Windows Latestは4月7日(現地時間)、「Developer explains why Windows 11 keeps getting web apps instead of native apps」において、Windowsアプリの開発者がWeb技術を採用する理由について現状の分析結果を伝えた。

一部のサードパーティーアプリがネイティブ実装からWebView2(EdgeベースのUI技術)へ切り替えた際、多くの利用者はアプリ開発企業の判断を非難した。しかしながら、この決定の背景には根深い構造的問題があり、開発企業よりもMicrosoftが提供するWindowsプラットフォームに根本的な原因があると指摘されている。

  • 「なぜこんなに重い?」その原因はアプリの“Web化”(WebView)にあった

    「なぜこんなに重い?」その原因はアプリの“Web化”(WebView)にあった

なぜWindowsのUI技術は統一されなかったのか?

Windows向けアプリ開発は、かつてWin32 APIを中心に明確な道筋が存在していた。開発者は一度習得した技術を長期間活用できるという前提で開発を進めることができた。

しかしその後、Microsoftは複数のUI技術を相次いで投入してきた。MFC、WinForms、WPF、Silverlight、UWP、WinUI3などが登場し、それぞれが将来の基盤として提示されながらも、十分に成熟する前に移行が繰り返されてきた。

この結果、開発者にとって「どの技術を選べば長期的に安全なのか」が見えにくい状況が生まれた。

開発者はネイティブではなくWeb技術を選ぶのか?

こうした状況の中で、開発者はネイティブ技術への依存を避ける傾向を強めている。

その代替として選ばれているのがWeb技術である。Web技術は特定のプラットフォームに依存しにくく、将来の環境変化の影響を受けにくい。単一のコードベースで複数環境へ展開できる点もあり、リスクを抑えた選択肢とみなされている。

つまり、WebUI技術は最適だから選ばれているのではなく、「将来の不確実性を避けるための手段」として採用されている側面が強い。

なぜWeb化したアプリはメモリを消費するのか?一方で、Web技術を利用したアプリには明確な課題もある。

WebView2のような仕組みでは、アプリ内部でブラウザー相当の処理が動作するため、メモリー消費が増大しやすい。また、オンラインサービスとの連携を前提とする構造も多く、応答性や操作性に影響が出る場合がある。

実際、WhatsAppやSlack、Discord、Zoomなどのアプリでは、Web技術を採用したことでリソース消費の増加が指摘されるケースもある。

ユーザーにとっては「重い」「遅い」と感じる原因の一つになっている。

なぜmacOSやiOSではネイティブアプリが主流なのか?

照的に、macOSやiOSではネイティブ技術を中心とした開発が現在も主流である。

これはAppleがCocoaやAppKit、SwiftUIといった基盤を継続的に発展させ、開発者に対して一定の方向性を示し続けてきたためと考えられる。開発者は長期的な利用を見通しやすく、ネイティブ技術を選択する判断がしやすい環境が整っている。

Windowsアプリの品質は今後改善するのか?

Microsoftは2026年3月、Windows 11の改善計画を発表し、軽量化やユーザー体験の向上に取り組む方針を示している。

しかし、開発者の不安を解消するための具体的な方向性については、現時点で明確な指針が示されているとは言い難い。

Windows Latestは、プラットフォームの一貫性を保ち、開発者との信頼関係を再構築する必要があると指摘している。特にWinUI 3のような基盤に一本化することが求められている。

WindowsアプリのWeb化は、技術的な進化の結果というよりも、開発者が安定した基盤を求めた結果として生じた側面が大きい。この構造が変わらない限り、「なぜWindowsアプリは重いのか」という問題は今後も続く可能性がある。