
石黒浩さんのロボット開発
AIやロボットが〝人の命〟や〝生き方〟と深く関わる時代になって来た。
ロボットが現実に介護の領域でも活用され始め、寝起きや移動の補助の働きだけでなく、ロボットが人と対話し、癒しの対象にもなり始めている。
人間のような動きをするアンドロイド(人間酷似型ロボット)や人の分身として働くアバターといったように、ロボットがわたしたちの生活領域の中に入り込み始めている。
わが国のロボット学の第一人者であり、自立対話型アンドロイド『ERICA』などを開発宇してきた大阪大学教授・石黒浩さん(1963年10月生まれ)は人間とロボットの共生・共存を図り、研究開発を進めるのも、「人の進化に貢献したいから」と言われる。
ロボット学に打ち込もうと思った動機は、ロボットに興味があったからではなく、「人」に関心があったからだというのだ。青少年期は、「小説家になりたい」と思った時もあったという。「人間とは何か」、あるいは「働くこととは何か」を知りたくて、その観点からロボット学の研究開発を進めてきたということ。
そのことは、人の能力を拡大することにつながり、「人や社会の進化に貢献する」ことが研究開発のインセンティブになっていると石黒さんは語る。
欧米は、ロボットは人に従属するものという考えがあるともいわれるが、日本では人とロボットの共生を考える風土がある。日本発のロボットが世界に広がっていくことを期待したい。