「Google Apps」にアプリや機能を追加する

Google Apps』では、これまで見てきたアプリケーション以外にも様々なアプリケーションを追加して利用することができる。「Solutions Marketplace」では、Google Appsに追加可能なアプリケーションが公開されており、サードパーティ製と並んで「Google Labs」のアプリケーションを入手可能だ。

Google Apps向けのGoogle Labsアプリケーションは、一般ユーザー向けのGoogle Labsとは異なり、個人ではなくグループで利用するアプリケーションとなっている。なお、Google Appsにアプリケーションを追加できるのは管理者のみだが、追加したアプリケーションはすべてのユーザーが利用可能。今回は、Google AppsにLabsのアプリケーションを追加する方法を見ていこう(図1)。また、Google Labsと名前のよく似た「Gmail Labs」のGoogle Appsでの利用についても紹介する。

図1 今回は「Google Apps」に「Google Labs」のアプリを追加する方法を見ていこう

「Google Labs」のアプリを追加

Google Appsに「Google Labs」のアプリを追加するには、まずGoogle Appsのダッシュボードで「Add more services」をクリックする(図2)。図3のようなページが表示されるので、「See more services from Google Labs」をクリックしよう。Google Apps向けのGoogle Labsアプリケーションが紹介されているページが開く(図4)。

図2 Google Appsのダッシュボードで「Add more services」をクリック

図3 「See more services from Google Labs」をクリックしよう

図4 Google Apps向けのGoogle Labsアプリが3つ表示される

現在のところGoogle Appsで利用できるGoogle Labsアプリケーションは、「Google Short Links」「Google Code Reviews」「Google Moderator」の3つとなっている。それぞれのアプリケーションを選択すると、図5のようなページになるので、右下の<Add it now>ボタンをクリックしよう。ドメインを入力するテキストボックスが表示されるので、Google Appsに登録している自社ドメインを入力し、<Go>ボタンをクリックする(図6)。

図5 それぞれのアプリのページを開いたら<Add it now>ボタンをクリック(は「Code Reviews」の場合)

図6 Google Appsの自社ドメインを入力して<Go>ボタンをクリック

次に、Google Labsの規約が表示されるので、内容を確認して、「I accept. Continue to add this service」の左にチェックを入れる。さらに、サービスのURLを指定して<Continue to set up URL>ボタンをクリックする(図7)。指定したURLを有効にするために、次のページの指示に従ってCNAMEレコードを設定したら、<I've completed these steps>ボタンをクリックしよう(図8)。これでアプリケーションの追加は完了し、ダッシュボードの下側にはアプリケーションが表示されている(図9)。

図7 規約に同意し、サービスのURLを設定して、<Continue to set up URL>ボタンをクリック

図8 ページの指示に従ってCNAMEレコードを設定したら、<I've completed these steps>ボタンをクリック

図9 Google Appsのダッシュボードに追加したサービスが表示される

Google Labsアプリの簡単な紹介

Google Labsアプリのうち、「Short Links」は長いURLを短縮して、分かりやすいURLを作成する(図10)。

図10 「Short Links」は短縮URLを作成する。文字列は自分で決めることも、ランダムに割り当てることも可能

Webブラウザで短縮URLを入力すると、元のURLにリダイレクトされる。例えば、Googleドキュメントの長いURLを

 http://shortlinks.自社ドメイン/×××/

というように短縮できる(図11)。「×××」の部分は好きな文字列を指定することも、ランダムな文字列を割り当てることも可能。また、作成した短縮URLをGoogle Appsのユーザー以外が利用できるようにも設定できる。

図11 Googleドキュメントの長いURLから短縮URLを作成すれば、URLを教える際に便利

次に「Moderator」は、会議での質問を投稿して投票を募り、多数決で質問を決定するアプリケーション(図12)。Google Appsのユーザーであれば、質問をまとめた「Series」のURLを入手して、質問を投稿したり、質問に投票できる(図13)。この「Moderator」は、米国のホワイトハウスがオバマ大統領への質問を決めるために利用したことでも話題になった。

図12 「Moderator」は投稿された質問に投票して、会議での質問を決定するアプリケーション

図13 「Series」のURLにアクセスして、質問に投票したり、質問を投稿できる

また、Google Labsアプリの「Code Reviews」は、ソフトウェアのコードをアップロードして、共同でコードレビューを行うためのアプリケーションとなっている(図14)。

図14 「Code Reviews」はコードレビューを行うためのアプリケーション

Google Appsでも使える「Gmail Labs」

Google Labsと似た名前の機能として「Gmail Labs」がある。Gmail Labsは「Gmail」の実験的な機能であり、Google Labsアプリがグループで使うものであるのに対して、Gmail Labsは個人で使う拡張機能となっている。

Gmail Labsを利用する場合は、Gmailの設定画面を開いて<Labs>タブを選択する(図15)。「オフラインアクセス」や「ToDoリスト」といった実用的な機能から、ゲームや「酒気帯びテスト」といったユニークなものまで、50個近い拡張機能が用意されている(図16)

図15 「Gmail」の設定画面で<Labs>タブを選択する

図16 「Gmail Labs」は個人で利用するGmailの拡張機能で、現在50個近くが公開されている

拡張機能の右側で「有効にする」を選択して、<変更を保存>ボタンをクリックすれば、Gmail Labsが利用できる(図17)。Gmail Labsをひとつでも有効にすると、Gmailのページの右上にはGmail Labsのアイコンが表示される(図18)。Gmailの受信トレイにGoogleカレンダーやGoogle Docsのリスト、ToDoリストなどを表示したりすることが可能になる(図19)。

図17 各機能の右側で「有効にする」を選択して、<変更を保存>ボタンをクリック

図18 Gmail Labsを有効にすると、ページの右上にLabsのアイコンが表示される

図19 受信トレイにGoogleカレンダーやGoogle Docs、ToDoリストなどを表示することが可能

著者プロフィール・小山文彦

株式会社ゴーガ代表取締役。ウェブ技術とデータ分析を切り口に、多様な企業向けサービスを展開。クラウドとガジェットを生かしたGoogle Appsの潜在的な可能性に注目し、SaaSプラットフォームの最右翼と期待する。Google Apps Authorized Resellerとして、啓蒙活動と関連ソフトウェア開発に力を入れている。