2025年1月に、グーグルはGoogle Workspaceに「Gemini Business」を統合することを明らかにしました。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
これまで紹介してきたGeminiのサイドパネルによるさまざまな機能を利用するには、従来Google Workspaceの各エディションを契約し、なおかつ月額2260円(年間プランの場合)のGemini Businessを契約する必要があり、かなりコストがかかるというのが正直なところでした。
しかし、2025年3月17日以降は、Google Workspaceの各エディションの料金にGemini Businessが内包される形となり、別途Gemini Businessを契約する必要がなくなります。
-
グーグルは従来Google Workspaceのアドオンとして提供してきた「Gemini Business」を統合する方針を明らかにしており、月額料金は上がるが標準機能としてGemini Businessが利用できるようになる
サイドパネルによる画像生成機能の対応言語に日本語が追加
ただ、各エディションの月額料金はその分値上げされるようで、Business Starterは680円から800円に、Business Standardは1360円から1600円に、Business Plusは2040円から2500円となります(いずれも年間プランの場合)。また、Business Starterの場合、Gmail以外でサイドパネルのGeminiが使えないなど、多くの制約がある点に注意が必要でしょう。
今回の料金改変は「Geminiは必要ない」という人には値上げとなってしまうのですが、Geminiを活用したい人にとっては、Gemini Businessの機能が標準搭載されることで、より安く利用できることにもなります。それだけに、標準搭載を機としてGeminiをより積極的に活用した方がよいでしょう。
実は、その料金改定などと近いタイミングで、Google WorkspaceのGeminiに関するある発表がなされています。それはサイドパネルによる画像生成機能の対応言語が追加され、日本語でも利用できるようになったことです。
従来、Geminiのサイドパネルから画像を生成するには英語で入力する必要があり「Googleドキュメント」で使用する挿絵などを作成する際には英語でプロンプトを入力する必要がありました(第100回参照)。今回、日本語での画像生成に対応したことで、日本語で指示をすればよくなり非常に使いやすくなっています。
画像生成の方法
画像を生成するには、Google Workspaceの各ツールからGeminiのサイドパネルを呼び出した後、「○○の画像を生成して」などどプロンプトを入力し、指示をするだけです。後は数秒から数十秒ほど待てば、プロンプトの内容に沿った画像を4つ生成してくれます。
生成した画像をクリックすれば拡大して詳細を確認できますし、気に入ったものがなければ左下の「さらに生成」ボタンを押すことで、同じプロンプトに沿った別の画像を生成することも可能です。もちろんプロンプトに細かな指示をすれば、その分より詳細な内容の画像を生成してくれます。
生成AIの仕組み上、時には不自然だったり、意図とは全く異なる画像を生成したりすることもある点には注意が必要です。それでも何度か指示をしたり、生成をし直したりすることで、イメージカットなどに使う画像であれば十分なレベルのものを作成してくれる印象です。
ただGeminiには生成できない画像もあり、その代表例が人物です。人物は文化や宗教、歴史など様々な要因でセンシティブな要素も含む場合があることから、問題が生じないようあえて生成できないよう制約を加えているのでしょうが、それだけに「人物の画像を資料に用いたい」といった場合は現状、他のツールや素材集などを使って対応する必要があり、何らかの改善が求められるところです。
また、現時点で日本語では「Googleスライド」がGeminiのサイドパネルに対応していないことから、プレゼンテーションのスライドに生成した画像を活用しづらいのも難点といえます。こちらも早期の日本語対応が望まれるでしょう。