スタイルを利用するときに、少し気になるのが「スタイルの並び順」だ。そこで今回は、スタイルの並び順をカスタマイズする方法を紹介していこう。そのほか、「スタイル名の重複」や「スタイルが保存される場所」についても言及しておく。スタイルを便利に活用できるように、これらの知識も身につけておくとよい。
スタイル名の変更による並べ替え
前回は、必要なスタイルだけを「スタイル」ウィンドウに表示する方法を紹介した。ただし、「スタイルの並び順が気になる……」という人もいるだろう。たとえば、以下の図に示した例の場合、「小見出し」→「大見出し」→「中見出し」という順番で各スタイルが並べられている。
几帳面な人は、これを「大見出し」→「中見出し」→「小見出し」の順番に並べ替えたいと思うはずだ。そこで、スタイルの並び順を変更する方法をいくつか紹介しておこう。
まずは「スタイル名の変更」により順番を並べ替える方法だ。各スタイルは「スタイル名の文字コード順」に並べられる仕組みになっている。よって、スタイル名の先頭に「01、02、03、……」などの数字を追加してやると、スタイルを好きな順番に並べ替えることが可能となる。
先ほど示した図を例に、具体的な手順を示していこう。「大見出し」のスタイルにマウスを移動し、右端に表示される「v」ボタンから「変更」を選択する。
スタイルの編集画面が表示されるので、名前の先頭に「並び順を示す数字」を追加する。今回の例ではアンダーバーも加えて、「01_」を名前の先頭に追加した。
「OK」ボタンをクリックするとスタイル名が変更され、「01_大見出し」のスタイルが1番目に表示されるようになる。
同様の手順で各スタイルの名前を変更していくと、「先頭に付けた数字」の順番にスタイルを並べ替えられる。これで各スタイルを「大見出し」→「中見出し」→「小見出し」の順番に並べ替えることが可能となる。
各スタイルの先頭に付ける数字は、必ずしも連番でなくても構わない。上図のように、0番代は「見出し用のスタイル」、10番台は「段落用のスタイル」、20番台は「文字スタイル」といった感じでスタイルを分類しておくと、新しいスタイルを作成したときにも柔軟に対応できるようになる。
なお、この方法でスタイルを並べ替えた場合は、「標準」のスタイルが「文字スタイル」の上に配置される。「標準」はWindowsに初めから用意されている、特別な役割を持つスタイルなので、このスタイルだけは名前を変更しないまま使うのが基本だ。念のため、注意しておこう。
優先度の変更による並べ替え
先ほど示した方法は手軽に並び順を変更できるのが利点となるが、数字の追加によりスタイル名を読み取りにくくなってしまうのが弱点といえる。そこで「優先度」を変更してスタイルを並べ替える方法も紹介しておこう。「スタイル」ウィンドウにある「スタイルの管理」ボタンをクリックする。
スタイルの管理画面が表示されるので「推奨」タブを選択する。この画面をよく見ると、各スタイルの左端に「1」や「2」、「10」といった数値が表示されているのを確認できるはずだ。これらの数値は、各スタイルの「優先度」を示している。
各スタイルは、この「優先度」を基準に並べられる仕組みになっている。優先度が同じ場合は、スタイル名の文字コード順に各スタイルが並べ替えられる。この仕組みを応用したのが、先ほど示した「スタイル名を変更する方法」となる。一方、これから紹介する方法は「優先度の変更」により並び順を指定する方法となる。
ここでは「標準」のスタイルを1番目に表示し、その後に「大見出し」→「中見出し」→「小見出し」の順番でスタイルを並べていく場合を例に操作手順を解説していこう。「大見出し」のスタイルを選択し、「値の割り当て」ボタンをクリックする。
以下のような画面が表示され、選択したスタイルの優先度を自由に変更できるようになる。今回の例では「大見出し」を2番目に並べたいので、優先度を「2」に変更してから「OK」ボタンをクリックする。
「大見出し」の優先度が「2」に変更され、それに応じてスタイルの並び順も更新される。
そのほか、「上へ」や「下へ」のボタンを使って優先度を変更することも可能となっている。たとえば、「大見出し」のスタイルを選択した状態で「下へ」ボタンをクリックすると、「大見出し」の優先度が1つ下がり、「1」→「2」に変更することができる。
さらに「下へ」ボタンをクリックして、優先度を「2」→「3」→「4」と変更していくことも可能だ。
同様の操作を繰り返して、各スタイルの優先度を変更していくと、スタイルの並び順を自由にカスタマイズできる。なお、グレーで表示されているスタイルは「一覧に表示されないスタイル」なので、この部分は優先度の数値が重複していても構わない。
「OK」ボタンをクリックすると設定変更が反映され、優先度の順番にスタイルが並べ替えられる。このように優先度を変更することにより、スタイルの並び順をカスタマイズする方法もある。あわせて覚えておくとよいだろう。
スタイルの表示/非表示について
ここからは、スタイルに関連する補足事項をいくつか紹介していこう。まずは、各スタイルの表示/非表示に関する設定だ。各スタイルの表示/非表示は、以下の図に示した3つのボタンで指定できるようになっている。
たとえば、不要なスタイルを非表示にしたいときは、そのスタイルを選択した状態で「表示しない」ボタンをクリックすればよい。逆に、非表示に設定されているスタイルを再表示するときは「表示」ボタンをクリックすればよい。
少し不可解なのが「使用するまで表示しない」というボタンも用意されていることだ。これは「そのスタイルを使用するまでは表示しないが、一度使用した後は表示する」という設定になる。
このように中途半端な設定が用意されているのは、Wordに膨大な数のスタイルが初期登録されていることが原因だ。つまり、「一覧には表示されていないが、実際には存在している」というスタイルが沢山あることになる。
これらのスタイルをすべて表示すると100個以上のスタイルが一覧に並ぶことになり、目的のスタイルを探し出すのが困難になってしまう。この対策用に「使用するまでは表示しない」という設定が用意されている。
なお、表示されていないスタイルは使用できないため、「このままでは永遠に表示されないのでは?」と疑問を抱く人もいるだろう。確かに、その通りだ。
「使用するまでは表示しない」は、低レベルの見出し/目次/表などのスタイルに設定されている。これらのスタイルは自分で適用しなくても、Wordの機能を利用した際に自動的に適用されるケースがある。そして、その時点で「使用された」と見なされ、一覧にスタイルが表示される仕組みになっている。少し難しい話になるが、念のため覚えておくとよいだろう。
スタイル名の重複について
続いては、スタイル名の重複について補足しておこう。以下の図は「ヘッダー」という名前で新しいスタイルを作成しようとした例だ。
「OK」ボタンをクリックすると、「このスタイル名はすでに存在するか、組み込みスタイル名です。」という警告が表示され、スタイルの作成がキャンセルされてしまう。
この警告は、すでに同じ名前のスタイルが存在していることを示している。先ほども述べたように、Wordには「表示されていないスタイル」が数多く存在している。つまり、既存のスタイルと名前が重複しているため新しいスタイルを作成できない、という状況になる。
スタイルの設定画面を開いて一覧を下へスクロールしていくと、「ヘッダー」というスタイルがすでに存在していることを確認できる。このスタイルは(常に表示しない)に設定されているため、スタイルの一覧には表示されていない。しかし、内部では確実に存在している。
そのほか、表内で使用されるスタイルなど、Wordには相当な数のスタイルが初期登録されている。これらのスタイルと名前が重複している場合も、新しいスタイルの作成はキャンセルされてしまう。このような問題を回避するには、既存のスタイルと重複しないように名前を変更してから「OK」ボタンをクリックしなければならない。
スタイルはどこに保存される?
最後に、「スタイルが保存される場所」について補足しておこう。スタイルは、それぞれの文書を対象にした機能となる。Word本体の設定を変更する機能ではない。よって、スタイルに関連する設定は、それぞれの文書ファイル(docxファイル)に保存される仕組みになっている。各スタイルの表示/非表示なども同様だ。
このため、「自分で作成したスタイル」や「表示/非表示の設定」は、それを設定した文書ファイルを開いたときのみ有効になる。
一方、新しい文書(白紙の文書)を作成したときは、「Wordに初めから用意されているスタイル」だけが一覧表示される。以前に作成したスタイルなどは引き継がれない。
スタイルを利用するときは、このような仕様についても必ず覚えておく必要がある。スタイルの設定が有効になるのは、あくまで「現在の文書」だけであり、「他の文書」に影響を及ぼすことはない。この部分を勘違いしないように注意しておこう。
次回はスタイルを「他の文書」からインポートするときの操作手順を紹介していく。





















