Copilot in WindowsはWindows 11およびWindows 10の特定のバージョンで使用できる。Windows 11の方が対応が早く、Windows 10は使える機能やエディションが限定されている。この機能を使うには対応したバージョンにWindowsをアップデートする必要があり、条件を満たしていれば自動的に使えるようになる。まずはCopilot in Windowsが使用できることを確認しよう。

連載「Copilot in Windowsを使ってみよう」のこれまでの回はこちらを参照

Copilot in Windowsのインストール方法(Windows 11)

Microsoftは2023年9月26日(米国時間)からWindows 11向けに「Copilot in Windows」の配信を開始した。Copilot in WindowsはWindowsをアップデートすると自動的にインストールされる仕組みになっている。(参考「最もパーソナルな Windows 11 体験を本日より提供開始 - News Center Japan」)

  • Copilot in Windowsが有効になったWindows 11

    Copilot in Windowsが有効になったWindows 11

  • Copilot in Windowsを開いた状態

    Copilot in Windowsを開いた状態

次のバージョン以降を使っている場合には、2023年9月26日以降のアップデートの適用で「Copilot in Windows」の配信が行われる。

  • Windows 11, version 22H2
  • 設定アプリケーション:「システム」→「バージョン情報」

    設定アプリケーション:「システム」→「バージョン情報」

使っているWindows 11のバージョンは設定アプリケーションから「システム」→「バージョン情報」→「Windowsの仕様」→「バージョン」で確認することができる。該当バージョン以降のWindows 11を使っている場合、執筆時点ではすでに多くのユーザでCopilot in Windowsの機能が使えるようになっている。タスクバーにCopilotのアイコンが表示されていば機能が導入された状態だ。

  • 設定アプリケーション:「個人用設定」→「タスクバー」

    設定アプリケーション:「個人用設定」→「タスクバー」

タスクバーにCopilotのアイコンが表示されていない場合、設定アプリケーションから「個人用設定」→「タスクバー」→「Copilot(プレビュー)」という項目を確認する。この項目が「オフ」になっている場合には「オン」に変更する。

Copilot in Windowsのインストール方法(Windows 10)

Microsoftは2023年12月からWindows 10に対しても「Copilot in Windows」の配信を開始した。当初はWindows 11のみの機能になる可能性も指摘されていたが、MicrosoftはWindows 11とWindows 10の双方に対して機能を提供することにした。(参考「Releasing Windows 10 Build 19045.3757 to Release Preview Channel | Windows Insider Blog」)

執筆時点では次のバージョン以降のWindows 10がCopilot in Windowsの配信対象となっている。

  • Windows 10, version 22H2 Pro
  • Windows 10, version 22H2 Home

配信は段階的に行われると説明されている。上記以外のエディションへの配信は今後の動向を見る必要がある。

なお、執筆時点ではWindows 10に導入されたCopilot in WindowsはWindows 11に導入されたCopilot in Windowsとは同等ではなく、Windows 11で使用できるいくつかの利用は利用することができない。Windows 11で導入された機能は徐々にWindows 10に反映するとされている。(参考「Copilot coming to Windows 10 | Windows IT Pro Blog」)

ただし、Windows 10のCopilot in Windowsが最終的にどこまでWindows 11と同等の機能を備えることになるかは不透明だ。Microsoftは2025年10月14日にWindows 10のサポートを終了する。このため、新機能に相当するCopilot in Windowsの機能がどの程度Windows 10にマージされていくかは今後の動向を見る必要がある。しかし、MicrosoftはCopilotの普及にかなり積極的な姿勢を見せていることから、Windows 10のCopilot in Windowsに対しても相応の機能がマージされるものと考えられる。

Bing Chat

「Copilot in Windows」はAIアシスタントやスマートアシスタント、インテリジェントアシスタントなどと呼ばれる機能の1つだ。そもそもこれがどういったものであるかは、「ChatGPT」のようなものだと考えるとわかりやすい。

ChatGPTはインターネットを通じて大量の文章を学習し、その学習結果から人間らしいやりとりを行うことができるサービスだ。日本語などの自然言語で質問を行うと、それに対する回答がかなり自然な文章として提示される。複数の自然言語に対応していて翻訳も行うことができる。インターネットを使いこなすマルチリンガルな有能な秘書がそこにいるというイメージだ。

MicrosoftはChatGPTと同じ技術をベースとして「Bing Chat」と呼ばれるサービスを提供している。ChatGPTのMicrosoft版のようなものだと捉えるとわかりやすい。このサービスはWebブラウザからアクセスすることができる。

  • Google ChromeでBing Chatにアクセスしたところ

    Google ChromeでBing Chatにアクセスしたところ

Bing Chatも、ChatGPTのように質問を入力すると回答を示してくれる。次のスクリーンショットはBing Chatに「寝起きに体を温める飲み物を摂りたいと考えています。おすすめの飲み物を教えてください。」を聞いたときの様子だ。

  • Bing Chatの使用サンプル

    Bing Chatの使用サンプル

MicrosoftはこのBing Chatの機能をMicrosoftのオフィシャルブラウザであるMicrosoft Edgeに統合した。現在はMicrosoft Edgeのサイドバーに「Copilotボタン」が配置されており、このボタンをクリックすることでBing Chatの機能にアクセスできるようになっている。

  • Microsoft Edgeのサイドバー上部にCopilotボタン

    Microsoft Edgeのサイドバー上部にCopilotボタン

  • Copilotボタンを押すとCopilotパネルが表示される

    Copilotボタンを押すとCopilotパネルが表示される

CopilotパネルからBing Chatのように質問を行うことができる。

  • CopilotパネルでBing Chatのように質問して回答を得ることができる

    CopilotパネルでBing Chatのように質問して回答を得ることができる

MicrosoftはWindowsにCopilot in Windowsを導入する以前から、Microsoft Edgeにこの機能を導入している。

Copilot in Windows

Copilot in Windowsは「Microsoft EdgeのCopilotパネルが独立してWindowsのネイティブなパネルとして表示されるようになったもの」と考えるとわかりやすい。タスクバーに表示されるCopilotアイコンをクリックするか、「Windows」+「C」キーを押すことでCopilotパネルの表示と非表示を切り替えることができる。

  • Copilot in Windowsを表示した状態のWindows

    Copilot in Windowsを表示した状態のWindows

このためBing ChatやChatGPTと同じように何らかの質問をして応答を得るといった用途にまずは使うことができる。次のスクリーンショットはCopilot in Windowsで「今夜はとても寒いです。夕食でなにか体が温まる飲み物が欲しいと思っています。おすすめを教えてください。」と入力した結果を示している。

  • Copilot in Windowsで質問をした結果のサンプル

    Copilot in Windowsで質問をした結果のサンプル

このように、Copilot in WindowsはWebブラウザからBing ChatやChatGPTを使う処理を行う専用のダイアログやパネルのようなものだと考えておくと良いだろう。こうしたBing Chatの機能に加えて、Windowsそのものの設定を変更したり操作する機能が統合されたものということになる。

Copilot in Windowsはこれから発展する機能

質問に答えたり画像を生成したりという処理ではなく、Windowsの設定を変更したりWindows系の処理を行うという点に関してはCopilot in Windowsはまだプレビューという段階だ。これからユーザのフィードバックを得てよく使われる機能をCopilot in Windowsから簡単に操作できるように調整が行われていくことが予測される。

本連載ではCopilot in Windowsで使えるBing Chat的な使い方から、Windowsに特化した使い方までを取り上げていく。まずはCopilot in Windowsに対応したバージョンにアップデートし、実際にCopilot in Windowsでいろいろな質問をして感触をつかんでもらえればと思う。

付録: ショートカットキー

ショートカットキー 内容
「Windows」+「C」 Copilot in Windowsの表示・非表示を切り替え

付録: 対応バージョン

OS バージョン
Windows 11 Windows 11, version 22H2以降
Windows 10 Windows 10, version 22H2以降のProおよびHome

参考