

はじめに「Gmail」でオフライン機能を使ってみよう。まず、Gmailのページを開いたら、右上にある「Labs」のアイコンをクリックする (図2)。次に表示されるページにおいて、「オフライン」の箇所で「有効にする」を選択しよう (図3)。左上の<変更を保存>ボタンをクリックすれば、設定が保存される。

図2 「Gmail」のページで「Labs」のアイコンをクリック

図3 <設定>画面の<Labs>タブが開くので、「オフライン」で「有効にする」を選択する

Gmailのページに戻ると、右上に「オフライン」というリンクが表示されている。この「オフライン」をクリックしよう (図4)。図5のようなダイアログが表示されたら、<インストール>ボタンをクリックする。すると、「Gears」のWebページが開くので、<Gearsをインストール>ボタンをクリックしよう (図6)。

図4 右上に表示された「オフライン」をクリック

図5 ダイアログが表示されるので<インストール>ボタンをクリック

図6 表示されたページで<Gearsをインストール>ボタンをクリック

続いて利用規約の画面になるので、内容を確認して<同意してダウンロード>ボタンをクリックする (図7)。ここでセキュリティの警告のダイアログが表示されたら、<実行>ボタンをクリックしてインストールを実行しよう。次に表示されるダイアログでは、<すぐにブラウザを再起動する>ボタンをクリックする (図8)。ブラウザが再起動すれば、Gearsのインストールは完了だ。

図7 <同意してダウンロード>ボタンをクリックしよう

図8 インストールが完了するとこのようなダイアログが表示されるので<すぐにブラウザを再起動する>ボタンをクリック

オフラインで「Gmail」を使おう

再びGoogle Appsにログインし、Gmailのページを開いたら、右上の「オフライン」のリンクをクリックする。ダイアログが表示されるので<次へ>ボタンをクリックしよう。次に表示されるダイアログでは、「このサイトを信頼してGearsの使用を許可する」にチェックを入れて、<許可>ボタンをクリックする (図9)。

図9 「このサイトを信頼してGearsの使用を許可する」にチェックを入れて<許可>ボタンをクリック

Gmailのオフライン機能がインストールされ、画面の右上には進捗状況が表示される (図10)。インストールが終わると、引き続いて同期作業が行われ、メールがローカルPCにダウンロードされる (図11)。ダウンロードが完了すると「同期完了」と表示され、Labsの右隣のアイコンも変化する (図12)。

図10 Gmailのオフライン機能のインストールが行われる

図11 引き続いてGmailのメールがローカルPCにダウンロードされる

図12 メールのダウンロードが完了すると「同期完了」と表示され、オフライン機能のアイコンも変化する

これで、Gearsをインストールしたブラウザを使えば、オフラインでもGmailを使えるようになった。オフライン時にGmailを開くには、

https://mail.google.com/a/自社ドメイン/

にアクセスすれば良い。受信トレイのページが開き、右上のアイコンは「オフライン」のマークが表示されている (図13)。オフライン時には、受信トレイのメールを開いて閲覧するのはもちろん、メールを作成して保存しておくことも可能となる。

図13 オフラインでGmailのURLにアクセスすると、アイコンが「オフライン」のマークになっている

また、通信状態が不安定で受信トレイのメールを開くのに時間がかかる場合には、「フレックス接続モード」を選択するのがよい。ページ右上のオフライン機能のアイコンにマウスカーソルを合わせて表示されるポップアップウィンドウで「フレックス接続モードに切り替え」をクリックしよう (図14)。すると、メールを開く際には、ローカルPCへのアクセスが行われ、素早く表示される。

図14 ネット接続が不安定な場合は「フレックス接続モード」を選択するのが便利だ

さらに、オフライン機能のアイコンにマウスカーソルを合わせた時に表示されるポップアップウィンドウで「操作を表示」をクリックしてみよう (図15)。メニューでオンラインとローカルの同期を今すぐ実行したり、同期を一時停止することが可能だ (図16)。また「"ドメイン名"オフラインメールを無効にする」をクリックすれば、ローカルPCに保存されたデータが消去され、オフライン機能が無効になる。

図15 オフライン機能のポップアップで「操作を表示」をクリック

図16 同期の実行や一時停止、オフライン機能の無効化などを選択できる

オフラインで「Googleカレンダー」&「Google Docs」

「Googleカレンダー」でもGearsを利用してオフラインでのアクセスが可能となる。Googleカレンダーでオフライン機能を有効にするには、ページ右上の「オフライン」をクリックする (図17)。次に表示されるダイアログで<オンラインアクセスを有効にする>ボタンをクリックしよう。セキュリティの警告ダイアログが表示されるので許可を行い、オフライン機能をインストールする。すると、Gmailと同様にオフライン機能のアイコンがページの右上に表示される。

図17 Googleカレンダーのページで「オフライン」をクリック

オフライン時にGoogleカレンダーを開くには、

https://www.google.com/calendar/hosted/自社ドメイン/

にアクセスする。また、オフライン時にアクセスできるカレンダーを追加するには、「カレンダー設定」画面の<オフライン>タブを開いて設定を変更すればよい (図18)。

図18 「カレンダー設定」画面で<オフライン>タブを開くと、オフラインで表示するカレンダーを追加できる

なお、「Google Docs」でもオフライン機能が用意されている。ホーム画面の右上にある「オフライン」をクリックし、GmailやGoogleカレンダーと同様にオフライン機能のインストールを進めていく。これで同期が行われ、完了すると緑色の「完了」アイコンが表示される。

オフライン時のURLは次の通り。

https://docs.google.com/a/自社ドメイン/

オフライン時には、ドキュメントの新規作成はできないものの、既に作成しているドキュメントの閲覧や編集が可能である。

著者プロフィール・小山文彦

株式会社ゴーガ代表取締役。ウェブ技術とデータ分析を切り口に、多様な企業向けサービスを展開。クラウドとガジェットを生かしたGoogle Appsの潜在的な可能性に注目し、SaaSプラットフォームの最右翼と期待する。Google Apps Authorized Resellerとして、啓蒙活動と関連ソフトウェア開発に力を入れている。