今回は、操作系の少しユニークな拡張機能として「Mouse Gestures - Power Mouse X」の使い方を紹介していこう。この拡張機能を使うと、マウスの動き(マウスジェスチャー)に応じてブラウザを自由に操作できるようになる。“操作の高速化”を目指している方は、いちど試してみるとよい。
「Power Mouse X」の追加
今回は、「マウスジェスチャー」でブラウザを操作できる拡張機能「Mouse Gestures - Power Mouse X」の使い方を紹介していこう。マウスジェスチャーとは、マウスで“特定の動作”をすることにより、さまざまな操作を実現可能にする機能のことだ。
たとえば、前のページに戻る、次のページへ進む、ページの先頭までスクロールする、新しいタブを開く、現在のタブを閉じる、Googleへ移動する、などの「あらかじめ決めておいた操作」を“マウスの動き”だけで実現する機能となる。
この手の拡張機能としては「crxMouse」が有名であるが、過去に「訪問先を自動収集するマルウェアではないか?」という疑惑があったため、ここでは「Mouse Gestures - Power Mouse X」の使い方を紹介していこう。まだまだマイナーな拡張機能ではあるが、ユニークなマウスジェスチャーとして活用できると思われる。
拡張機能の追加手順はいつもと同じ。「Mouse Gestures - Power Mouse X」の紹介ページを開き、右上にある「Chromeに追加」をクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックするとインストールが完了する。
インストール直後に以下の図のような画面が表示されるが、この画面は「Mouse Gestures - Power Mouse X」の使い方を紹介しているだけなので、そのまま閉じてしまって構わない。
なお、「Mouse Gestures - Power Mouse X」という名称は少し長すぎるので、以降は「Power Mouse X」と省略して解説を進めていこう。
初期設定されているジェスチャー
Chromeに「Power Mouse X」を追加すると、すぐにマウスジェスチャーを使用できるようになる。右ボタンを押しながらマウスを少し動かすと、以下の図のような円環が表示されるのを確認できるだろう。これがマウスジェスチャー用のインターフェイスとなる。
使い方はとっても簡単で、右ボタンを押したまま8方向にマウスを動かすだけ。最初は、マウスを動かす方向に応じて以下の操作が初期設定されている。
左:前のページに戻る
右:次のページへ進む
上:トップページへ移動
下:ページの更新
左上:「Google」のWebサイトへ移動
右上:「YouTube」のWebサイトへ移動
左下:「Power Mouse X」の使い方ページへ移動
右下:「facebook」のWebサイトへ移動
その後、マウスの右ボタンを離すと、上記に示した操作が実行される仕組みになっている。たとえば、一つ前のページへ戻りたいときは、右ボタンを押しながらマウスを「左方向」へ移動し、その後、右ボタンを離せばよい。
同様に、右ボタンを押しながらマウスを「上方向」へ移動してから右ボタンを離すと、トップページへ移動する操作を実行できる。以下の図のように、マウスを動かす方向が少しくらいズレていても正しく動作してくれる。
ちなみに、ここでいう「トップページへ移動」とは、そのドメインのホームページ(index.html)へ移動する操作となる。たとえば、「Tech+」のWebページを表示していた場合は、ドメイン名の部分、すなわち「https://news.mynavi.jp/」のページへ移動することになる。各サイトのホームページへ移動する、と表現してもよいだろう。
もちろん、マウスを各方向へ動かしたときに実行する操作をカスタマイズすることも可能だ。これについては、後ほど詳しく解説していこう。
「クイック検索バー」の活用
「Power Mouse X」には、その場ですぐにキーワード検索が行える「クイック検索バー」という機能も用意されている。
使い方は、マウスの右ボタンを押しながら“キーワード”を入力するだけ。これで即座にWeb検索を行える。ただし、キーワードの入力を片手で行うことになるため、「かなり使いづらい……」というのが正直な感想だ。キーワードを両手で入力したい場合は、「マウスの右ボタンを押しながらスペースキーを押す」の操作方法で検索バーを表示してキーワードを入力するとよい。
その後、「Enter」キーを押すと、検索結果のページが表示される。ただし、検索エンジンDuckDuckGoでの検索になるため、あまり見慣れない検索結果が表示される。
DuckDuckGoは、ユーザーの検索履歴などを追跡しない、プライバシーを尊重した検索エンジンとなる。使い勝手のよい検索エンジンではあるが、このあたりは“各自の好み”になるので評価するのは難しい。
ちなみに、検索結果を「新しいタブ」に表示する方法も用意されている。「クイック検索バー」を表示した状態で「Tab」キーを押すと、以下の図に示したアイコンのON/OFFが切り替わる。このアイコンがONのときは、「新しいタブ」に検索結果が表示される仕組みになっている。
なお、間違って「クイック検索バー」を呼び出してしまった場合は、「Esc」キーを押すと検索欄を閉じることができる。
マウスコンボを使ったブラウザ操作
「Power Mouse X」には「マウスコンボ」と呼ばれる操作方法も用意されている。こちらは「タブ」に関連する操作を行う機能となる。たとえば、マウスの右ボタンを押しながらホイールを上下に回転させると、アクティブにするタブを自由に切り替えることができる。
「新しいタブ」を開きたいときは、マウスの右ボタンを押した状態のまま、左ボタンをクリックすればよい。すると、「Power Mouse X」用にカスタマイズされた「新しいタブ」が表示される。
もちろん、この画面でWeb検索を行うことも可能だ。こちらは、検索エンジンに「Google」が初期設定されている。その下には、Chrome標準の「新しいタブ」やブックマークに登録されているリンクが「アイコン」として表示されている。これらのアイコン(リンク)も各自で自由にカスタマイズすることが可能だ。これについては、後ほど詳しく解説していこう。
そのほか、右ボタンのダブルクリックにより「現在のタブを閉じる」といった操作方法も用意されている。念のため、これまでに解説した操作を手短にまとめておこう。
・右ボタン+マウスホイール ……… タブの切り替え
・右ボタン+左ボタン ……………… 新しいタブの表示
・右ボタンのダブルクリック ……… 現在のタブを閉じる
「Power Mouse X」のカスタマイズ
このように、さまざまなブラウザ操作を“マウスの動き”で実現できる拡張機能が「Power Mouse X」となる。もちろん、それぞれの動作を自分専用にカスタマイズすることも可能だ。続いては、「Power Mouse X」の設定画面について解説していこう。
「拡張機能」のアイコンをクリックし、「Mouse Gestures - Power Mouse X」を選択する。
すると、以下の図のような画面が表示される。ここで「設定」をクリックすると、設定画面を開くことができる。
設定画面の左上には、「マウスコンボ」の有効/無効を切り替える項目が配置されている。使う予定がない操作は、ここで機能を無効化しておくとよいだろう。なお、3ボタンマウス用に「中央ボタン」を使った操作方法も用意されているようだ。
その下には、「クイック検索バー」で使用する検索エンジンを指定する設定項目が用意されている。ただし、検索エンジンを変更するには、有料版の「Power Mouse X」を契約しなければならない。無料版は「DuckDuckGo」に固定、という仕様になっている。
上図のように「鍵」のアイコンが付いている設定項目は、有料版を契約した方だけが変更できる設定項目となる。
設定画面の右上には、右ボタン+左ボタンで表示した「新しいタブ」に関連する設定項目が用意されている。ここで、検索エンジンを変更したり、リンク先をカスタマイズしたりすることも可能だ。
最も主要な機能となる「ジェスチャー」の設定項目は、画面の下部に用意されている。マウスを各方向(8方向)に移動させたときに実行される操作は、ここで自由にカスタマイズできる。
「前のページに戻る」や「次のページに進む」といった操作は、マウスに用意されている専用ボタン(親指で操作するボタン)でも実行できるので、「左方向」や「右方向」のジェスチャーには別の操作を割り当てておくとよいだろう。
以下の図は、マウスジェスチャーの設定をカスタマイズした例だ。もちろん、この設定を真似する必要はない。各自が使いやすいように、各方向の操作を自由にカスタマイズしていけばよい。設定変更に応じて、アイコンのプレビューも変化する仕組みになっている。
なお、設定を変更したときは、画面の最下部にある「保存」ボタンをクリックする必要がある。このボタンをクリックするまで設定変更は反映されないので、忘れないように注意しておこう。
ちなみに有料版を契約すると、円環を二重にして「マウスジェスチャー」の動作をさらに追加することが可能となっている。これで、「内側の8方向」+「外側の16方向」の計24個の操作をマウスジェスチャーで実現できるようなる。
こうなると、各方向に「どの操作を設定したのか?」を覚えるのが大変になりそうだが、慣れてしまえば便利に活用できるのかもしれない。これは無料版の8方向にも言えることだが、ブラウザを素早く操作できるようになるには、ある程度の慣れが必要である。最初は戸惑うかもしれないが、いちど慣れてしまえば快適にブラウザを操作できるようになるはずだ。気になる方は試してみるとよい。