3Dペンは、カレー沢さんの顔を描くために生まれてきたのかもしれない
前回、3Dペンで空中にお絵かきしようとして作ったゴミの山を一掃した後、いよいよカレー沢さんの自画像制作に取りかかりることにしました。
さっき使っていたフィラメント(出力に使う樹脂のことをこう呼びます)はお試し用についてきた赤色のものでしたが、今度は本番用の黒を使います。
ここからは、3Dペンでカレー沢さんを描いてみたい人のために、工程ごとに分けて書いていきます。
1:下絵の準備
まず、下絵を原寸で用意します(目視で似せるのは限界がありました)。
設定温度や作るものの大きさにもよるようですが、大きな面を作る時は紙が歪まないように何かに貼り付けた方が良いようです(小さいものであれば、コピー用紙に直描きで大丈夫でした)。今回は大きめなので手近にあった段ボールに貼りました。
2:3Dペンにフィラメントをセット
電源を入れ、素材の種類(ABS/PLA)を選びます。今回はABSを選択。
温度が上がるのを1分弱待ち、フィラメントをセットします。フィラメントは細いひも状になっていて、射出ボタンを押すと自動で引き込まれ、ペン先からにゅるにゅると出てきます。
ペン先を1cmほど浮かせて、ゆっくりと形を取っていきます。今回使ったこの機種は連続射出モードがあるので、ボタンを押し続けずともフィラメントが自動で出続けるのが楽でした。
勢い良く描くと線が引っ張られて直線になってしまうので、心を落ち着けてゆっくりペン先を動かします。なぜか「ヌードルメーカー」「イカスミスパゲティ」という単語が何度も頭に浮かびました。
3:ひたすらぐるぐると描く
あとはただひたすら、押し出されてくるフィラメントを無心でぐるぐるもじゃもじゃと置いていきます。モンブランを作るような感じです(作ったことはないですが)。
フィラメントは射出されてから数秒後に固まるので、「空中に描く」というよりは「絞り出した粘土を置いていく」ような感覚に近かったです。
満足のいく高さまで積み上げたら、停止ボタンを押します。
ここまで作業して、この企画でカレー沢さんの自画像が指定された理由が分かるような気がしました。3Dペンの描き味と、カレー沢さんの自画像がものすごくフィットしたからです。
4:別パーツではみ出した毛を表現
次は、チャームポイントの飛び出た毛(?)のパーツを作成していきます。一筆描きでつけるのは厳しい部分なので、メインのパーツとは別に作ります。
紙の上に出したフィラメントは冷めると簡単に紙から外せるので、下絵は再利用できます。本体より少し小さい円を描き、そこから生やすような感覚で放射状に描きます。
5:余分な毛をカット
毛の部分は、余分なところをニッパーでカットします。無ければハサミでも簡単に切れます。
毛を少し長めに描いて後で切ることにしたのですが、これは今回使用した機種では射出ボタンを押してから実際に射出されるまでわずかにタイムラグがあったため、始点と終点の流量をコントロールするのが難しかったからです。
6:顔を白いフィラメントで描く
顔のパーツはフィラメントを白に変えて描きます。黒→白に変えたのでグレーっぽくなるかなと心配しましたが、時間をおかずすぐきれいな白い樹脂が出てくるようになりました。色替え中に次に作る形のテストなどをしておくと無駄がなくていいかもしれません。
7:すべてをひとつに
毛のパーツと顔パーツ、そして本体を瞬間接着剤でくっつければ完成!(平らな部分がないので、顔パーツの接着が今回の中で一番難しかったです…。)
3Dペンの商品説明とはまったく別方向のベクトルですが、これも「立体お絵かき」と言えなくもないですし、何より非常に再現しやすくて楽しく制作できました。3Dペンを買った方、特に私のような空中お絵かきに挫折した方には、ぜひ一度カレー沢さんの顔を描いてみていただきたいです。
カレー沢さんのご尊顔をアクセサリーにしてみる
さて、「カレー沢さんの顔を作る」という企画は達成したのですが、せっかくなので何か活用法を考えたいところ。担当編集と相談したところ、「カレー沢先生が身につけられるようなアクセサリーはどうか」という案が出ました。
手作りできて、顔パーツがうまくはまるようなものを探してみた結果、「ロゼット」というアイテムがぴったりではという結論に。リボンを放射状に折って作る花のような飾りで、手芸の1ジャンルとしてだけでなく、結婚式の演出アイテムとしても人気があるそうです。
そこでユザワヤにある一番神々しいリボンを選び、ささっとロゼットを作ってみました。
記事が長くなってしまったのと、ロゼットの作り方については先例が多くあるので割愛します。「ロゼット 作り方」で検索していただければと思います。
こうして完成した「カレー沢薫ロゼット」、担当に見せてみると「神々しいですね!」と好反応。これで無事仕事は終わった……と思いきや、「せっかくなので、あと一息工夫しませんか?」と提案が。その工夫とは…?(次回へ続く)