キーワードを選んでコピー&ペーストの動きをまるごと実現

スマートフォンを使っていてイラつく作業の1つが、テキストのコピー&ペーストではないだろうか。画面をロングタップすれば大抵のスマートフォンでテキストの選択が可能になるものの、狙った場所をしっかり抜き出すのが妙に難しい時がある。上下の不要なテキストも一緒に選択されてしまったり、うまく選択できたと思ってペーストすると先頭や末尾の1文字が欠けてしまったりしているといった場合だ。

さて、そんな面倒なコピー&ペーストがどんなシーンで行われるのかと言えば、検索したい時が多い。閲覧中のウェブサイトやSNS、メールに出てきたキーワードをコピーして、検索フォームにペーストするといった具合だ。この動作を指1本、1動作で完結させてくれる機能がAndroid 6.0を搭載したスマートフォンには存在する。「Now on Tap」だ。

表示画面中から固有名詞や人名などキーワードを自動検索

「Now on Tap」は、最初からAndroid 6.0を搭載していた端末ならば有効になっていることが多いが、一応設定を確認しておこう。設定はアプリ一覧にある「Google」というアプリで行う。これを起動し、左上のメニューボタンをタップする。表示されたメニューで「設定」を指定し「Now on Tap」の中でスイッチがオンになっているかどうか確認しよう。

「Google」アプリを起動してメニューで「設定」をタップ

「Now on Tap」を選択

オンになっていることを確認しよう

あとは適当なアプリを開いて、ホームボタンをロングタップするだけだ。例えば、ブラウザでニュース記事を読んでいる時に気になるキーワードが出てきたら、ホームボタンをロングタップすればよい。画面全体を認識している動きが表示された後、画面下部にカードが表示される。希望のキーワードがカードに表示されていたら「検索」をタップしてみよう。ブラウザでそのキーワードを検索した結果が表示される。

最初のカードが自分の希望していたものと違った場合、カードを上にスクロールすると下から違うカードも出てくる。基本的には固有名詞や地名、人名といったものがキーワードとして認識されるようだ。「検索」以外にもカードにはいろいろなボタンが表示されるが、TwitterやFacebookはその団体や人物のアカウントを表示してくれる。YouTubeがインストールされている時は、関連動画が1タッチで再生できるということになる。

ブラウザで表示中の文章からキーワードを自動ピックアップしたカードが表示される

「検索」ボタンのタップで、キーワードの検索結果を表示

カードは複数のものが提示される

スポット名から地図を、地域名から天気を探せる便利さ

知らないことを調べたいという時以上に便利なのが、場所にまつわる情報を探す時だ。観光地や店舗を検索していて、正確な場所がわからない時に「Now on Tap」を起動してみよう。地名やスポット名は高確率でピックアップされ、カードに「マップ」や「発信」というボタンが表示される。

「発信」は電話をかけるボタンで、問い合わせや予約が簡単に行える。「マップ」はGoogleマップで検索してくれるわけだが、目的地がしっかりと地図上でマークされた状態が1タッチで出てくるのだから便利だ。音声入力と組み合わせて、移動中などのちょっとした隙間に利用するのも使いやすい。

スポット名が見つかると「マップ」や「発信」といったボタンが登場

「マップ」ではスポット検索した結果を簡単に見ることができる

「Now on Tap」はブラウザだけでなく、SNSなどのアプリでも幅広く利用可能だ。また、キーワードから動画を探せるように、YouTubeのアプリで「Now on Tap」を利用すると、関連する地名なども簡単に探せる。天気予報アプリがあれば、地域名が見つかった時に天気を1タップで引き出すことも可能だ。インストールしてあるアプリによって出てくる情報も変化するから、いろいろと使ってみるとよいだろう。

ブラウザ以外のアプリからも利用可能、表示されるボタンはインストールアプリによって変化する

この「Now on Tap」、Android 6.0で新たに提供された機能であるため、一部のAndroid 5.0以前の端末からアップグレードした場合、ホームボタンのロングタップに別の独自機能が割り当てられている可能性がある。その場合、端末の独自設定でボタンの割り当てをコントロールする設定がないtpうまく利用できないこともある。設定をしても上手に使えない場合は、機種名などを添えて解決方法がないか検索してみてほしい。