2023年に「Duet AI for Google Workspace」として提供された、グーグルの生成AIを活用した機能拡張「Gemini for Google Workspace」。現在のところ、提供される機能の大半が英語のみの対応であることから、日本人が利用するにはまだ非常に多くの制約があります。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
それでいてGemini for Google Workspaceは有料のサービスであり、最も安い「Gemini Business」でも1ユーザー当たり月額2260円を追加で支払う必要があります。それゆえ現時点では、Gemini for Google Workspaceの利用をためらう日本のユーザーが多いかと思われますが、それでも徐々に日本語対応する機能は増えつつあるようです。
サイドパネルからGeminiと対話ができる機能を提供開始
実際、2024年10月17日には、Google WorkspaceのサイドパネルからGeminiと対話ができる機能を、英語以外のいくつかの言語でα版として提供開始しています。
それら言語の中にはもちろん日本語も含まれており、同日から対応するアカウント、具体的には「Gemini Business」「Gemini Enterprise」「Gemini Education」「Gemini Education Premium」を追加しているユーザーであれば利用可能となっています。
今回、英語以外の言語でサイドパネルからGeminiが利用できるようになったのは「Gmail」「Googleドライブ」「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」の4つ。英語では「Googleスプレッドシート」にも対応するのですが、執筆時点でそちらは対象外となっているようです。
対象となるツールでサイドパネルからGeminiを利用するには、各ツールの画面上部にあるGeminiのアイコンをクリックします。
サイドパネルが開いてGeminiと対話ができる状態となります。ここでは通常のGeminiと対話する時と同じように、自由な対話をすることも可能ですが、やはり各ツールとそのデータを直接参照した使い方ができる点が、大きな特徴といえるでしょう。
Gmailやドキュメント、スプレッドシートでの活用
例えばGmailの場合ですと、対話しながら特定のメールを検索したり、長いスレッドを要約したり、返信する内容の候補を提示したりしてくれます。
また、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートの場合、サイドパネルでGeminiを呼び出すだけでファイルの内容を要約した概要を確認することができますし、ファイルの内容を参照してタイトルを考えたり、リライトの候補を提示したりすることも可能です。
さらにGoogleスプレッドシートでは、具体的な指示をすることで表のひな形を作成することも可能。テキストで指示をするだけで新しい内容を作成したり、既存のファイル内容をブラッシュアップしたりできるのは非常に便利です。
もちろん、現状提供されているのはあくまでα版ということもあって、誤った結果を返したり、想定とは異なるデータを参照するなどして、思うような結果が返ってこないケースもあるようです。
また、ツールによっては英語版で提供されていると見られるインタフェースが備わっていない場合もあるなど、まだブラッシュアップが必要と感じさせる部分は少なくありません。
しかし、それでもサイドパネルを通じてGoogle Workspaceの各ツールとGeminiを一体になることで、Geminiの活用がとてもやりやすくなったと感じるのは確かです。
日本語でGemini for Google Workspaceのフル機能が利用できない現状、お金を払って利用するハードルが高いことは確かですが、一部のメンバーに限って利用してみるなどして、その使い勝手を一度体験してみることをおすすめしたいところです。