Chromeのホーム画面には、よく利用するWebサイトへのリンク(ショートカット)が配置されている。ただし、「これだけでは足りない……」という方も多いだろう。そこで今回は、Chromeのホーム画面をブックマークのように扱える拡張機能「Speed Dial 2」と「Speed Dial FVD」を比較・検証していこう。

似たような名前の異なる拡張機能

今回は「Speed Dial 2」と「Speed Dial FVD」という2つの拡張機能を比較・検証していこう。どちらも「Speed Dial」という名称になっているが、「Speed Dial FVD」の後継が「Speed Dial 2」になった、と考えるのは大きな間違いだ。それぞれ開発者が異なる、まったく別物の拡張機能である。

  • 「Speed Dial 2」vs「Speed Dial FVD」

まずは、拡張機能の概要から紹介していこう。特に設定を変更していない場合、Chromeを起動すると、以下の図のような画面が表示されるはずだ。「新しいタブ」を開いたときも同様である。本稿では、この画面のことを「ホーム画面」と呼んで話を進めていく。

  • 通常のホーム画面

このホーム画面を「サムネイル付きのリンク集」に変更してくれる拡張機能が「Speed Dial 2」となる。「Speed Dial 2」をChromeに追加すると、ホーム画面を以下の図のようにカスタマイズすることが可能となる。

  • 「Speed Dial 2」のホーム画面

もう一方の「Speed Dial FVD」も、ほぼ同様の機能を提供してくれる拡張機能となる。こちらをChromeに追加した場合は、以下の図のような形でホーム画面が表示されるようになる。

  • 「Speed Dial FVD」のホーム画面

「Speed Dial 2」の追加手順

まずは「Speed Dial 2」の使い方から紹介していこう。拡張機能の追加手順はいつもと同じ。「Speed Dial 2」の紹介ページを開き、右上にある「Chromeに追加」をクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックするとインストールが完了する。

  • 「Speed Dial 2」の紹介ページ

「Speed Dial 2」をインストールすると、以下の図のような画面が表示される。ここには、最近の履歴をもとに「お勧めのWebサイト」(よく利用するWebページ)がいくつか表示されている。この中から「ホーム画面に追加したいWebサイト」だけをチェックし、「続ける」ボタンをクリックする。

  • ホーム画面に追加するWebサイトの選択

続いて、背景画像を選択する。一覧の中から好きな画像を選択し、「続ける」ボタンをクリックする。

  • テーマの選択

ホーム画面が「Speed Dial 2」に変更され、先ほど選択したWebサイトへのリンクがサムネイル形式で表示される。

  • 「Speed Dial 2」に変更されたホーム画面

以上で準備作業は完了。続いては、それぞれのリンクを編集したり、ホーム画面にリンクを追加/削除したりするときの操作手順を紹介していこう。

「Speed Dial 2」の基本的な使い方

「Speed Dial 2」の導入時に登録したリンクの「タイトル」や「サムネイル」(ロゴ画像)を変更したい場合もあるだろう。この場合は、そのリンクを右クリックして「編集」を選択すればよい。

  • 編集画面の表示

すると、以下の図のような画面が表示され、「URL」、「タイトル」、「サムネイルの表示方法」を変更できるようになる。サムネイルを「Webサイトの画面キャプチャ」に変更したいときは、「Page capture」を選択して「保存」ボタンをクリックすればよい。

  • タイトル、サムネイルの変更

続いては、ホーム画面に「新しいリンク」を追加するときの操作手順を紹介していこう。現在、表示しているWebサイト(Webページ)をホーム画面に追加するときは、ツールバーにある「Speed Dial 2」のアイコンをクリックすればよい(※)。続いて、保存先(グループ)を選択する。現時点ではまだグループを作成していないので、とりあえず「ホーム」を選択しておけばよい。

※ツールバーに「Speed Dial 2」を固定していない場合は、拡張機能のアイコンをクリックして「Speed Dial 2」を選択する。

  • 現在のページを追加する操作

すると、Webサイトの「画面キャプチャ」が自動的に撮影され、それをサムネイルにしたリンクがホーム画面に追加登録される。このサムネイルを「ロゴ画像」に変更したいときは、先ほど示した手順でリンクの編集を行えばよい。以降も、同様の手順で必要なリンクをホーム画面に追加していけばよい。

そのほか、ホーム画面にある「+」アイコンをクリックして「新しいリンク」を追加することも可能となっている。

  • リンクの追加(1)

この場合は「URL」と「タイトル」を自分で入力してリンクを作成する形になる。また、この画面に一覧表示されているWebサイトをクリックして、そのリンクをホーム画面に追加する方法も用意されている。

  • リンクの追加(2)

もちろん、不要になったリンクを削除することも可能だ。この場合は、リンクを右クリックして「削除」を選択すればよい。リンクの一括削除にも対応している。この場合は、いずれかのリンクの上にマウスを乗せて2~3秒ほど待つ。すると、左上にチェックボックスが表示されるので、不要なリンクのチェックボックスをすべてONにしてから、画面右上にある「削除」ボタンをクリックすればよい。

  • リンクの削除

最後に、リンクの並べ替えについて紹介してこう。この操作は、リンクを並べ替えたい位置へドラッグ&ドロップするだけ。これでリンクの並び順を変更できる。

  • リンクの並べ替え

以上が「Speed Dial 2」の基本操作となる。特に変わった点は見当たらないので、パソコンに慣れている方なら、すぐに使い方を覚えられるだろう。

「Speed Dial 2」の特長は、サムネイルとなる「ロゴ画像」や「Webサイトの画面キャプチャ」をスムーズに取得できること。URLを入力するだけで最適な「ロゴ画像」を自動取得してくれるし、「Webサイトの画面キャプチャ」も全自動かつ高速である。変な癖がなく、とても使いやすい拡張機能といえるだろう。

登録したリンクをグループに分類

それぞれのリンクを「グループ」に分類して管理する機能も用意されている。リンクの数が増えてきたら、この機能を上手に活用していくとよい。グループを作成するときは、ホーム画面の余白を右クリックして「新規グループを作成」を選択する。

  • グループの作成(1)

あとは、好きなグループ名を入力して「保存」ボタンをクリックするだけ。これで「新しいグループ」を作成できる。

  • グループの作成(2)

画面上部にグループの一覧が表示される。ここをクリックすると、ホーム画面に表示するグループを切り替えられる。既存のリンクを別のグループへ移動したいときは、そのリンクをグループ名の上へドラッグ&ドロップすればよい。

  • 既存のリンクをグループに分類する操作

そのほか、リンクの作成時に「保存先のグループ」を指定することも可能となっている。先ほど紹介した手順では保存先に「ホーム」を選択したが、ここで「グループ名」を選択して好きなグループにリンクを追加登録してもよい。

「Speed Dial 2」の設定変更

最後に、「Speed Dial 2」の設定画面について簡単に紹介しておこう。設定画面を表示するときは、右上にある「メニュー」のアイコンをクリックする。

  • 設定画面の呼び出し

すると、以下の図のような設定画面が表示される。「一般設定」の分類には、テーマの色、列の数、ブックマークの間隔(リンクの間隔)、幅など、リンクの配置に関連する設定項目が用意されている。

  • 一般設定

リンクの数が多い場合は「列の数」を5列や6列などに変更するとよい。サムネイルのサイズは小さくなるが、より多くのリンクをホーム画面に配置できるようになる。

  • 「列の数」を5列にした場合

「テーマ」の分類には、ライト/ダークの切り替え、背景画像の変更、ブックマーク(リンク)を構成する要素の色、などを変更できる設定項目が並んでいる。ここに表示されている背景画像をクリックすると、背景を別の画像に変更できる。

  • テーマの設定画面

「ブックマーク」の分類には、リンクの並び順、タイトルや閲覧回数の表示/非表示、タイトルの配置方法、角の丸み、余白、といった設定項目が用意されている。これらは各自の好みに応じてカスタマイズすればよい。

  • ブックマークの設定画面

「グループ」の分類には、グループの並び順、各グループの表示/非表示など、グループを管理するための設定項目が用意されている。

そのほか、サイドバーを表示する機能も用意されている。その有効/無効を切り替えるのが「サイドバー」の分類となる。ここで、いずれかの項目をONにするとサイドバーが有効になり、ウィンドウの右端にマウスを移動したときに「最近閉じたタブ」や「Chromeのブックマーク」を一覧表示できるようになる。

  • サイドバーの設定画面

以上が「Speed Dial 2」の概要&使い方となる。総じて、「シンプルながらも使い勝手のよい拡張機能」というのが初めて使用してみた感想だ。Chromeの拡張機能として、かなり有名な存在になっていることも納得できる。

なお、「Speed Dial 2」には有料版のProも用意されている。Proにアップグレードすると、自動バックアップ、自動同期、友人とグループを共有する、などの機能を使えるようになる。もちろん、今回、紹介した無料版の「Speed Dial 2」でもブックマークの代用としての役割は十分に果たしてくれる。

ということで、次回はもう一方の拡張機能となる「Speed Dial FVD」について、その概要や使い方を紹介していこう。