「Googleドキュメント」をもっと活用しよう

Google Apps』で利用するオンラインのオフィススイート『Google Docs』。基礎中の基礎となる使い方はすでに見てきたので(第4回)、引き続いて少し応用的な使い方を紹介しよう。

今回はGoogle Docsの中でも、ワープロ文書を作成する「Googleドキュメント」を取り上げる。日常的に作成するビジネス文書には、書類の送付状や報告書といった書式や書く内容が決まっているものが数多く存在する。そんな文書の作成に利用したいのが、Googleドキュメントの「テンプレート」だ。

Googleドキュメントでは、様々なテンプレートが公開されていて(図1)、それを元に文書を作成できる。残念ながら、現在のところ用意されているテンプレートは英語のみだが、自分でテンプレートをアレンジしたり新規に作成したりすれば、それを新たなテンプレートとしてアップロードし、社内で共有することが可能となる。それでは、テンプレートの使い方を中心にGoogleドキュメントの応用編を見ていこう。

図1 今回は「テンプレート」を使って文書を作成する方法など「Googleドキュメント」の応用的な使い方を紹介する

「テンプレート」を使用しよう

まず、「Google Docs」のホーム画面を開いたら、画面上側にある「テンプレートギャラリーを参照」をクリックしよう(図2)。図3のような「テンプレートギャラリー」のページが表示されるので、<パブリックテンプレート>を選択して開く。公開されているテンプレートが一覧で表示され、左側のメニューや検索によってテンプレートを絞り込んで探し出すことが可能(図4)。

図2 「Google Docs」のホーム画面で「テンプレートギャラリーを参照」をクリック

図3 「テンプレートギャラリー」のページで<パブリックテンプレート>を選択しよう

図4 種類やカテゴリで絞り込んでテンプレートを探す

使用したいテンプレートを見つけたら、サムネイルまたは「プレビュー」のリンクをクリックしてみよう(図5)。次のプレビューページでテンプレートを確認したら、<このテンプレートを使う>ボタンをクリックする(図6)。文書の編集画面になり、テンプレートを元に文書を作成できる(図7)。一度使用したテンプレートは、テンプレートギャラリーの<使用したテンプレート>に一覧表示されるので、次回からは容易に探し出せる(図8)。

図5 テンプレートの「プレビュー」をクリックする

図6 プレビューを確認したら、<このテンプレートを使う>ボタンをクリック

図7 文書の編集画面でテンプレートのコピーが開く。テンプレートを元に文書を作成できる

図8 一度使用したテンプレートは、テンプレートギャラリーの<使用したテンプレート>に並べられる

公開テンプレートをアレンジしたり、自分で新規にテンプレートを作成して、それを社内で共有することも可能。Googleドキュメントで文書を作成し、保存した後で、テンプレートギャラリーを開いて、「テンプレートを送信」をクリックしよう(図9)。図10のようなページが表示されるので、「Googleドキュメントから選択する」をクリックする。次に保存している文書一覧がダイアログで表示されるので、テンプレートにする文書をクリックして、<選択>ボタンをクリックする(図11)。

図9 作成したテンプレートをアップロードする時は、右上にある「テンプレートを送信」をクリック

図10 「Googleドキュメントから選択する」をクリック

図11 テンプレートにする文書を選んだら、<選択>ボタンをクリック

元のページに戻り、テンプレートの説明文とカテゴリー等を指定したら、<テンプレートを送信>ボタンをクリックしよう(図12)。以上の手順でアップロードしたテンプレートは、テンプレートギャラリーの<"社名"テンプレート>に表示され、社内の誰もが閲覧して利用できる(図13)。

図12 説明文を入力し、カテゴリなどを選んで<テンプレートを送信>ボタンをクリック

図13 アップロードしたテンプレートは<"社名"テンプレート>に表示され、社内の誰もが利用できる

図形を描写して挿入する

次に紹介するのは、Googleドキュメントの図形描写機能だ。図形描写機能では、長方形や楕円、直線といった基本的な図形の他にも、フリーハンドで描いた図形を文書に挿入することが可能。文書の編集画面を開いたら、画面の<挿入>メニューから<図形描写>を選択しよう(図14)。すると、図形を描写するためのウィンドウが表示される(図15)。

図14 文書の編集画面で<挿入>メニューから<図形描写>を選択しよう

図15 このウィンドウ内で挿入する図形を描写する

ツールバーのボタンをクリックして、基本的な図形や直線を描く(図16)。また、<フリーハンドを挿入>ボタンをクリックすれば(図17)、フリーハンドで描画できる(図18)。図形の描画が済んだら、<保存して閉じる>ボタンをクリックしよう(図19)。すると、文書に図形が挿入される。

図16 ツールバーのボタンをクリックして基本的な図形や直線などを描いていく

M図17 ツールバーの<フリーハンドを挿入>ボタンをクリック

図18 フリーハンドで図形を描くことが可能だ

図19 右上の<保存して閉じる>ボタンをクリックすれば、描画した図形が文書に挿入される

「Word 2007」のファイルに対応

「Microsoft Word 2007」の「.docx」で保存された文書ファイルをアップロードできなかったGoogleドキュメントだが、2009年6月より「.docx」にも対応し、アップロードが可能になった(図20)。しかし、反対にGoogleドキュメントで作成した文書を「.docx」にエクスポートすることは現在のところできない(図21)。

図20 「Word 2007」による「.docx」の文書をアップロードすることが可能になった

図21 <ファイルのダウンロード>で<Word>を選択すると、「.doc」で文書がエクスポートされる。「.docx」ではエクスポートできない

著者プロフィール・小山文彦

株式会社ゴーガ代表取締役。ウェブ技術とデータ分析を切り口に、多様な企業向けサービスを展開。クラウドとガジェットを生かしたGoogle Appsの潜在的な可能性に注目し、SaaSプラットフォームの最右翼と期待する。Google Apps Authorized Resellerとして、啓蒙活動と関連ソフトウェア開発に力を入れている。