手のひらサイズのクリエイションツール(8) 効率的にアイディアを管理する、クリエイター必須アプリ「iThoughts」

物作りに欠かせない"アイディア"。そのアイディアをいかに効率的に管理するかは、日頃から創作活動を行っているクリエイターにとって、非常に重要なテーマである。今回は、アイディアや企画をiPhone/iPod touchで練るための高機能なマインドマップツール「iThoughts」を紹介してみたい。

iThoughts以外にも多くのマインドマップツールが、App Storeで販売されている

マインドマップとは、閃いたアイディアを実際にフローチャートに似た"マップ"として書き出し、目に見えるようにして、自分の考えや発想をお互いに関連付け、整理をしやすくする思考技術。そうすることにより、より自分の発想力・記憶力を高めてくれる。iThoughtsは、そんなマインドマップの本格的編集や共有を、iPhone/iPod touch1台でおこなえるアプリケーションとなっている。

本アプリを起動すると、マインドマップのリスト「Maps」画面が表示される。基本的な操作は非常に簡単で、まず「＋」ボタンをタップし新規マップを作成する。各マップは、マップ名やアイコン、背景の設定などを行えるようになっている。また、マップ名として設定したものが、初期マップ中央の「セントラルアイデア」としても自動的に表示される。マインドマップでは、ピンチによる拡大縮小、回転表示のほか、移動/カット/コピー/ベースにも対応する。


初期マップ画面(左)とマップの設定画面(中央)。画面中央に表示されているセントラルアイデア/テーマとよばれるイメージ(右)を中心にして、アイディアを構成していく

マップ画面上部には、「マップリストに戻る」、「新規兄弟トピックの作成」、「新規子トピックの作成」、「共有設定」ボタンなどが配置される。これらボタン群は、自動的に隠れる設定となっており、限られた画面を有効に活用することができる。なお、ボタンは本体をシェイクしたり、画面をタップすることで表示することも可能だ。また、作成したセントラルアイデアおよびトピックは、それぞれをダブルタップすることで詳細設定を行える。タイトル(複数行可)のほか、ノート(url含む)、アイコン(2種類まで)、トピックの形と色、進行状況、日程なども設定可能となっている。


セントラルアイデアに新しいトピックを追加して、閃いたアイディアや要素を自由に繋げていく	各トピック表示をダブルタップすれば、「詳細設定」画面を表示し、該当するトピックに関する設定ができる。多彩なアイコンは、1トピックにつき最大2個まで


「－」アイコンをタップすることで、トピックの表示/非表示、階層毎の表示などを行える。全体表示の最適化は「Show All」ボタンをタップする

iThoughtsの魅力は、iPhone/iPod touchでマインドマップを手軽に作成できるだけでなく、多様なファイル共有方法や高い互換性などにもある。作成したマインドマップは、Eメール(添付書類)としての送付できることは当然のこと、オンラインコラボレーションサービス「box.net」や無線LAN(Webブラウザ)によるファイル共有にも対応しているので、複数のクリエイターがマインドマップを共有したり編集するといった作業も簡単に実現できる。


左からメニュー、Wi-Fi、box.net、メール画面。マップリスト画面左下の「Transfer」ボタンをタップし、Wi-Fi、box.netなどを使ってデータ共有できる。なお、メール添付については、各マップ内のメールアイコンから行う

さらに、対応ファイルフォーマットは、Freemind、MindManager、Novamind、XMind、iMindMap、OPMLなど、非常に多くの一般的なアウトラインプロセッサやマインドマップツールをサポートしており、Mac/Windows/LinuxなどOSを選ばず、コンピュータとの連携も非常にスムーズだ。


オープンソースの無料マインドマップツール「FreeMind」で作成したファイルを、iThoughts(横画面対応)に読み込んでみた。ファイル出力時は互換設定にも注意

iThoughtsおよびマインドマップを活用すれば、移動中や出先などでも思いついたアイディアを効率的に整理することができ、さらに新たな着想や解決策を得るのにも役立ってくれるはずだ。また、単なるアイディアのメモにとどまらず、iPhone/iPod touchでのタスク管理や、クリエイター間のブレインストーミングの素材としても最適なツールといえるだろう。アイディアが上手くまとまらず困っている方にこそ、ぜひともiThoughtsでクリエイティブな物作りにぜひチャレンジしていただきたい。