Google Chromeには、「リーディングモード」と呼ばれるテキストを読むことに特化したモードが用意されている。現在はサイドパネルに統合されているので、リーディングリストやブックマークと同じ位置に表示される。今回は、賛否がわかれやすいこの機能を取り上げる。
連載「Google Chrome徹底解説 - フル機能を使い倒そう」のこれまでの回はこちらを参照。
「読む」ための特化機能「リーディングモード」
Google Chromeのサイドパネルには、「リーディングモード」という機能が用意されている。この機能はその名の通り、「読む専用モード」だ。表示したWebページからテキストのメインコンテンツのみを抽出し、それだけを読むための表示を行う機能となっている。
例えば、次のスクリーンショットを見てみよう。このように、Webページを開いた状態でサイドパネルアイコンをクリックする。
サイドパネルから「リーディングモード」を選択すると、次のように読む専用のパネルが表示される。Webページから装飾や画像などが消え、テキストのみが表示された状態だ。この状態は読むことに特化しているので「リーディングモード」と呼ばれる。
リーディングモードではフォントのタイプ(セリフ、サンセリフ)、フォントサイズ、前景色と背景色、行間、文字間を調整することができる。この調整によってその人に読みやすい状態を実現できるとされている。
この機能は、リーディングモードの状態で読みたいユーザーにとってはどんぴしゃの機能となる。特にニュースサイトなどは広告が多いので、そうした表示を抜いてコンテンツを集中的に読みたいという用途に向いている。
懸念(1) リーディングモードを使わなくても読みやすい
デスクトップとモバイルでは状況が異なる。デスクトップでは、本来の表示のままでも読みやすいWebページは多い。例えば、先ほどの米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA: Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)のWebページは、リーディングモードにしなくても十分に読みやすい。
Webページの読みやすさはそのページの価値につながるので、わざわざ読みにくいデザインにしようとすることは少ない。このため、デスクトップでGoogle Chromeを使っている場合、そもそもリーディングモードが必須となる状況は少ないだろう。そうなると、この機能はあるだけ邪魔ということになる。
懸念(2) 情報量が減る
リーディングモードにすると、画像も表示されなくなる。次のWebページを見てみよう。
このWebページの内容は、掲載されているコードのサンプルを読むことで理解が早まる。しかし、これをリーディングモードで表示すると次のようになる。
リーディングモードにはコードのサンプルは掲載されていない。これだと、リーディングモードで読むと逆に内容が理解しにくくなる。図や写真などが情報を持っている場合、リーディングモードにすると逆に理解を阻害する事になりかねない。
懸念(3) そもそもリーディングモードが機能しない
リーディングモードはすべてのWebページに適用できるわけではない。例えば、次のWebページをリーディングモードで読みたいとする。
リーディングモードを表示すると次のように表示される。
このように、リーディングモードはすべてのWebページで表示されるわけではない。また、使っている状況によって、同じWebページや同じコンテンツであってもリーディングモードで表示できる場合と表示できない場合がある。開くごとにリーディングモードが使えないと表示されると、いずれこの機能を使わなくなってしまう。