
第2次高市内閣がスタート。鈴木憲和農水相には、食料安全保障の確保や自給率目標の達成などに加えて、コメの安定供給に向けた取り組みの推進が指示されている。
鈴木氏は2月20日の記者会見で、「国民がコメを入手できない事態を生じさせない」と強調。その上で、持続的な供給には「生産者の再生産・再投資が可能で、消費者にも理解が得られる価格水準」が重要だと指摘した。
コメの安定供給を巡っては、昨年3月に政府備蓄米の放出が始まった。農水省によると、入札と随意契約により、合計で約59万トンの政府備蓄米が放出された。
鈴木氏は今年2月13日の記者会見で「需要を上回る十分な供給が確保された。銘柄米、ブレンド米、備蓄米と様々なニーズに合った異なる価格帯のコメが店頭に並び、消費者にとっては選択の幅が広がった」と評価する一方、「より迅速に国民に届けることができなかった」と反省の弁も述べた。
鈴木憲和・農水相
農水省が公表した2月16日~22日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)をみると、5キログラムで前週より4円(0.1%)低い4118円だった。昨年9月以降は、4000円を上回る水準で横ばい傾向が続いている。
一方、変化の兆しもみられる。2025年産米の1月の相対取引価格(卸値)は、全銘柄平均で60キログラムあたり3万5465円だった。前年同月比で9538円(37%)高いものの、昨年10月の3万7058円から3カ月続けて下落した。3カ月連続の低下は2023年8月以来、2年5カ月ぶりという。
店頭価格に反映されるか不透明ではあるが、コメ取引業者の間では今後の価格低下を見通す声が根強いとされる。
近年は異常気象による品質の低下など、コメ生産を巡る環境も厳しさを増している。政府は今国会で食糧法改正を検討しており、鈴木氏によると、流通構造の実態把握の強化や、政府備蓄を補完する民間備蓄制度の創設などを進めていくという。
