2026年第1四半期(1~3月)に世界全体で7万8557件のテック業界のレイオフが記録された。ただし、AIが雇用に与える真の影響はまだ顕在化していない可能性があるという。

汎用AIを企業の実環境に合わせて最終調整・実装するサービスは依然不可欠

調査会社のRationalFXによると、2026年1月~3月期、テック業界は7万8557件のレイオフを行った。そのうち約半数にあたる3万7638件が、AIの導入や業務自動化に直接・間接的に起因するとされる。

しかし、ITサービスのCognizant CAIO(最高AI責任者)であるBabak Hodjat氏は、実際の生産性向上を反映した解雇が本格化するには「さらに6~12カ月かかる」と述べている。そして、現時点ではAIが財務上の「スケープゴート(身代わり)」にされているケースもあると指摘した。

企業の業務に本格的に組み込まれ、実際の生産性向上として結果が出るまでにはさらに6~12カ月かかるとみており、その過程では雇用面での痛みも避けられない、とHodjat氏は警告した。

Cognizant自身もAIによる自己変革の過渡期にある。同社は米サンフランシスコと印ベンガルールにAIラボを設立し、クライアント向けにLLM(大規模言語モデル)のファインチューニングの新手法やAIエージェントの展開といった先端技術の開発を進めている。また、クライアントが独自のエージェントを構築・展開・監視できる統合プラットフォームも開発した。

Hodjat氏は、多くのクライアントが既製のAIエージェントソリューションを社内で試みたものの、性能面やセキュリティ面の問題から期待通りの成果が得られなかったと説明。エンタープライズで活用するためには、汎用AIを企業の実環境に合わせて最終調整・実装する、いわゆる「ラストマイル」のサービスは依然不可欠だと強調した。Nikkei Asiaが4月8日付で報じている。