前回、前々回と、Gmailのアーカイブ機能を使ってバックアップし、それを活用するための方法を説明してきました。アーカイブ機能を使ったバックアップはWindows、Macを問わず利用できる上、Googleの標準機能を使っていることから、安心で確実なのですが、一方でバックアップしたメールの内容を参照したり、アーカイブをGmailにインポートしたりするには別のアプリを経由しなければならないなど、何かと手間がかかってしまうのが難点です。
そこで今回は、専用のアプリを使うことで、もっと簡単にGmailのバックアップをとる方法を紹介しましょう。アプリはWindows、Macそれぞれのプラットフォームによって異なりますが、アーカイブを用いた方法よりはるかに簡単にバックアップを取ることができるので非常に便利です。
Windows向けのGmailバックアップアプリの1つとして挙げられるのが「Upsafe Gmail Backup」(https://www.upsafe.com/free-gmail-backup/)というフリーウェアです。このアプリを使うと、Gmailに保存されたメールを簡単な操作でバックアップすることができます。
使い方も簡単で、Googleにログインしてアカウントを登録した後、「Start Backup」をクリックするだけでバックアップを取ることができます。1回目は、すべてのメールをバックアップするため時間がかかりますが、2回目以降は差分のみのバックアップとなるため時間がかかりません。また、バックアップを保存する先のフォルダも、好みの場所に変更可能です。
Upsafe Gmail Backupには、さらにバックアップしたメールの内容を閲覧する機能も備わっているので、別途メールアプリを用意することなく、メールの中身を参照できるのも大きなポイントといえるでしょう。さらに、閲覧ツール上からメールを選んで右クリックし、「Restore message(s)」を選ぶことで、選んだメールだけをGmailに復元できるというのも便利です。
一方、Mac用のGmailバックアップアプリとして挙げられるのが「BackUp Gmail」というアプリです。こちらもGmailのバックアップに特化しており、簡単に利用できるのが大きな特徴となっています。なお、BackUp GmailはMacのApp Storeで配信されており、価格は1080円です。
こちらも使い方は簡単で、メニューバーから「Open Preference」を選んでGmailアカウント、そしてバックアップ用のフォルダを選択した後、メニューバーから「Make backup now」を選ぶだけでバックアップしてくれます。
スケジュール機能が付いていることから、Gmailのバックアップを定期的に取ることも可能ですし、バックアップをGmailに復元するのもメニューバーから「Open Utility」を選ぶことで簡単にできます。
これだけ便利なアプリによるGmailのバックアップ方法ですが、弱点もあることを忘れてはなりません。と言うのもGoogle標準のツールではないため、Gmail側に何らかの変更がなされてしまうと、使えなくなってしまう可能性があるのです。
Gmailはセキュリティ強化のため新しい機能や仕組みを追加することがあるのですが、その新しいセキュリティの仕組みにアプリ側が対応できなくなると、アプリがGmailにアクセスできず、バックアップができなくなってしまうケースが時折発生してしまいます。
もちろん、アプリ開発者の側がそうした変化に継続的に対応してくれれば問題はないのですが、オンラインアプリは途中で開発を止めてしまうケースもこともあることから、安心はできません。
実際、かつてWindows向けGmailバックアップアプリの定番だった「Gmail Backup」は、最後のアップデートからかなりの年数が経ってしまっており、新しいセキュリティの仕組みに対応できなくなったことから、Gmailとの通信時にエラーが発生して上手くバックアップができないケースが発生するなど、動作が不安定になってしまっているようです。
Gmailは常に進化を続けているだけに、こうしたアプリを長く利用する上では一定のリスクがあることを、忘れないようにしましょう。