
MacBook Neoの登場により、Macにビジネス向けノートPCとしての新たな選択肢が加わりました。本連載では、MacBook Neoが業務用PCとしてどの程度の実力を備えているのかを検証するため、Surface Laptop 7、ThinkPad L13 Gen 6との比較を行っています。 第2回では、Webブラウザやアプリの動作、リモート会議の快適さを検証しました。第3回となる今回は、Microsoft OfficeとGoogle Workspaceを使い、ファイルオープン、スクロール、グラフ作成やPDF書き出しといった実作業における処理時間を比較します。
検証結果サマリー
【Officeファイルのオープン】
Wordファイルの読み込みはWindows PCが優勢な一方、大容量ExcelファイルではMacBook Neoも健闘
【グラフ作成とPDF書き出し】
Excelのグラフ作成とPowerPointのPDF書き出しではMacBook Neoが最速
【Google Workspaceでのパフォーマンス】
各ツールともに3機種のパフォーマンス差は僅小
本記事での比較機種
MacBook Neo:A18 Pro、8GBメモリ、512GB SSD
Surface Laptop 7:Snapdragon X、16GBメモリ、256GB SSD
ThinkPad L13 Gen 6:Core Ultra 5 225U、16GBメモリ、256GB SSD
※各機種の詳細なスペックは第1回を参照してください。
検証項目①Microsoft Officeの操作
まずは、Microsoft Officeを使った作業を比較しました。
前提として、アプリの処理速度はハードウェア性能だけで決まるものではありません。プログラムがOSやPC環境にどの程度最適化されているかも大きく影響します。今回のテストだけでハードウェア性能を単純比較することはできませんが、ここでは、実際の業務でユーザーが感じる快適さという観点から結果を見ていきます。
最初に、ファイルを開く時間を計測しました。アプリ自体の起動時間を除外するため、アプリは先に起動しておき、ファイルダイアログからファイルを開いています。
テストには2種類のファイルを使用しました。1つ目は画像や表を含むA4サイズ・約2500ページのWordファイル、2つ目は25万行(データ総数約220万個)のデータが格納されたExcelファイルです。WordファイルではWindows 2機種がより短時間で処理を終えましたが、ExcelファイルではMacBook NeoがSurface Laptop 7を上回る結果となりました。
いずれにせよ、膨大なデータを含むファイルであっても、MacBook Neoを含むすべてのマシンが実用上十分な速度で作業を開始できることが確認できました。
A4サイズで約2500ページのWordファイルを開くのにかかった時間。データサイズは約50MBです。
25万行のExcelファイルを開くのにかかった時間。計算式や条件付き書式なども組み込まれています。Windows 2機種で差が出た要因としては、CPUアーキテクチャの違い(Surface Laptop 7はARM系、ThinkPad L13はx86系)によるプログラムの最適化度の差が要因の1つである可能性があります。
続いて、Excelでグラフ作成の所要時間を計測しました。約12万個のデータから3D折れ線グラフを作成したところ、MacBook Neoが45秒、Surface Laptop 7が1分13秒、ThinkPad L13が1分41秒となり、MacBook Neoが圧倒的な速さを見せました。
また、200ページのPowerPointファイルをPDFへ書き出すテストでも、MacBook Neoは26.42秒を記録し、Surface Laptop 7(33.9秒)やThinkPad L13(27.0秒)を抑えてトップに立ちました。作業内容によっては、MacBook NeoがWindows PCを上回る高いパフォーマンスを発揮することが確認できました。
Excelで約12万個のデータから3D折れ線グラフを作成するのにかかった時間。
PowerPointで、200ページのスライドをPDFに書き出すのにかかった時間を計測。
興味深い差が出たのがWordのスクロールテストです。画像や表が入った約400ページの長文ファイルを最終ページまでスクロールする速度を検証しました。
最終ページへの到達時間自体はWindows 2機種のほうが高速でしたが、Windows PCでは途中で描画処理が追いつかず、文書が描画されないままスクロールバーだけが進む現象が見られました。一方のMacBook Neoは、全ページの描画を維持しながら最終ページまで到達しました。
単に最下部へ移動する目的であればWindows PCが有利ですが、目視で内容を確認しながら目的の位置で止めるような操作では、描画が遅延なく追従するMacBook Neoのほうが扱いやすい場面もあります。単なる処理時間だけでは操作の快適さを測れないことを示す好例といえます。
https://youtu.be/qVueTLAOQbg
約400ページのWordファイルを最終ページまでスクロールした際の挙動。ページ全体が表示される倍率で表示し、[Page Down]キー(Macの場合は[fn]キー+[↓]キー)を押してスクロールさせています。
検証項目2:Google Workspaceの操作
最近は、Google Workspaceを導入し、GoogleのWebアプリを中心に業務を行っている企業も増えています。そこで、Google Workspace(Webアプリ)における動作速度も検証しました。
Google ドキュメントでのスクロール処理時間は、MacBook Neoが5.52秒、Surface Laptop 7が5.28秒、ThinkPad L13が6.51秒と、大きな差は見られませんでした。
25万行のGoogle スプレッドシートを日付順にソートするテストでは、MacBook Neoが3.51秒を記録。Surface Laptop 7の3.39秒にはわずかに及ばないものの、ThinkPad L13の4.39秒を上回りました。また、Google スライドからのPDF書き出し速度も、MacBook Neoが4.40秒、Surface Laptop 7が5.34秒、ThinkPad L13が4.83秒と、ほぼ同等の結果となっています。
Google Workspaceのツールはブラウザ上で動作するWebアプリであるため、ブラウザ自体の処理能力やネットワーク速度、サーバ側の負荷など複数の要因が影響します。また、作業内容によってPCスペックの影響度が異なります。例えば、差がつきにくかったPDF書き出しは主にサーバサイドで処理されるためローカルPC性能の影響が小さく、スプレッドシートのソート処理はローカルPCの性能がある程度反映されたものと推測できます。
処理内容によって優劣の要因は異なりますが、総じてMacBook NeoでもWindows 2機種と同等以上に快適な操作が可能であると判断できます。
Google ドキュメントで、20ページの文書をスクロールし、末尾に到達するまでの時間を計測。
Google スプレッドシートで、25万行のデータをソートするのにかかった時間を計測。
Google スライドで、200ページのスライドをPDFファイルにエクスポートするのにかかった時間を計測。
オフィス業務でも価格以上のパフォーマンス
一連の検証を通して、オフィスアプリを中心とした日常業務においても、MacBook Neoが何ら遜色のないパフォーマンスを備えていることが確認できました。大容量のドキュメントを扱う際にもストレスとなる遅延はなく、処理によってはWindows PCを凌駕するスピードを発揮します。
今回の検証だけでは見えてきませんが、数値化が困難な文字入力や簡易的な画像編集といった日常操作においても、もたつきを感じさせることなくスムーズな動作を実現しています。
この傾向はGoogle Workspaceでも同様であり、いずれの処理でも目立った遅延はなく快適に業務をこなすことができます。
さらに、この結果を本体価格と照らし合わせると、MacBook Neoの優れたコストパフォーマンスがいっそう際立ちます。今回比較したSurface Laptop 7(25万1680円)やThinkPad L13(23万1132円※いずれも記事執筆時の法人ストア直販価格)に対し、MacBook Neoは13万7800円で導入できます。競合モデルと比較して格段に低い価格でありながら同等以上の実用性を備えており、Microsoft OfficeやGoogle Workspaceをメインで使用するビジネス用途において、非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。






